米国株価の大暴落の過去を学ぶことは、投資活動に有用です。
歴史は繰り返さないが、韻を踏む。
そこで本記事では、
- アメリカ株式市場がいつ暴落したのか
- その周期はどうだったのか
について紹介していきます。
いつ株価の大暴落が起きるか予測は出来ない、しかし暴落には周期がある
米国株式市場のNYダウ平均株価指数の歴史をみると、株価暴落は定期的に発生しています。
およそ10年周期に20%以上の株価暴落が発生していたのです。
これはアメリカ株における過去データ。
だから株式投資では10年周期で暴落に備えておけばいいのです。
ところが「いつ株価暴落が起きるのか?」という問いには誰も答えることができません。
経済や株価には周期がありますが、未来を予測することは困難ですからね。
もちろん暴落や株価調整を予測し、一儲けができると考えるのが人間の性。
しかしながら100年に一度の金融危機・リーマンショックですら多くの投資家は予想できませんでした。
ですので予想はすれど、当たるも八卦当たらぬも八卦という姿勢が大切です。
一方で米国株市場には、株価が右肩上がりだったというのメリットがあります。
周期的におとずれる大暴落に負けず、株価は最高値を更新し続けてきました。
米国株の強さは、NYダウやS&P500、NASDAQなどのインデックス株価チャートをみれば一目でわかります。
したがって
- 株価暴落の予測はあきらめる
- しかし大暴落の歴史とデータは紐解いておく
- 予想困難でも株価下落への備えは怠らず、長期投資に徹する
ことがよいと考えます。
株価暴落局面でも株式市場から退場せずにいれば、株価回復後のリターンを得られることに繋がります。
ということで、米国株式市場の歴史的な暴落を、その周期と回復までの期間に着目して考察していきましょう。
尚、暴落とはピーク時から20%以上の株価下落と定義しています。
アメリカ株式市場の大暴落の歴史;ダウ平均の株価暴落はいつあった?
ダウの株価暴落の歴史
ピーク年 | 下落率 | 回復の年 | 回復までの年数 | |
---|---|---|---|---|
米国株式 | 1929年 | -83% | 1945年 | 15年 |
1946年 | -22% | 1949年 | 3年 | |
1961年 | -22% | 1963年 | 1年 | |
1968年 | -29% | 1971年 | 2年 | |
1972年 | -43% | 1976年 | 4年 | |
1987年 | -30% | 1989年 | 2年 | |
2000年 | -45% | 2006年 | 6年 | |
2007年 | -51% | 途中 | 途中 |
1926年以来、米国株式市場では7回の株価暴落が発生しました。
しかしいずれの暴落局面においても、時間をかけて株価が回復しています。
回復までの年数は、1~15年と幅があります。
株価が一時的な低迷に終わるのか、10年単位で続く長期低迷なのかは誰にもわかりません。
だからこそ長期運用や時間分散という言葉が生まれるのです。
つづいては、米国株式場の暴落をまとめて紹介していきます。
米国株:S&P500株価暴落の9回はいつだったか?予兆は?歴史を一覧にまとめた
世界最大にして最良の株価指数(インデックス)、S&P500の過去データをみると全部で9回の暴落を経験してきたことがわかります。
ここではドル円の為替影響は無視しています。
株価暴落の歴史①世界大恐慌、ウォール街大暴落:1929年
- S&P 500 高値 : 31.86
- S&P 500 安値 : 4.4
- 下落率 : 86.1 %
- 回復までの期間: 34カ月
世界大恐慌がアメリカ市場で最大にして最長期間のリセッションです。
景気回復までには約3年の期間を要しました。
さらに株価が次のピークに戻るのは1954年となった恐ろしい暴落でした。
株価暴落の歴史②第二次大戦後の在庫不況 1946年
- S&P500高値: 19.25
- S&P500安値: 13.55
- 株価下落率 : 29.6%
- 回復までの期間: 37ヶ月
第二次大戦が終了し、株価はピークをつけました。
ところが戦後の需要拡大、そしてアメリカ国民の消費から貯蓄に向かう流れにより在庫不況となったのです。
株価暴落の歴史③キューバ危機によるベアマーケット:1961年
- S&P500高値: 72.64
- S&P500安値: 52.32
- 株価下落率 : 28.0%
- 回復までの期間: 6ヶ月
アメリカは戦後、覇権国への道をまっすぐに進みました。
経済は拡大していました。
