米国株で配当金投資をすると税金関連がメンドウです。
とくに二重課税(外国源泉徴収税) の問題は障壁が高い。
確定申告が必須になるからです。
とはいえ損出しや益出しの考え方は、国内株式投資と変わりありません。
インターネット証券各社が外国株の特定口座対応していますので。
そこで本記事では、特定口座を活用した米国株の配当金・分配金投資における損出し方法を紹介します。
配当金投資における損出しのまとめ
- 譲渡損益と配当金は通算できる
- 損出し後、買戻しする場合は翌日以降に実施する
- 損出しはいつ実施しても良い、税金と共に心理的メリットが大きい
損出しの方法:米国株の配当金投資編
配当金投資をしていると、自動的に益出ししていると考えることができます。
配当金は実現益と同じ評価がされるからです。
①配当金/分配金の見込み額、保有銘柄の評価損益を確認する
まずはインカムゲインの見込み額を計算します。
もし売却損益がある際には合算しましょう。
上表は私の1月~4月までのマネックス証券内の配当金額です。
税引き前26万円也。
2018年にはいりETF主体のポートフォリオに変換しました。
それでもおよそ年間60万円程度の配当金額だと予想しています。
とにかく、年間の実現益がいくらとなるのか? という点が重要です。
つづいて保有銘柄の評価損益を確認します。
★★★
上は2018年5月時点でのアルトリアとフィリップモリスの評価損状況です。
2017年の相場では評価損を抱える銘柄はありませんでした。
ところが2018年の生活必需品セクター株価急落によって、評価損を抱えたのです。
このような評価損のある銘柄が、損出しの候補となります。
②損出しする銘柄を決める
- 年間実現益の試算
- いまの評価損銘柄
このふたつがわかれば、あとは評価益と損出し金額を考えればいいです。
上述した具体例を用いて説明します。
実現益
- 年間実現益予想:60万円
- 現時点の実現益:26万円
評価損銘柄
今回のケースでは、予想配当金額と現在の評価損額がほぼ同じです。
- アルトリアとフィリップモリスの両銘柄を売却:-59万円の確定
- 年間の配当金:60万円を想定
>>【配当金】年60万を達成 100万円到達までに要する年数は?
もし評価損銘柄を売却したらどうなるか?
配当金にかかる税金は支払いすぎていることになります。
特定口座では損益通算により、来年の1月に還付されます。
もちろん、今の評価益を埋める損出しでもOK。
とにかく、実現益額を損出し額と差し引きするという考え方が大切です。
③損出しする銘柄を買い戻すのは、いつ?
損出しをしたが、その銘柄を継続保有したい。
そんな時は、いつ買い戻せばいいでしょうか?
答えは売却した翌日以降です。
売りと買いを同日に実施すると、損出しができません。
購入した後に売却したと判断されるのです。
ですので、売却の翌日以降に買戻し約定する必要があります。
買い戻しは配当権利落ち日より前の日が望ましいです。
配当金を予定通りに受け取ることが出来ますから。
配当金を受け取るためには、いつまでに株を購入すればいいか?
- Ex-Div Dateより前の日:配当金が貰える
- Ex-Div Date当日・翌日以降:配当金は貰えない
損出しのデメリットは手数料
損出し行為のデメリットは、
- 取引手数料がかかる
- 売買をする手間がかかる
おもにこの2つだと思います。
損出しには銘柄取引が伴います。
つまり取引手数料がかかるわけです。
>>米国株・海外ETF取引で、手数料負けしない売買金額とは?
SBI証券、マネックス証券、楽天証券の外国株取引手数料は5~20ドル。
買戻しするとなると、往復10ドル~40ドルかかります。
この金額以上の税金を取り戻せる場合にだけ損だしのメリットを得ることができるのです。
損出しのメリットは税金だけではない
損出しするメリット
- 余計な税金を取り戻せる/先延ばしにできる
- 評価損銘柄を保有している心理的負担を軽減できる
特定口座は、損益通算を自動でやってくれます。
損出しをする事で、翌年早々に還付金を受け取ることが出来ます。
節税・税金を取り戻せることが、損出しのメリットです。
もう一つの損出しメリットは、心理的なもの。
評価損銘柄の保有をなかったことに出来るのです。
評価損は気持ちのいいものではありません。
損出しをすることで長期投資、継続保有に繋がりやすいと思います。
米国株・外国株の配当金は損益通算できる
主要インターネット証券は、外国株/米国株の特定口座対応をしています。
特定口座で米国株取引をすれば、全て実現損益として計算してくれます。
- 譲渡損益(キャピタルゲイン)
- 配当金や分配金等(インカムゲイン)
ですので米国株投資時の損出しの手間が少なくなっています。
ただし特定口座対応日以降に約定した米国株取引に限ることは要注意。
損出しをする前に、特定口座内の株式かを確認しましょう。
アメリカ株の特定口座開始年の比較
>>米国株投資の証券会社:手数料値下げ・特定口座・取扱いの変遷を比較
上場株式等配当金受領委任契約とは?
簡単にいうと、特定口座で配当金を受け取るという契約
まとめ:配当金投資における損出しの方法
損出しについて
- 譲渡損益と配当金は通算できる
- 損出し後、買戻しする場合は翌日以降に実施する
- 損出しはいつ実施しても良い、税金と共に心理的メリットが大きい
いまや米国株取引は特別なものではありません。
インターネット証券(SBI証券、マネックス証券、楽天証券)の特定口座で投資をすればいいのです。
配当金や分配金を受け取ったり、売買利益がある際には損出しを検討しましょう。
納税の義務はありますが、余計な税金を支払う必要はありません。
さいごに、
米国株投資をする際はインターネットの3証券会社を選択してください。
ちなみに私はマネックス証券推しです。
以上、損出しの方法でした。
>>株を買うタイミングはいつが良いか、3冊の投資本をまとめてみた
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コメント
ざっくり言うと、600,000-(600,000*0.9*0.8)=168,000
から、往復売買手数料を引いたぶんが返還されると言うことですか?
買値入替に伴う将来の値上がりによる売却益を考慮する必要も有ますよね?
自分も損出ししたいと思っていますが、実際どのくらい得なのか解っていません。。。
KYさん
ざっくりいうと、600,000-(600,000*0.9*0.8)=168,000JPYが還付されるということです。
還付されるのは翌年1月のはじめです。
売買手数料はその都度かかります。
買値入れ替えに伴う将来の値上がり益を考慮する際には、「税金支払いの先送り」として考えます。
損出しのメリットを数値化すると、税率で固定されています。
つまり運用額、とくに実現益が大きい場合には大きなメリットとなると思います。
年末にかけては運用額の大きい機関投資家などが損出し益出しをするでしょうから、相場が乱れることもあるかもしれませんね。
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