リセッションとは、景気後退局面のこと
2018年下期、米国ではリセッションが近いと言われ始めました。
しかしこのリセッションという単語は、国によって定義が異なっています。
だからアメリカにおける景気後退という表現の意味を知っておくと良いです。
米国でのリセッションは、GDPが2四半期連続でマイナス成長となった場合を指します。
ちなみに上図は米国GDPの推移。
長期間でみると、GDPの力強い成長を見せています。
世界の覇権国は今なお健在です。
そうはいいつつ、アメリカでのリセッションの過去が気になります。
そこで本記事では、1980年以降の米国リセッションの5回を学んでいきます。
米国リセッションの歴史~いつ発生するの?、回復までの期間は?~
1980年代は、リセッションを繰り返していたW字不況
上図は、実質国内総生産の前期からの増減を示しています。
ご覧のようにW字不況。
- 発生時期:1980年1月~1980年7月
- 発生期間:6か月間
- 前回発生からの年月:4年10カ月
- ピークの失業率:7.8%
- GDP低下率:-2.2%
- 発生時期:1981年7月~1982年11月
- 発生期間:1年4カ月間
- 前回発生からの年月:1年間
- ピークの失業率:10.8%
- GDP低下率:-2.7%
このように1980年代前半は、景気後退と回復が交互に訪れていた時代。
1990年代のリセッションは、湾岸戦争・オイルショックが引き金
オイルショックによる景気後退
- 発生時期:1990年7月~1991年3月
- 発生期間:8か月間
- 前回発生からの年月:7年8カ月
- ピークの失業率:7.8%
- GDP低下率:-1.4%
1986年から1989年にかけて、米国では金利を引き上げていました。
しかし1990年8月に発生したイラクによるクウェート侵攻、そして石油ショックにより、短期的な景気後退が発生したのです。
2000年代初頭は、ドットコムバブルの崩壊と9.11テロによるリセッション
インターネットバブル崩壊による景気後退
- 発生時期:2001年3月~2001年11月
- 発生期間:8か月間
- 前回発生からの年月:10年
- ピークの失業率:6.3%
- GDP低下率:-0.3%
1990年代はアメリカ史上、最長の経済成長期でした。
ところが投機的なドットコムバブルの崩壊、9.11のテロにより、10年の成長に終止符をうったのです。
とはいえこれら大きな経済危機にもかかわらず、米国の景気後退期は8カ月と、短期間でおさまっています。
2000年代後半に、リーマンショックが発生
世界金融危機による景気後退
- 発生時期:2007年12月~2009年6月
- 発生期間:1年6カ月
- 前回発生からの年月:6年1か月
- ピークの失業率:10%
- GDP低下率:-5.1%
2000年代中盤以降、サブプライム住宅ローンによって、米国住宅バブルの崩壊が発生しました。
そして世界的な金融危機へと広がったのです。
歴史的な経済危機によって、リーマンブラザーズが破たんしました。
この100年に一度の金融危機は、リーマンショックとも呼ばれます。
米国政府は前例のない7,000億ドルの銀行救済策と7,870億ドルの財政支援策に対応しました。
それでもダウ・ジョーンズ工業平均株価(NYダウ)は、最終的に2009年3月9日に最低値となりました。
しかしその後の急回復は見事なもの。
米国経済は立ち直り、株式市場もにぎわいを取り戻しています。
たとえデッド・キャット・バウンスがあっても、復活してきたのです。
リセッション・景気後退への備え、個人投資家が出来ることは?
リセッションとは、いつ発生するのか事前予測は難しいです。
とはいえ周期的に訪れている歴史があります。
であるとすれば、平時から備えをしておくと良いでしょう。
たとえば
個人投資家としての備え
- 投資の目的を再確認
- 資産配分比率をチェック
- リスク許容度を自問自答
- 現金比率と金額の把握
- 生活防衛資金の振り返り
サラリーマン投資家としての追加準備
- 勤めている業界の景気動向をチェック
- 勤務先の財務状況を確認
- 自らの業務スキルを向上
- 給与以外の収入源を確保
- 家族と将来について語り合う
「リセッションがいつ来るか分からない・どうしよう」と悩みつつ何もしないのではもったいないです。
事前準備はしておきましょう。
小学生の頃、夏休み明けには避難訓練をした経験が役に立つはずです。
つまりそれと同じで、年に一度くらいはリセッションへの備えを確認するといい。
構えておくだけなら、損はしないのですから。
あなたは、リセッションへの準備はしていますか?
以上、「米国リセッションはいつ? 直近5回の歴史を振り返ってみた」でした。
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株価暴落は定期的に発生してきました。次はくるか分かりませんが、予想だけはしておいてよいでしょう。
経済危機ともなると、世界中の株価は暴落するでしょう。ちなみに第二次大戦前後の日本株は、-96%という下落率でした。
リーマンショック時の個人投資家の対応方法は参考になりそうです。他人の経験から学べるところ、盗めるところはあるはずです。
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