ABBV、アッヴィとはバイオ製薬が得意なヘルスケア企業です。本記事では、米国株を代表する高配当銘柄である【ABBV】アッヴィを紹介します。
【ABBV】アッヴィとは、医薬品売上高ランキング第9位の大手製薬企業
【ABBV】アッヴィは、アブビーとも表記されることがあります。
日本語での発音が難しい製薬会社ですね。
しかし【ABBV】アッヴィがマイナーな医薬品企業かと思えばそうではないのです。
ヒュミラという世界最大の売上高を誇る薬剤を販売している、世界第9位の大手製薬企業なのですから。
製薬企業の売り上げランキング
【ABBV】アッヴィは、ヒュミラで得たキャッシュを利用しM&Aを実施しています。
インブルビカという血液がん治療薬を手に入れ、ヒュミラのパテント切れリスクに備えています。
【ABBV】アッヴィは、アボットラボラトリーズからスピンオフしたバイオファーマ
【ABBV】アッヴィは、2013年にアボットラボラトリーズ(ABT)から新医薬品開発事業に特化した形で分社化した企業。
ABTといえば20世紀後半のトータルリターン第2位のシーゲル銘柄。
さらには配当貴族・連続増配株でもあるブルーチップです。
そのアボットから2013年に分社化したのが【ABBV】アッヴィです。
アボットとアッヴィの違い
- アボットABT :エスタブリッシュ医薬品
- アッヴィABBV:新医薬品
【ABBV】アッヴィの開発戦略は5疾患領域にフォーカス
アブビーABBVの疾患戦略の特徴は、5つに集中していることです。
アッヴィ【ABBV】の得意分野
- 悪性腫瘍・がん領域(オンコロジー)
- 自己免疫疾患
- ウィルス性疾患
- 神経変性疾患
- その他
【ABBV】アッヴィは、ヒット商品ヒュミラの適応症である自己免疫疾患領域に継続して力を注ぐと宣言しています。
追加して、抗がん剤により注力することが見てとれます。
【ABBV】アッヴィに投資をする際のリスクは、ヒュミラの特許切れ
アッヴィの売上高に占めるヒュミラの割合 2016年
アッヴィは製薬企業世界ランキング第9位の大手医薬品企業です。
2016年度の売上高内訳をみると、ヒュミラが9割を占めていました。
つまりヒュミラの特許が切れてしまえば、そこでABBVの利益は激減するのです。
ちなみに最大売上国の米国では2016年に特許失効しています。
とはいえ、バイオ大手のアムジェンは2023年までヒュミラ(アダリムマブ)のバイオシミラーを発売しないと発表しました。
ABBV株主にとって嬉しいニュースです。
アメリカでのヒュミラ⭐
AbbVie and Amgen settle Humira patent dispute $ABBV $AMGN https://t.co/fXWO9inzql
— はちどう@アメリカ株ブログ (@8do9do) 2017年9月28日
【ABBV】アッヴィ売上高に占める、ヒュミラの割合予測 2019年
2019年は【ABBV】アッヴィの売上高に対して、ヒュミラは58%を占めると予測されています。
ヒュミラへの依存度が下がっているといえます。
【ABBV】アッヴィのヒュミラパテント切れ対策
ABBVの売上高は、まだまだリウマチ薬のヒュミラに偏っています。
ヒュミラ(アダリムマブ)の特許・パテント切れはABBVへの投資の最大のリスクとなるのです。
そのヒュミラの売上をカバーするのが、新製品群。
2020年には250億~300億ドルをヒュミラ以外の製品で稼ぐ予定にしています。
ヒュミラ以外のアッヴィ製品
- インブルビカ(抗がん剤)
- ベネトクラクス(多発性骨髄腫など)
- ZINBRYTA
- C型慢性肝炎
- Rova-T(小細胞性肺がん)
- Elalgolix
- ABT494
- Risankizumab
>>アッヴィ【ABBV】ヒュミラ特許切れリスクをみて思う3つのこと
アッヴィ(ABBV)は血液がんへのフォーカスする予定
アッヴィは血液がん治療薬のパイプラインが豊富です。
血液がんと一言で表しても、多くの疾患を含んでいます。
そのうちの65%をアブビーはカバーする予定です。
尚、血液がん市場は大きく増大すると見込まれている。
患者数が増えていること、画期的新薬が発売されて治療薬が普及することに起因します。
抗血液腫瘍薬の市場予測
- 2015年:290億ドル
- 2020年:500億ドル
このように既存治療薬では満たされていない疾患領域が存在します。
その疾患への治療方法や新薬開発を行い、人類をより豊かにすることをサポートすることはヘルスケアセクターの使命といえるでしょう。
【ABBV】アッヴィの株価
【ABBV】アッヴィの株価は一時120ドル前後にまで上昇しました。
その後100ドルを下回る株価で推移しています。
【ABBV】アッヴィの業績
売上高と利益率:アッヴィの業績は順調に伸びている
青色の売上高をみると、アッヴィが順調にヒュミラを伸ばしていることが見て取れます。
決算毎に、アッヴィがヒュミラで稼いだキャッシュをどのように活用するのかを注目しておきたいですね。
ABBV アッヴィのキャッシュフロー
2014年のアッヴィのキャッシュフローは、減少しています。
これは2015年にファーマサイクリック社を210億ドルで買収したことの影響なのかもしれません。
しかしそれ以外の決算ではしっかりとお金を稼いでいる企業であるとわかります。
【ABBV】アッヴィにヒュミラがある限り、米国株を代表するディフェンシブ銘柄といえます。
【ABBV】アッヴィの配当金支払い推移
アボットラボラトリーズ時代まで歴史をさかのぼれば、ABBVアッヴィは40年を超える連続増配記録をもっています。
そして2013年の分社化以降もABBVは増配を毎年実施しています。
偉大なる配当貴族銘柄なのです。
2018年には大幅な増配をしたことが記憶に新しいですね。
【ABBV】アッヴィの増配状況
【ABBV】アッヴィに投資する際のリスク
製薬会社への投資リスクと同様です。
- 新薬開発の失敗
- 保険償還の見直し
- 薬価引き下げ
ここに追加してABBVアッヴィには、ヒュミラの特許切れ後リスクがあります。
世界一の売上をほこる薬剤をもっているということは、逆にヒュミラを失ったときのリスクもまた大きいのです。
アッヴィ【ABBV】に対する私見
アッヴィは注目しておきたいアメリカ株。
- ディフェンシブなヘルスケアセクター
- 大手で安定業績
- 高配当株
- 連続増配銘柄
- シーゲル銘柄
配当利回りが高くなったときに買い増ししたいと考えています。
長期投資ということでのんびりと買い場が来るのを待ちたいですね。
以上、アッヴィ・アブビーの紹介でした。
著者はABBV株を保有しています。この記事は自分自身の備忘録として記述したもので、読者にABBV株の投資を推奨することを目的として書いていません。投資判断はご自身で行ってください。
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コメント
こんにちは。
私もABBV持ってます。
配当目的なのであまり株価は気にしないのですが
今月75ドルから89ドルと10ドル以上上がったのは
アトピー性皮膚炎の新薬の試験の結果が良かったことが原因のようですね。
http://www.abbvie.co.jp/press-release/japan-news/2017-news-archive/press-release-20170920-001.html
リリースには承認予定の記載はないですが、来年次の試験に進みたいとのことです。