本記事では、年齢と株式投資パフォーマンスの関連を紹介します。結論をいうと、40代前半以降では個別株投資のリターンが低下するというデータがあるのです。
ですから、40代以降の投資家には要注目の内容となっています。
日本は高齢化社会に突入しています。
そして我が国では、貯蓄から投資への号令のもと、株式投資の普及がすすめられています。
こうした状況下では、40代といわずより高齢の投資家が増えていくことでしょう。
そこで年齢と株式投資に関する研究データを探してみました。
投資大国アメリカから、年齢と株式投資パフォーマンスの大規模研究結果が発表されているので紹介していきます。
年齢別の株式投資リターンの研究結果;40代以降はパフォーマンスが低下していく
The Age of Reason: Financial Decisions over the Life Cycle and Implications for Regulationy より
緑:年間パフォーマンスレベル
黄:年間パフォーマンスレベルの違い
上図は、米国の個人投資家における、年齢別の投資パフォーマンスを示しています。
ご覧いただいてお分かりいただけるように、株式投資のリターンは40代前半でピークを迎え、その後は低下していることがわかりました。
とくに50代中盤以降の投資収益率の低下は顕著です。
ですから40代以降は個別株からインデックス投資に移行し、50代・60代は幅広い分散投資が最適な選択肢となるでしょう。
投資で欲をかくのは20代・30代までということですね。
株式投資の年齢別パフォーマンスに関する研究概要
研究者: コーニオティス教授 (マイアミ大学)
対象 : 62,387名の米国内投資家
介入 : 1991年~96年のデータ収集
比較 : 年齢別
結果 : 投資パフォーマンス
株式投資の年齢別リターンの研究結果は興味深いです。
加齢とともに投資収益が低下する事が明らかになったのです。
ここで注意したい点は、本研究は1990年代初頭に実施されたこと。
インデックス投資が普及していなかった時代だろうと推察します。
2000年代や2010年代における、株式投資リターンの年齢別比較データがあれば見てみたいですね。
株式投資の年齢別リターン比較の結果をみて、どのような投資行動をとるか?
40代以降の個人投資家は、認知機能に注意しよう
本研究は、6万人以上を対象とした大規模コホート研究であり、信頼性は高いです。
この結果から、まずしっかりと健康で認知機能を保つ事が株式投資において大切であるとわかります。
認知機能は、気がつかないうちに低下しているものです。
個人投資家自身が大丈夫だと思っていても、加齢には抗うことは難しいのですね。
40代以降の投資方法は、ETFを活用するのが良い
40代中盤以降の個人投資家は、資産配分だけではなく銘柄選択を少しずつ変更するのが良さそうです。
40代以降は株式投資リターンが低下するということを前提におくのです。
株式投資であれば、たとえば米国株ETFや投資信託などを活用し、市場平均とおなじリターンを狙えばいいですね。
私は30代後半になり、配当貴族やシーゲル銘柄といった個別株中心から、米国株ETFをコアとしたポートフォリオに変更しました。
最終的には、40代であろうが50代であろうが、株式市場に居座り続けられるだけの体制にしておけばいいのです。
年齢が投資パフォーマンスと相関する事を念頭に、投資方法を模索していくことが大事ですね。
40代中盤以降は、株式投資リターンが予想以上に低下する可能性を持っておきましょう。
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