ところが1961年4月のビッグス湾事件(第一次キューバ危機)・1962年の第二次キューバ危機により、一時的なベアマーケットさらには冷たい戦争(冷戦)を経験したのでした。
株価暴落の歴史➃株式の死への序章 1968年
- S&P500高値: 108.37
- S&P500安値: 69.29
- 株価下落率 : 36.1%
- 回復までの期間: 18ヶ月
米国の経済拡大が続きました。
その後、約6%を超えるインフレ率を伴うベアマーケットが襲ってきました。
ベトナム戦争と時期が重なります。
株価暴落の歴史⑤オイルショック:1973年
- S&P500高値: 119.87
- S&P500低値: 62.28
- 株価下落率 : 48.0%
- 回復までの期間: 21か月
アラブ石油の禁輸措置によりエネルギー価格が高騰、長期的な景気後退を招きました。
1970年代はニクソンショック・オイルショックと大きなイベントが目白押しだったのです。
そして株式の死と呼ばれる長期間にわたる株価停滞がおとずれました。
株価暴落の歴史⑥連邦準備制度理事会(FRB)が金利を20%引き上げ 1980年
- 最高値 : 140.52
- 最安値 : 101.44
- 下落率 : 27.8%
- 回復期間: 21か月
いま考えると、FRBが20%も引き下げられるなんて、どんだけ高い金利だったんだよって感じますね。
株価暴落の歴史⑦ブラックマンデーによる大暴落 1987年
- S&P500高値: 337.89
- 安値 : 221.24
- 株価下落率 : 33.5%
- 回復迄の期間: 3ヶ月
1987年10月19日(月曜日)にブラックマンデーは起こりました。
暗黒の月曜日ともいわれる世界同時株安です。
ところが日本はバブル経済真っ盛り。
ブラックマンデー翌日の日経平均株価は下がるどころか9%も上昇したのでした。
株価暴落の歴史⑧ドットコム/インターネットバブルの崩壊 2000年
- S&P 500高値: 1527.46
- 安値 : 776.76
- 株価下落率 : 49.1%
- 回復迄の期間 : 30ヶ月
名前にドットコムがついていれば株価がどんどん上がったといわれる時代。
バブルと暴落は周期的に訪れました。
多くの銘柄が売りにだされたのです。
インターネット企業などの新興企業が上場するNASDAQ総合株価指数は、2000年につけた最高値を15年間も追い越せずにいました。
それほどまでに大きなバブル崩壊、大暴落であったのです。
株価暴落の歴史⑨リーマンショック 2007年
- S&P500高値: 1565.15、2007年10月9日
- S&P500安値: 682.55、2009年3月5日
- 株価下落率 : 56.4%
- 回復迄の期間: 17ヶ月
サブプライム住宅ローン危機、リーマンブラザーズの破たんが続き、100年に一度の金融危機が発生しました。
アメリカ市場は1997年当時の株価にまで戻ってしまったのです。
日経平均株価は6,000円代にまで落ち、1982年以来26年ぶりの安値まで下がりました。
ところが時間を巻き戻してみると、暴落当時が最大の買い場であったとわかります。
残念ながらこの大暴落時に多くの投資家は株を売ったのでした。
売り抜けられた人は良かったですが、破産した人も多いと推察します。
アメリカ株価暴落の時期はいつ? 約10年に一度の周期で暴落するが、数年の期間で株価回復する
アメリカ株式市場の歴史をみると、ピークから20%以上の株価暴落は9回ありました。
ところがS&P500、ダウ30、NASDAQのいずれの株価も、最高値更新を続けています。
つまりマーケットは暴落に打ち勝ち、上昇の勢いを維持しているのです。
前回の暴落は10年前のリーマンショック。
歴史的な周期をみると、そろそろ暴落や株価調整が起きてもおかしくはない時期ではあります。
なので世界中の投資家が株価暴落の不安を心のどこかに抱えているはずです。
もし暴落が発生したらどうなるでしょうか。
多くの投資家は含み損を多く抱え、投資継続する心が折られることでしょう。
そうと分かっていたのなら、たとえ暴落がきたとしても株式投資を続けられるような準備をしておくのがよさそうです。
そのためには株価暴落の予測は困難と認識しつつ、現金比率に気を配っておくことが良いと思います。
そして自分の心の状態の理解に努めたいですね。
以上、「株価暴落はいつ起きる? アメリカ市場の暴落周期9回のまとめ」でした。
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