インデックス投資はアクティブ投資と比較しパフォーマンスに優れる傾向があると言われている。アクティブ投資は手数料の分だけ損をしやすいことが理由だ。
だから投資信託の世界では両者の違いを明確にし、インデックス投信がもてはやされアクティブファンドは隅に追いやられている。とくに楽天VTI・VTなどが発売され、投資信託界隈が盛り上がっている。
しかし個別株投資をしないとインデックスには勝てない。少なくとも一定の比率でアクティブ投資を組み入れる必要がある。
アクティブ投資家はインデックスよりパフォーマンスに優れる方法を模索し投資している。平均以上の企業を選んで投資すればよいのだ。バークシャー・ハサウェイのウォーレン・バフェットはその具現者である。
一方のインデックス投資家は市場平均と同じかそれより信託報酬分だけ低いリターンで満足しているのだろう。あくまでもパッシブなわけだ。
そこで今回はアクティブ投資vsインデックス投資の比較をしてみる。そして個別株投資がインデックスにパフォーマンスで勝てる確率を検証してみたい。
インデックス投資を上回る個別株は、たった20%のみ
下図はロングボード社が実施した調査結果である。1989~2015年に実在した14,455のアメリカ個別銘柄のリターンをパレート図としたものだ。
2:8いわるニッパチの法則はアメリカ株投資にも当てはまる。
2,942社の株式つまり上位20%の企業が、リターンの80%をだしたことになる。さらに3,431株(全体の23.7%)が、S&P 500のリターンを200%以上も大幅に下回ったことが分かった。
つまり上位2割の個別株に投資をしなかったアクティブ投資家は、インデックスに比較してパフォーマンスは大きく負けてしまう。
例えば1社だけに集中投資をする超アクティブ派がいたとすると勝率は20%と計算できる。そして負ける確率は8割であり、大幅に負ける確率は23.7%もある。アクティブ投資における銘柄選択の難しさを端的に示したデータだ。
この結果をみてアクティブとインデックスを比較した場合、インデックス投資の方がベターであると言える。
インデックス投資のリターンは、大型優良個別銘柄から
下図は2017年のS&P500リターンをYTDで示したものである。世界最大・最高のインデックスであるS&P500の年初来リターンの40%は、僅か10社から得られている
S&P500の年初来リターンをみても、やはりアクティブ投資には分が悪いように見える。500社から10社を選べるかどうかが、アクティブ投資家には求められる。かなり確率が悪そうだ。
しかし逆の見方をしてみるとそうではないとも言える。実は超メジャーなブルーチップの集まりであり注目株ばかりなのだ。
例えば個人投資家がアクティブ投資を必死に実施するとしよう。どの銘柄を選ぶだろうか。上にある超優良10社は銘柄選択にはいってくる注目株だろう。投資信託・アクティブ投信にだってこれらブルーチップは組み込まれている。
アメリカ株投資では大型株のブルーチップへの投資でもインデックスに勝るリターンに繋がる。格差社会は株式市場にも広がっているのだ。勝ち組企業のリターンがどんどん目立つようになっている。
小型株やまだ有名になっていない成長株を探さなくてもよい。日本からメジャーな米国企業へ投資をするだけで、アクティブ投資が成功する可能性はある。
アメリカ市場には夢が詰まっており、大手企業がその夢をかなえてくれる。そして株主にリターンをもたらしてくれるのだ。インデックス投資では味わえないアメリカ市場のメリットが個別株投資にはある。
個別株とインデックス投資を比べる:どちらもメリット有
インデックス投資だとかアクティブ投資だとかの比較は別にどうでもいい。どちらにもメリット・デメリットが存在するのだ。
しかし今回用いたインデックスはS&P500という世界最良の株価指標であることは忘れてはならない。インデックスのなかでも優れたパフォーマンスをもつ指標である。
本記事をまとめると、
- S&P500という最強のインデックスをベースとする
- 個別株投資はインデックスに比較して勝率は悪い
- しかしブルーチップへの投資でインデックスに勝てる可能性はある
こうしてみるとアクティブとインデックスの両方を取り入れたシーゲル流ポートフォリオというのは初心者個人投資家にはとても受けいれやすい。
See you!
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