ナショナル・グリッド NGGとはイギリスの公共事業持株会社である。事業はイギリス送電、イギリスガス輸送、イギリスガス販売、米国規制事業の4部門で構成されている。
NGGの設立前、イングランドとウェールズの電力事業は国営企業であった。1990年に国営電力会社が解体され、ナショナルグリッドが送電事業を請け負ったという歴史を有する。
日本から投資をする際にはADRを購入するのが一般的だ。イギリス株なので配当金への税金が少しお得である。イギリスのADRは外国源泉徴収税がかからないのだ。
本記事はイギリス高配当株シリーズの一環である。銘柄分析とまではいかないのだがディフェンシブな英国高配当株NGG の企業紹介をしたい。
もし他の英国高配当株ADRを知りたいならこちら。
ナショナルグリッド【NGG】とは市場価値ランキング世界5位の公益会社
電力やガスなどインフラは世界のどこにいっても必須である。その公益会社の市場価値ランキングをみると、ナショナルグリッドは世界第5位となっている。
- ネクストエラ・エナジー NEE(アメリカ)
- デュークエナジー DUK(アメリカ)
- サザンカンパニー SO(アメリカ)
- ドミニオンリソーシズ D(アメリカ)
- ナショナルグリッド NGG(イギリス)
- エネル(イタリア)
- イベルドローラ(スペイン)
- 中国長江電力(中国)
- エンジー(フランス)
- パシフィック・ガス&エレクトリック(アメリカ)
ナショナルグリッド【NGG】は、米英にまたがるイギリス企業
ナショナルグリッドは英国企業である。それでもしっかりとアメリカに事業展開をしている。
- 米国規制事業:42%
- イギリス送電:30%
- イギリスガス販売:14%
- イギリスガス輸送:9%
- その他:5%
米英にまたがるディフェンシブ株ということになる。
ナショナルグリッド【NGG】は、従業員の安全性に気を使っているガス・電力会社
電力やガスその他インフラ企業というのは、実は危険な作業を伴う事が多い。なので公益会社は従業員の安全性に気をつかう。ナショナルグリッドも同様であり、従業員のけがによる時間喪失割合は年々低下していると強調する。
ナショナルグリッド NGGは連続増配銘柄
NGGはポンド建てでみると25年連続増配株なのだ。株主向けプレゼンテーション資料でも配当金を強調している。
2017年5月にADRの株式併合を実施した。12ADRを11ADRとして特別配当を出したのだ。これにより連続増配の歴史がどうかわるのかは不明である。
ナショナルグリッド NGGの業績
ナショナルグリッド【NGG】の株価指標
2017年9月15日 | |
ティッカー | NGG |
株価 | 65.38 |
PER | 18.42 |
EPS | 3.55 |
配当 | 4.47% |
配当性向 | 79% |
配当月 | 1/8月 |
増配年 | 25年 |
増配率(5年) | 3.1% |
増配率(10年) | 6.4% |
β | 0.43 |
ナショナルグリッドはディフェンシブな公益セクターに所属する高配当株である。イギリス銘柄らしく、半年毎の配当金支払いとなっている。
ポンドベースで連続増配25年であるが、ドルベースや円建てでは為替の影響をうけるので要注意。
ナショナルグリッド【NGG】の株価(直近10カ月)
ナショナルグリッド【NGG】の売上高と利益率
NGGの売上高をみると鉄壁のディフェンシブ銘柄だと分かる。
ナショナルグリッド【NGG】のキャッシュフロー
素晴らしい安定感。公益セクターがディフェンシブと言われる理由がよくわかる。
ナショナルグリッド【NGG】の配当金状況
ナショナルグリッドはイギリスの連続増配銘柄である。増配年は25年。オレンジ色の配当金推移をみれば、綺麗な右肩上がりとなっている。これはポンド建ての数値だ。
さらに青色のEPSをみても基本的には右肩上がりとなっている。ディフェンシブ銘柄を好む投資家にとってNGGは要注目の銘柄である。
ナショナルグリッドNGGに投資する際のリスク
ナショナルグリッド NGGは公益セクター所属でありディフェンシブな側面を強く有する。しかしこのような電力・ガス会社は規制によって守られている。NGGはイギリス企業であるので、イギリス当局からは今後もおそらく保護されると予想される。
一方でNGG売上の42%を占めるアメリカにおいては規制当局の動向に注視が必要だ。
ナショナルグリッド【NGG】に対する私見
ナショナルグリッド NGGとは、個人投資家に多くのメリットを有する。
- ディフェンシブな公益セクター
- 超大手で安定したキャッシュフロー
- 連続増配銘柄
- イギリス銘柄なので、配当金の税金に旨味有り
安定を好むインカムゲイン投資家にとって注目株となるであろう。
著者はNGG株を保有していません。この記事は自分自身の備忘録として記述したもので、読者にNGG株の投資を推奨することを目的として書いていません。投資判断はご自身で行ってください。
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コメント
初めまして。
保有されていない中での質問すみません。
NGGは米国の事業の割合が結構多いようですが、現地での課税はそのぶんされるのでしょうか?
さっちゃんさん、
こんにちは。
NGGの配当金には現地課税がされるのか? というご質問だと理解しました。
答えはNo.
NGGの場合、配当金の二重課税は避けられます。
NGGはイギリス株であり、日本の証券会社経由ではADRで購入が可能。
イギリスやオーストラリア企業のADRは配当金に現地課税がかかりません。
ですからナショナルグリッドの配当金には二重課税がされません。
お得な感じがしますよね。
ご質問ありがとうございました。
お返事ありがとうございます。
考えてみたらそうですよね。
フィリップモリス等と混同して、少し勘違いした質問をしてしまいました。
失礼しました。