投資の格言では、「卵を一つの籠に盛るな」とは有名な話。
- 長期
- 分散
- 低コスト
- 積立
いまでは優良なインデックスファンド(例:楽天VTI)や米国株ETFがあるので、容易に分散投資が可能となる。
インターネット証券を活用すれば、アメリカ株投資だって簡単に買える。
こうなってくると、分散投資とはいったいどうしたらよいのか疑問に思う。
そこで本記事では資産クラスの分散投資について考えてみた。
分散投資とは?
ひとことで分散といっても、複数の概念での分散がある。
- 資産(株式/債券/不動産/預貯金など)
- 地域(国内/海外、先進国/新興国など)
- 通貨(米ドル/日本円/人民元/ユーロなど)
- 時間(春/夏/秋/冬など)
資産クラスの分散が、一番大きな意味での分散ということになる。
地域・通貨は同じように考えてもよさそうだ。
時間の分散は、ドルコスト平均法で有名である。
ここで株式投資でおすすめの情報源、JPモルガンのGuide to the marketを参考に、資産クラス×地域についての相関係数を紹介したい。
クラス間の相関係数をみて分散投資をするのか?
上図は資産クラスと地域における相関係数を示している。
- 縦軸:直近10年間
- 横軸:直近3年間
日本語の情報では日本株をベースに数値が掲載されている。
直近10年間でみると、日本株と米国株の相関係数は0.67である。直近3年で見ると0.71となる。
この数値をどのように考えるのかは人それぞれであるが、統計学的には強い相関があると言っていいだろう。
それでは日本株と世界株式ではどうか?直近3年・10年ともに相関係数は0.7だ。
つまり日本株式とは米国市場・世界市場と一定以上の相関があるように読み取れる。
これは新興市場についても同様である。
現代社会においては世界は小さくなっており、各国の株式市場は密接な繋がりがある。
したがって分散投資を心掛ける個人投資家は、どこの国の株に投資をするのか?という地域分散よりも、株式以外のどの資産にお金を置くのかという視点が重要となる。
換言すればアセットアロケーションがKeyなわけだ。
現に上図の相関係数をみると、日本株と逆相関があるのは
- 日本国債
- 先進国債
- 米国10年国債
のみであることは頭に入れておきたい。
どの資産クラスにお金を置くのか?
分散投資をマジメに考えると、もうわけがわからなくなる。
資産クラスだけでも以下のように多岐にわたるのだから。
- 株式:日本・米国・世界・新興国
- 米国ハイイールド
- 新興国国債(米ドル・現地通貨)
- 米国REIT・J-REIT
- 日本国債・先進国国債・米国10年国債
- ドル・円
そんなときには8分散ファンドなどが有効なのでしょう。
もしくはマネックスアドバイザーのようなAIを活用した分散投資もよい選択肢となる。
資産クラスの相関係数は無視して、米国株投資だけでいいや
資産クラスの分散は重要であることは理解できる。
一方で長期投資をする際には株式が有利であるというのは米国市場のデータから明らかとなっている。
だったら国別株式市場リターンで上位にいる国に投資したらよいのではないか?
そんなことを思い、私は米国株投資を選好している。
資産クラスで不利な現金だが、大事なのも現金
長期投資において預貯金が最も不利であったというデータがある。
下記は1801年に1ドルを投資した場合の2006年での結果だ。
1801年 | 2006年 | |
株式 | 1ドル | 75万5163ドル |
長期債 | 1ドル | 1083ドル |
短期債 | 1ドル | 301ドル |
金 | 1ドル | 1.95ドル |
預金 | 1ドル | 0.06ドル |
金融庁がつみたてNISAなどで貯蓄から投資へと積極的に推進する理由もこのあたりにある。
しかしだからといって現金の重要性が失われるわけではない。
現金比率をふくめたアセットアロケーションが大事なのは言うまでもない。
簡単に言ってしまえば資産クラスの相関係数をみたあとは、3項目の資産配分比率だけ考えればいいのでは?
- 株式比率(世界分散でも米国株一択でもどっちでもいい)
- 現金比率
- その他
ここに不動産を加えるとよりよいかな。
いずれにせよ、資産クラス間の相関係数はアセットアロケーションを検討する際にとても便利なので、ぜひ参照されたし。
あなたは相関係数をみてどのような分散投資をしていますか?
See you!
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