英国株ADR(高配当銘柄)のメリット
英国株ADRといえば、配当金に外国源泉徴収税額がかからないというメリットがあります。
高配当利回りの場合、税金の面で米国株より英国株は有利。
NISA口座ではイギリス株の特徴をいかしやすいです。
とはいえイギリス株ADRにはアメリカ株のように連続増配銘柄が多数ありません。
仮に現地通貨のポンドで増配を続けていても、英国株ADRとしては配当金の増加を感じることが出来なかったりします。
為替の影響です。
ポンド建てで配当金を増やしていても、ドルベースでは配当金が増えていない場合があるのです。
そこで注目されているというか有名どころ英国株ADRの配当金推移(ドルベース)を調べてみました。
配当金投資をする投資家にとっては魅力的なわけですからね。
まずはヘルスケアセクターの3銘柄です。
英国株ADRの配当金推移 比較対象銘柄
- シャイア― SHPG
- アストラゼネカ AZN
- グラクソスミスクライン GSK
シャイア― SHPGの配当金推移
- 2009年 0.30ドル
- 2017年 0.92ドル
シャイアー SHPGの配当金は、2009年からの8年間で3倍以上に上昇しています。
一株当たりのドルベースでの配当金です。
増配率が素晴らしい。
一方で現在の配当利回りはというと、1%を下回っています。
低配当高成長の典型といえるイギリス株ADRです。
シャイア―とは、希少疾患に力を注いでいる英国製薬会社です。
大手医薬品企業は開発しないものの、苦しんでいる患者さんがいる疾患に注目しているのがシャイア―ですね。
株主になって応援したくなる企業ビジョンです。
アストラゼネカ AZNの配当金推移
- 1997年 0.63ドル
- 2007年 1.75ドル
- 2017年 1.37ドル
イギリス株ADRを代表する高配当銘柄のアストラゼネカ。
ドルベースの配当金は2012年をピークに減少しています。
2017年の配当金は10年以上前、2006年と同じ水準です。
アストラゼネカAZNは配当利回り4%前後と高配当株です。
ところが高配当利回りではあるものの、配当成長は期待しないほうがよさそうです。
アストラゼネカAZNといえば、オメプラールやネキシウムといった胃薬で一世を風靡しました。
ガスターの競合薬ですね。
【参考:アストラゼネカAZNは高配当利回りの英国医薬品大手】
グラクソスミスクライン GSKの配当金推移
- 2007年 1.9775ドル
- 2012年 2.4414ドル
- 2017年 2.0047ドル
配当金好きなら注目するであろう銘柄、それがグラクソスミスクライン GSK。
GSKは配当利回りが5%を超えているのが当たり前の超高配当銘柄。
医薬品の英国最大手企業です。
増配率を高くは期待できないものの、10年~15年の長期スパンでみると配当金が右肩上がりの傾向が見て取れます。
ただし2020年以降のGSK配当金は不透明なので気を付けておきたいですね。
そんなこともあって現在のGSK株価が上昇していないのかもしれません。
グラクソスミスクライン【GSK】の株価チャート(直近10カ月)
2017年後半からGSK株価は40ドルを下回っています。
そんないまこそ投資妙味があるとも考えられるかもしれません。
GSKは歯磨き粉の薬用シュミテクトや、風邪薬のコンタックなどがなじみ深いですね。
処方薬が中心の医薬品業界ですが、CMでは一般医薬品・OTCが宣伝されています。
【参考 GSK グラクソスミスクラインは高配当利回りの医薬品企業】
イギリス株ADRの注意点
今回の英国株ADRのドルベース配当金推移データはいかがでしたか?
いくら配当金の税金にメリットがあるとはいえ、為替の影響が無視できませんね。
インカムゲイン・キャピタルゲインのどちらを狙うにしろ、英国株ADRならばドル建てで見ておいた方が良さそうです。
英国株ADRの配当金推移のまとめ
- シャイア―:低配当利回り・高成長率
- アストラゼネカ:高配当利回り・減配傾向
- グラクソスミスクライン:高配当利回り・低成長
ちなみに英国株ADRやアメリカ株の配当金支払い時期は、若干遅れることがあるので要注意。
主要インターネット証券では以下の通りです。
配当金を受け取りながら、長期投資を続けていきたいですね。
高配当イギリス株ADR
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