アメリカ株における高配当戦略のメリットとデメリットを記録しておきます。
ジェレミー・シーゲル著「株式投資の未来」にはリターン補完戦略として4つが挙げられています。
- 高配当戦略
- グローバル戦略
- セクター戦略
- バリュー戦略
このうち私が特に気に入っているのが高配当戦略ですね。
米国株は株主還元とりわけ配当金を重視する会社が多いですから。
個別銘柄の選択にあたっては、持続可能なペースでキャッシュフローを生成し、それを配当として株主に還元する銘柄を選ぶ。
株式投資の未来より
米国株での高配当戦略のメリット
- 高配当株は高いリターンを過去に記録していた
- 高配当銘柄は株価下落時のクッションになる
- 米国株の配当金はリターンの源泉となる
- 配当金を受け取ることで心理的負担が減り、株式投資継続へのモチベーションとなる
米国株投資において高配当戦略はいつかのメリットを有します。
1つずつ一緒に見ていきましょう。
高配当株は高リターンをもたらしたデータを有する
引用:JPモルガンHPより
注:米国高配当株式はDow.Jones.US.Select.Dividend.Index。S&P500はS&P500 Total Return Index。
上図は、S&P 500と米国高配当株式のパフォーマンスを比較しているグラフです。
長期で見ると、【緑】で示す高配当株式が【灰】で示すS&P 500を上回っていることが読み取れます。
1999年末を起点としたトータルリターンを見た場合、高配当戦略は優れたデータを有しているのです。
高配当株は下落時のクッションになる、下げ相場でメリット
引用:JPモルガンHPより
上図は、S&P 500が通年で下落した年の、S&P 500の下落率と米国高配当株式の騰落率を比較したものです。
2000~2016年において4回の下落年が存在しました。
いずれの年も高配当株式のリターンがS&P 500を上回っていることが分かりますね。
高配当は下落時のクッションと言われる所以です。
>>>株価暴落はいつ起きる? アメリカ市場の暴落周期9回のまとめ
高配当銘柄の配当金はリターンの源泉となるメリット
引用:JPモルガンHPより
これは、S&P 500の配当利回りと自社株買い利回りを見ています。
リーマンショック以降、最近では両者を足した利回りが5%で安定していることがわかります。
S&P500では株主還元の半分を配当で占めていました。
さらに米国株にはトータルリターンの約半分を配当が占めるというデータも存在するのです。
目に見えやすい配当。
配当が高いものを選ぶ高配当株投資。
非常にリーズナブルな戦略ですね。
配当金をもらうと嬉しいという心理的メリット有
アメリカ株は四半期配当銘柄が多いです。
その配当金が高いとなると、株主としては非常にうれしい気持ちになります。
この嬉しい気持ちというのは投資継続の糧となるのです。
さらに下落相場においては、リターンのみならず心のオアシスとなって株主に恵みを与えてくれます。
これは米国銘柄に関わらず配当支払い株ならば同じですね。
精神的に弱い個人投資家にとって配当金というのは心の支えになります。
米国高配当株は弱者に手を差し伸べてくれる優しい手法だと私は思うわけです。
米国株による高配当戦略のデメリット
配当金には税金が毎回かかる
無配銘柄と配当銘柄のトータルリターン(税引き前)が全く同じだとしましょう。
この場合、税金を考慮すると高配当銘柄の分が悪いです。
配当金を受け取る度に税金を支払わないといけないからです。
これにあえて反論したい。
無配銘柄は、利益を確定するときには売却する必要があります。
現金が必要となったときや他銘柄に乗り換えるときが該当します。
この際には多額の税金がかかることになるのです。
つまり配当銘柄であろうが無配銘柄であろうが、最終的には税金支払が生じるわけ。
税金の後払いになるので無配銘柄の方がベターというのは納得がいきます。
しかしながらそれほどまでに長く無配銘柄を持ち続けられる人はいるのでしょうか?
>>>バイアンドホールド戦略とは有効か?永久保有は想像以上に難しい理由
私には無理。
例えば3年で3倍になった銘柄があるとしましょう。
私ならば途中で売ってしまいたい病に罹ってしまいますよ。
このまま持ち続けて下がったらどうしよう、とか不安になってしまうだろう。
途中で売ってしまいたい病に有効なワクチンは存在しないのです。
そして途中で売ってしまいと思う程株価が上昇しないような場合には、無配銘柄の旨味がなくなります。
いずれにせよ米国株であろうがなかろうが利益確定のためには最終的に売却することが必要です。
税金支払を先延ばしにするメリットは、株価上昇した後も長期間保有し続けられる投資家にのみ与えられるものなのです。
配当金のメリットを享受するのに、一定額以上の種銭が必要
米国株投資での高配当とは、3%以上の利回りを想定します。
わずか3%。
100万円の株だとして、年間3万円。
月に直すと2,500円。
これで満足できるでしょうか?
高配当株といえどもそのメリットを実感するのに一定額の種銭が必要となります。
ここに持論をぶつけてみる。
さっさと種銭作れよ!
上述のように米国株高配当戦略には複数のメリットが存在します。
それを知ったのならば、実感できるレベルにまではせっせと種銭を作ればよいのです。
サラリーマンだとしても、100万とか1,000万位の現金だったら気合いれれば何とかなるはず。
収入アップ、収入の複線化、節約、その後に資産運用。
厳しい世の中とはいえ、まだまだ日本は恵まれた国のひとつであるのですから。
>>>米国株投資の証券会社:手数料値下げ・特定口座・取扱いの変遷を比較
米国株投資における、高配当戦略への私の対応方法
- インデックス戦略
- 高配当戦略
- グローバル戦略
- セクター戦略
- バリュー戦略
>>>ETFで配当狙いのシーゲル流ポートフォリオを作ることにした理由
ダウの犬とか、S&Pコア10種とか、高配当戦略には愉快な方法がたくさんあります。
株価堅調すぎて購入に躊躇していたり、ドルを保有していなかったりするときには、どの銘柄が良いかなぁなんて悩んでいるだけでも楽しいです。
投資に感情は不要という声が多いが、私は楽しみながら米国投資を継続していきます。
>>>ダウの犬、高配当おすすめ米国株10銘柄【2018年版】
配当金に注目の米国株マイポートフォリオ
私は配当金を狙った米国株投資をしています。インカムゲインを対象とした投資が自分の性格に合っていると思うからです。
【参考:米国株 注目の51銘柄】
米国株で配当金について注目している銘柄
- 配当貴族リスト:25年連続増配の50銘柄【2018年版】
- ダウの犬、高配当おすすめ米国株10銘柄【2018年版】
- 配当王リスト、50年連続増配の26銘柄【2018年版】
- おすすめ米国株:配当金を100年以上支払い続けている9銘柄
配当金狙いのポートフォリオはマネックス証券で構築しています。保有銘柄を適宜公開していますので何か参考にでもなればうれしいです。
【参考:米国株マイポートフォリオ】
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