ヘルスケアセクターの見通し
トランプ米大統領は5月11日、処方箋薬の価格抑制に関する演説を行いました。
製薬会社、保険会社、薬剤給付管理会社(PBM)が処方箋薬を高価で手の届かないものにしたと非難しました。
さらに競争強化と価格引き下げに向けた措置を取ると表明したのです。
ヘルスケアセクターへの投資の見通しはどうなるのか、個人投資家は注視した方がよさそうです。
医薬品の薬価抑制の先行きはどうなるの?
高額な抗がん剤を取り扱う銘柄には注目です。
本記事では、悪性腫瘍(がん)に関する世界最大の学会、ASCOを紹介します。
ヘルスケアセクターへの投資の際に着目するASCOとは
ヘルスケアセクターへ投資をしている人ならば一度は耳にしたことがあるはず。
ASCO(アスコ)という言葉を。
ASCOは、American Society of Clinical Oncology/米国臨床腫瘍学会のこと。
毎年6月上旬にアメリカ(近年はシカゴ)で開催される世界最大規模の学会です。
3~4万人の医療従事者が集まると言われています。
がん専門医にとっては極めて重要な会合であり、ここでがん治療の歴史が変わることが散見されます。
患者さんの団体も関与しており、産官学のみならず人類すべてにとって意義ある集会。
医薬品業界にとっても目玉の学会です。
オンコロジー領域(抗がん剤)の開発治験や新たなデータを発表したいと思うならば、まずはASCOを検討するといった具合。
ではなぜこのASCOがヘルスケアセクター投資家にも大切なのでしょうか?
ヘルスケアセクターの見通しを左右する「がん」に対抗する薬剤
死因を考えてみましょう。
主な死因は4つに分類されます。
- がん
- 血栓症
- 感染症
- その他
医療はこれらの疾患との闘いです。
ヘルスケアセクター各社は、人類の敵を克服する為の医薬品・医療機器開発を行っています。
その筆頭が、”がん領域”なのです。
逆に言えば、人類はまだまだ”がん”に打ち克つには至っていないというわけです。
この”がん領域”で画期的な新薬データが公表されれば、
- 人類にとって
- 発表会社にとって
- そして株主にとって
ハッピーになるといえます。
あなたがもしヘルスケアセクター銘柄へ投資をしているならば、6月に開催されるASCOは要注目ですよ。
ヘルスケアセクター:オンコロジー企業ランキング
上図は2016年のオンコロジー領域ランキングと2012年の予測を示したもの。
ヘルスケアセクター銘柄の多くが、抗悪性腫瘍剤の開発に力を注いでいるとわかります。
ヘルスケアセクターランキング2016年、オンコロジー編
- ロシュ
- セルジーン
- ノバルティス
- ブリストル・マイヤーズスクイブ
- ファイザー
- ジョンソン・エンド・ジョンソン
- イーライリリー
- 武田薬品
- アストラゼネカ
- アステラス
ちなみに日本では、ロシュ傘下にある中外製薬がオンコロジー領域トップメーカー。
アバスチンのほか、多数の有力製品を有しています。
またこのランキングには名前がない、メルク【MRK】は要注目。
キイトルーダという薬剤の伸びしろが大きいからです。
小野薬品・BMY連合のオプジーボの競合品です。
このように製薬企業ランキング上位銘柄の多くが、抗がん剤領域に力を入れています。
だからこそ世界最大の学会、ASCOの発表データは注視する必要があるわけです。
四半期決算よりも大きなインパクトがあると考えます。
ヘルスケアセクターの見通しは、6月上旬のASCOに要注目
各製薬会社は、ASCO(米国臨床腫瘍学会)の前後に学会発表内容をプレスリリースをする事が慣習となっています。
新薬開発状況とは患者さん・医療従事者には勿論、投資家にとっても注目の的。
なので6月上旬はヘルスケアセクター投資者にとって重要なシーズンとなるわけです。
こういったことをメンドウだと感じるならば、ヘルスケアセクターETFへの投資が良さそうです。
>>>ヘルスケアセクターへの投資にお手軽・便利なETF【VHT】
ヘルスケアセクター株で注目する銘柄
下記の視点で銘柄を絞ってみましょう。
- ヘルスケアセクター
- マネックス証券で購入可能
- 配当支払い有
- 四半期配当が望ましい
すると5つの銘柄に絞られました。
いずれもブルーチップばかり。
といった超優良企業。
いずれにせよ、ASCO発表内容や、米国株ヘルスケアセクターのプレスリリースには要注目です。
■注目しているヘルスケアセクター銘柄の記事紹介
ブリストル・マイヤーズスクイブ BMYは伝統的に抗がん剤領域に強みを持つシーゲル銘柄。かつてはバファリンも販売していた。
ヘルスケアセクターの巨人、ファイザー PFE。医薬品売上高ランキングでも2016年にNo.1に返り咲いた。新薬開発に余念は無く、抗がん剤領域にもパイプラインが豊富。
一般的にはあまり知られていない名前のアストラゼネカ AZN。それでも日本の製薬会社より大きな売り上げを誇る。高配当利回りは魅力たっぷり。
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