投資では、アセットアロケーション(資産配分比率)が最重だと言われる。
トータルリターンがアセットアロケーションでほぼ決まるからだ。
そこで、アセットアロケーション(資産配分比率)について考察してみる。
目次
投資の総リターンはアセットアロケーション(資産配分)で9割決まる
投資はリターンを狙って行うものである。
リターンを決める要素は複数あり、個人投資家は成績向上を願っている。
バートン・マルキール著「ウォール街のランダム・ウォーカー」によれば、下記とされている。
投資の総リターンの90%は、投資家の選択したアセット・ミックスによって決まる。
投資の成功度合いのわずか10%弱が、選択された資産の中身、例えば具体的にどの銘柄や投資信託を選ぶことに依存するに過ぎない。
換言すれば一部のインデックスファンドマニアが行っている投資信託のコスト比較や、個別株投資家が時間をかけて実施している銘柄選択は、資産配分比率決定に比してリターンへの寄与が少ない。
それでも各セグメントの投資家が研究に励んでいるのは、リターンを少しでも上げたいという欲求からくるものであろう。
もちろんアセット・ミックスを確定した上での話だ。
つまりまずはアセットアロケーション(資産配分比率)の重要性を知った上で、投信や銘柄選択をするのが良い。
続いて、資産配分比率(アセット・アロケーション)が総リターンに対して最も影響力があることを示すデータをおさらいしてみましょう。
投資で最も大事なのは、資産配分比率だ
バンガード社の研究結果を見てみよう。
1962年~2011年12月末にかけて、米国の518のファンドのリターンをみたデータである。
The Global Case for Strategic Asset Allocation (Wallick et al., 2012)
ご覧のようにウォール街のランダム・ウォーカーの記述とほぼ同じ結果であった。
- 12%:銘柄選択・マーケットタイミング
- 88%:アセット・アロケーション
つまり投資においてはアセットアロケーションがやはり重要であるといえる。
今回引用しているデータは、インデックスファンド推進派のものである。
したがって偏った意見ではないかという、批判的吟味が必要だ。
しかしながら複数のデータソースから同様の結果が得られている。
頑健性があるので信じてよし。
長期投資の総リターンの大部分は、資産配分比率で決まるわけだ。
よく考えればすぐに分かる。
200年の長期スパンでみるとトータルリターンは、下記の通りなのだから。
やはり株式比率を決めるのが最重要である。
株式投資投資で成功する運用方針策定の5ステップ
チャールズ・エリス著「敗者のゲーム」から抜粋しよう。
- 運用目的と、その達成の為の資産配分の策定(株式・債券など)
- 成長株/バリュー株、大型/小型株、国内/海外など株式ポートフォリオの決定
- アクティブ vs パッシブ比率の決定
- 個別ファンドの選択
- 個別銘柄選択、売買実行
第一段階がまず大前提である。
つまり運用目的と、アセットアロケーション(資産配分比率)の設定を忘れずにおきたい。
資産配分比率の設定は、低コストで高リターンが見込めるのでおすすめだ。
どの銘柄を買おうかな? 日本株よりアメリカ株が良さそうかな?と、悩むのは勝手。
アセットアロケーションの目標設定をするために、個人投資家はまず自分の金融資産総額を把握することからはじめよう。
総金融資産を知らなければ、アセット・アロケーションのへったくれもない。
口座が複数あって面倒だ、というあなたはマネーフォワードを一度試しては?
かなり便利ですよ。
終わりに:米国株投資はデータが豊富でメリット沢山ある
今回用いたのは、アメリカのデータである。
日本株を対象としたアセット・ミックスでの結果はわかりかねる。
株式投資の研究はアメリカが先進国であることは周知の事実。
このような成熟した市場での米国株投資は安心感抜群だ。
ちなみにアメリカ株投資ならマネックス証券が手数料安いし取扱銘柄数が多くてオススメですよ。
なので私も使ってます。
とにかく、
長期投資の総リターンの90%は、アセット・アロケーション(資産配分比率)で決まる。
これを預貯金を含め金融資産を保有する全ての人が肝に銘じておく必要がある。
銘柄選択や売買タイミングは二の次。
拡大解釈すれば、好きな銘柄を好きな時に買える。
なんて素敵なことなんだ。
早速アセットアロケーション(資産配分比率)を決めてみましょう。
See you!
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年齢別の株式比率を簡単に表した公式の紹介。100-年齢や、120-年齢といった式がアメリカでは汎用されている。
年齢が上昇するに従い、株式比率を下げることが一般的。それは残りの投資年数が少なくなっていくからという理由が考えられる。
さらに追加して、40代後半からは個人投資家の投資パフォーマンスが下がっていくことも知っておきたい。