ヘルスケアセクターへの投資リターンは優れていた
ヘルスケアセクターへの投資は、過去リターンが優れていた。
リターントップ20であるシーゲル銘柄にも複数がランクインしている。
対象はもちろん米国株。
現存する銘柄では
さらに、シーゲル銘柄以外でも
- ジョンソンエンドジョンソン
- イーライリリー
- アムジェン
- ギリアドサイエンス
といった、超優良銘柄がならぶ。
ところが今世紀はヘルスケアセクターに逆風が吹いている。
先進諸国の財政状況をみると、余裕があるとは言えない。
ゆえに医療費抑制政策をとる国が多い。
ヘルスケアセクター投資の最大のリスクは、国の動向といってもよい。
たとえばトランプ大統領が、薬価に言及したニュースが記憶に新しい。
製造業の中でも規模が小さく、雇用を創出しにくいヘルスケアセクター。
米国内でも支出抑制の対象となりがちだ。
ヘルスケアセクターへの投資見通しは明るい
とはいえヘルスケアセクターへの投資見通しは明るいと思う。
医薬品市場は拡大し続けるのだから。
さらに中国をはじめとする新興国の伸びも期待できる。
上図にあるように、年率4-5%前後で市場拡大が予測されている。
ここ数年はオンコロジー領域(抗がん剤)の開発が花盛りだ。
個別株投資をするなら、このあたりは狙いどころか。
ヘルスケアセクターの日本市場は厳しい
ヘルスケアセクター投資は、日本市場でも明るいか?
日本のマーケットをみると、そうとは言い切れない。
国別の医薬品市場では、日本は中国に抜かれている。
そして日本市場の世界シェアは低下し続けている。
この状況を投資家としてどう感じるか?
外資系医薬品会社のトップは、日本への投資を継続するだろうか?
金融業界では外資系企業が日本撤退したことが記憶に新しい。
日本市場は儲からないから、退いたのだろう。
金融業界と同様のことが、ヘルスケアセクターでも発生するのではないか。
個人投資家としてというより、一個人として心配してしまう。
医薬品マーケット予測:日本市場だけが縮小
上表は各国の医薬品市場成長率を示している。
驚いたことに、日本だけが縮小予測。
高齢化社会ではあるが、医薬品市場は小さくなっていくのだ。
たとえばオプジーボ。
革新的な、抗悪性腫瘍剤である。
小野薬品とブリストル・マイヤーズスクイブ連合が販売している。
オプジーボの薬価は見事なまでに低下している。
2018年11月からは薬価が37.5%さがるとニュースでみた。
株主目線でみると、売上が37.5%下がるということ。
もちろん販売量が増加し、その分をカバーするのだろう。
それでも売上高の伸びは期待できない。
外資系製薬メーカーのCEOも同様に考えるだろう。
日本市場に魅力は乏しい、と。
その結果、投資を避けるのではないか。
すると革新的な医薬品は日本市場に導入されにくくなる。
ますます日本市場の魅力が失われる。
しかし日本の財政状況を鑑みると、医療費抑制は必須。
市場拡大を許容する余裕はない。
つまりヘルスケアセクターの日本銘柄は厳しい環境で闘っている。
ヘルスケアセクターへ投資をするなら日本市場は避けた方が良いかもしれない。
そして日本の個別銘柄を買うなら、
- 海外売上高比率が高い会社
- 国内売上でも超低コストを成し遂げている銘柄
- 製薬・医療機器以外の、たとえば介護業界株
がよさそうだ。
ヘルスケアセクターに投資をするなら、米国大型株かETFが無難
ヘルスケアセクターマーケットをみると、米国が最大である。
北米市場の重要性は、他業種とかわらない。
この場合、投資をするなら米国株がいいと思う。
とくに大型株ならM&Aで他企業を買収できる。
医薬品開発には時間と費用を多く要する。
その結果、参入障壁の大きくなるのが医薬品業界。
その中でM&Aを仕掛けられる米国大型株は大きな武器を持っている。
逆にベンチャー企業は創薬できても、販売にまで持ち込みにくい。
したがい、米国大型株が投資対象としてはリーズナブル。
もちろん一発逆転をねらってのベンチャー銘柄への投資もいいでしょう。
それでも当たる確率は低い事は覚えておきたい。
だったら市場全体へ投資ができるヘルスケアセクターETFが無難だ。
ヘルスケアセクター市場をみて、どうするか?
私は不労所得の極大化を目指して投資をしている。
だから株式投資では配当金をKPIとする。
医薬品株は、高配当銘柄が多い。
一方で、ヘルスケアセクターETFであるVHTは、分配金利回りが物足りない。
- ヘルスケアセクターには投資したい
- 配当利回りは高いほうが好ましい
私はこう思うので、米国大型株への投資を続けておく。
今のところの投資対象は
- ジョンソンエンドジョンソン
- アッヴィ
つまり連続増配株。
しばらくはこの2銘柄を、ヘルスケアセクター投資の対象としておく。
病気の克服への応援とともに、株主の果実を得るために。
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