ディフェンシブ銘柄とは?
ディフェンシブ銘柄とは景気動向に業績が左右されにくい業種の株式を指す。
英語をそのまま用いて「ディフェンシブストック」と呼ばれたりする。
ディフェンシブ株は、その名の通り守りに強いことが求められる。
つまり景気動向によってリターンのブレが少ないことが条件なわけだ。
本記事ではディフェンシブ株が本当にディフェンシブなのか、過去データを紐解いて紹介する。
ディフェンシブセクターの一覧を3つ紹介【米国株編】
ディフェンシブ銘柄を調べる上では、所属セクターをしる必要がある。
ディフェンシブセクター株をディフェンシブ銘柄と呼ぼう、という魂胆からだ。
ところがディフェンシブセクターとはどの業種を指すのか、定義が明確ではない。
そこでディフェンシブセクターの一覧を3パターン紹介したい。
①ディフェンシブセクターの一覧【JPモルガン編】
手始めに米国株投資のおすすめ情報源である、JPモルガンのGuide to the Marketを見てみよう。
4つのセクターがディフェンシブだとされている。
JPモルガンによるディフェンシブセクター
- ヘルスケアセクター
- 生活必需品セクター
- 公益事業セクター
- 電気通信セクター
参考>>>米国株投資におすすめな情報源を紹介
②ディフェンシブセクターの一覧【Morningstar編】
つづいてはモーニングスター社のサイトから引用する。
電気通信セクターはディフェンシブセクターではなく、「Sensitive」となっている。
JPモルガンとは異なるわけだ。
モーニングスターによるディフェンシブセクター
- ヘルスケアセクター
- 生活必需品セクター
- 公益事業セクター
参考>>>米国株のトータルリターンを知る方法(モーニングスター編)
③ディフェンシブセクターの一覧【MSCI編】
最後にMSCIの米国ディフェンシブセクターインデックスの構成を見ていく。
エネルギーセクターがディフェンシブに組み込まれているのが興味深い。
MSCIによるディフェンシブセクター
- ヘルスケアセクター
- 生活必需品セクター
- エネルギーセクター
- 公益事業セクター
- 電気通信セクター
ディフェンシブセクターは本当にディフェンシブなのか?
上図は、米国の企業景況感と世界株式のセクター別リターンを示している。
ISM製造業景況感指数を用いた景況感の
- 「水準」
- 「方向」
で場合分けをした各セクターの1ヵ月間の価格リターンの過去平均値である。
スマホ用にグラフを拡大して一つずつみていこう。
景況感が55以上かつ上昇傾向時のディフェンシブ株
景況感が50~55未満かつ上昇傾向時のディフェンシブ株
景況感が50~55未満だが低下傾向時のディフェンシブ株
景況感が55以上だが低下傾向時のディフェンシブ株
ディフェンシブ株のセクターは、景気動向に左右されにくい事が過去データから分かった。
とくに
- ヘルスケアセクター
- 生活必需品セクター
の安定感が抜群である。
景況感が50以上であるならば、月間リターンの平均値がマイナスになることが無かったのだ。
まとめ:ディフェンシブ銘柄は景気動向に左右されにくい
ディフェンシブセクターとは、定義が明確ではなかった。
JPモルガンによれば、下記4セクターがディフェンシブであった。
- ヘルスケア
- 生活必需品
- 公益事業
- 電気通信
対象期間において、ヘルスケアと生活必需品セクターでは、平均月間リターンがマイナスとはならなかった。
しかしながら景況感が50を下回った時のデータは本資料では公開されていなかった。
いずれにせよ、ディフェンシブ銘柄は景気動向に左右されにくいと思われる。
とくにVDCやVHTといったセクターETFへの投資は常に検討対象としてよいであろう。
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