経済に関するニュースをみていると、TOPIX(トピックス)だとか日経平均株価だとかを耳にする。
日本を代表する株価指数(インデックス)であるが、ここにJPX日経インデックスというものまで加わった。
株価指数に連動する投資信託・インデックスファンドとは株式投資初心者でも取り組みやすいと言われている。
ところがこのインデックスとはいったい何を指すのかが分かりにくい。多くの指数が存在するからだ。さらにそれぞれのインデックスの違いを知るのが難しい。
そんな中つみたてNISA制度で日本の株式市場から3つのインデックスが採用された。
- TOPIX(トピックス)
- 日経平均株価
- JPX日経インデックス
本記事では株初心者でもわかるようにTOPIXの意味や日経平均株価との違いを紹介する。そしてつみたてNISA制度に合致している日本のインデックスはどれか比べみる。どのインデックスがおすすめなのかに注目して、一緒に考えていきましょう。
TOPIXとは、東証一部に上場している全銘柄が対象
Tokyo Stock Price Index, TOPIX(トピックス)が正式名称である。TOPIXは、東証一部に上場している全銘柄の合計時価総額を対象とした株価指数のこと。1968年の1月4日を“100”と基準をさだめ、算出している。
時価総額:会社を丸ごと買った場合の値段。「株価×発行済株式数」の計算式で算出できる。
東証一部上場の全企業の時価総額であるので、「日本丸」と言い換えてもよい。
東証には二部やマザーズ、JASDAQなどが存在するが、時価総額の95%以上は一部上場企業で占められるからだ。
TOPIXと日経平均株価の比較、主な違いは銘柄数
名称 | TOPIX | 日経平均株価 | JPX日経インデックス |
---|---|---|---|
設定日 | 1969年7月1日 | 1950年9月7日 | 2014年1月6日 |
対象企業 | 東証一部上場全企業 | 東証一部上場 | 東証に上場している企業 |
組入銘柄数 | 約2,000銘柄 | 225銘柄 | 400銘柄 |
TOPIX・日経平均株価に加え、JPX日経インデックスを比べてみた。最も大きな違いは銘柄数である。
さらに日経平均株価指数だけが円表示であるが、その他インデックスは相対値なのでポイントで示される。
TOPIXと日経平均株価は単位も違う
- TOPIX :「ポイント」:1968年1月4日を100とする
- 日経平均:「円」:株価の計算方法で修正平均を算出
- JPX日経 :「ポイント」:2013年8月30日を10000とする
TOPIXと日経平均株価は組入れ銘柄が異なる
つみたてNISA制度の対象商品である、iFreeシリーズからデータを引用した。
TOPIX | 比率(%) | 日経平均株価 | 比率 | JPX日経インデックス400 | 比率 |
---|---|---|---|---|---|
トヨタ自動車 | 3.3 | ファーストリテイリング | 6.9 | TOPIX先物2906月 | 2.4 |
TOPIX先物 2906月 | 2.5 | ソフトバンクグループ | 4.6 | 三菱UFJファイナンシャルG | 1.8 |
三菱UFJファイナンシャルG | 2.3 | ファナック | 4.5 | 三井住友ファイナンシャルG | 1.7 |
日本電信電話 | 1.7 | KDDI | 3.5 | みずほファイナンシャルG | 1.6 |
ソフトバンクグループ | 1.6 | 京セラ | 2.4 | 本田技研 | 1.5 |
三井住友ファイナンシャルG | 1.4 | 東京エレクトロン | 2.4 | トヨタ自動車 | 1.4 |
本田技研 | 1.3 | ダイキン工業 | 2.2 | ソフトバンクグループ | 1.4 |
KDDI | 1.3 | NK225先物 2906月 | 2.0 | ファナック | 1.4 |
みずほファイナンシャルG | 1.2 | 信越化学 | 1.9 | 日本電信電話 | 1.3 |
ソニー | 1.2 | 日東電工 | 1.7 | 武田薬品 | 1.2 |
組入上位10銘柄合計 | 17.8 | 組入上位10銘柄合計 | 32.1 | 組入上位10銘柄合計 | 15.8 |
インデックスファンドのデータから抜粋しているので先物などが組み入れられているのはご愛敬。上位10銘柄でどの程度の比率なのか、分散投資の意味から見て欲しい。
つみたてNISA制度におすすめな日本のインデックスとは?
つみたてNISAとはイギリスのISAを模倣した税制優遇制度である。日本人を対象しているのでお膝元の株価指数は3つ組み入れられている。
- TOPIX(トピックス)
- 日経平均株価
- JPX日経インデックス
この3つのインデックスで、どれがつみたてNISAにおすすめなのだろうか?
つみたてNISAは、長期・分散・積立投資を推奨している
金融庁がつみたてNISA制度を設計した根本には、3本柱が存在する。
- 長期
- 分散
- 積立て
この3つの内、インデックスファンドであれば積立投資はいずれも可能である。したがって長期・分散という観点で3つの株価指数を比較してみたい。
長期投資:歴史を見るとTOPIXと日経平均株価指数がおすすめ
各々の設定日を鑑みれば、長期投資データを有するインデックスは2つであるとわかる。
- TOPIX :1969年7月1日
- 日経平均:1950年9月7日
- JPX日経 :2014年1月6日
長期投資という観点からは、長い歴史を有していることがメリットとなる。過去データを振り返り参考とすることが可能であるからだ。
つまりJPX日経インデックスはあえて投資をしなくても良い。
分散投資:銘柄数を見ると、日経平均よりTOPIXがおすすめ
地域分散という観点からは日本株オンリーというのはおすすめ出来ない。
一方で日本株のインデックス内で比較をするならば、TOPIXがおすすめ株価指数となる。組入れ銘柄数が桁違いに多いからだ。
- TOPIX :約2,000銘柄
- 日経平均:225銘柄
- JPX日経 :400銘柄
つみたてNISAコンセプトに合致した日本株インデックスを選ぶならば、TOPIXが良い。
まとめ:TOPIXと日経平均の主な違いは銘柄数と単位
日本ではつみたてNISA制度がいよいよ2019年から稼働する。
それに合わせて株価指数に連動する投資信託がどんどん新規発売されている。しかも低コストである。いわゆる優良インデックスファンドが揃う。
あとはそれを国民がどのように利用していくか、選択を迫られている。
そんな状況の中お届けした「TOPIXと日経平均株価の違いを、株初心者がわかりやすく解説する」の感想はいかがでしょうか?
TOPIXって何なのだろう、日経平均との違いは何といった疑問点が解決できていれば嬉しいです。
ちなみに私はどのインデックスが良いか?と聞かれたら、日本ではなくアメリカのS&P500を選びますね。
つみたてNISAでのインデックスファンド積立の記事
つみたてNISAはマネックス証券、楽天証券、SBI証券などインターネット証券がおすすめです
■株価指数(インデックス)の関連記事
経済ニュースでよく聞く株価指数といえば、NYダウ工業平均株価
世界最大かつ最良のインデックスとはS&P500
iDeCoでも多くのインデックスファンドが採用されている
コメント