米国株の配当金投資に人気が集まりつつあります。
配当金投資は、株式投資初心者でもとっつきやすいからです。
さらにいえば
- 日本をはじめ世界各国での低金利政策による債券利回りの低下
- 米国株の配当金投資は、市場平均をアウトパフォームしてきた
このような背景があるでしょう。
本記事では、米国株の配当金投資【初心者ガイド】と称し、配当投資について紹介していきます。
米国株で配当金投資をするメリット・デメリット
上図は、配当金を25年以上も増やし続けていた配当貴族銘柄からなるインデックス指数と、S&P500のパフォーマンス比較です。
配当貴族指数の方が、米国を代表する株価指数S&P500よりも優れたリターンを示してきました。
もちろん未来はどうなるか分かりません。
しかしながら、米国配当貴族指数のような配当金投資は、ひとつの投資戦略として成り立っている程には有用であるのです。
優れたパフォーマンスを示してきたメリットが、配当投資にはあります。
アメリカ株の配当投資のメリットは安定したキャッシュフロー
米国企業は、配当金支払いを重要視します。
ですから25年以上も連続して配当金を増やす銘柄が100以上存在しています。
さらにS&P500や、NYダウ30平均といった株価指数でも、配当金支払いは増加傾向がみてとれます。
すなわち、米国株の配当金投資は、受取配当金が毎年増えていくというメリットがあります。
安定した配当金は、個人投資家にとって大きな利点といえるのではないでしょうか。
配当金投資には、多額の元本と時間を要するデメリットがある
配当金投資のデメリットといえば、
- 配当利回りは数%であり、高くはない
- したがい多くの投資元本を要する
- もしくは長い運用期間を必要とする
こうしたことが挙げられます。
たとえば米国株の株価指数であるS&P500の配当利回りは、2%を下回る程度で推移しています。
また高配当株式であっても配当利回りは3~6%程度にすぎません。
もし100万円を高配当株に投資をしたとしても、年間の配当金は数万円です。
この数%の配当金生かすには、大きな投資元本や長い運用期間が必要となります。
これは配当金投資のデメリットといえます。
ですから配当金投資を選択する際には、すぐにお金持ちになるのではなく、数年~10年単位での運用計画が必要となるでしょう。
米国株で配当金投資を始める方法
アメリカ株の配当利回りを知ろう
配当利回りというのは
- 年間配当金支払い金額 ÷ 現在株価
で表されます。
年間配当金支払い額は2つの定義があります。
- TTM: Trailing Twelve Months:直近12ヵ月配当利回り
- FWD:Forward:予想年間配当利回り
たとえば株価100ドルの銘柄が
- 直近12カ月で合計1ドルの配当金支払いをしている
- 次の支払いからは、10%の増配をすることになっている
だとすると、それぞれの配当利回りは
- 1.0%
- 1.1%
となります。
米国株は増配をすることが多いです。
なのでアメリカ株の配当利回りを見る際には、それが過去か未来のどちらの数値を参照しているのかを把握しておくことが大切です。
また、配当利回りは高すぎてもリスクがあるとされます。
適度な高配当利回りとは3~6%程度でしょう。
配当金を多く支払っている銘柄は、減配する可能性を内包しているといえます。
配当性向とは何なのか?
配当性向は、英語ではPayout ratioと呼ばれます。
配当性向は、%で表され以下の式でもとめられます。
- DPS(1株当たりの配当金支払い額) ÷ EPS(1株当たりの利益額)
ですからある会社が1株当たりに10ドルを稼いでいたとして、5ドルの配当金支払いをしているなら配当性向は50%ということになります。
配当性向比率が高い銘柄の方が、配当利回りは高くなります。
しかしトータルリターンでみると、配当性向は必ずしも高い方が好ましいとはいえません。
また、配当性向比が低い方が、将来の増配可能性が高く持てます。
アメリカ株には、増配を続けることによる配当金が増える銘柄が多い
上述のように、米国株には連続増配銘柄が多く存在します。
たとえば
- 配当王:50年以上連続して配当金を増やし続けている銘柄
- 配当貴族:25年以上連続して配当金を増やし続けている大型株
こうした名称があるほどです。
すなわち投資家にとっては、配当金が雪だるま式に増えていくメリットがあります。
米国株で配当金投資をする際には、過去の配当金支払い状況を確認しておくとよいでしょう。
配当金の税金問題:日本・米国の二重課税がされているので確定申告で取り戻そう
日本の証券口座で米国株投資をすると、配当金には2か国の税金がかかります。
- アメリカの税金:約10%
- 日本の税金:約20%
ここでは簡易的な数値を用いますが、それぞれの国で10%・20%の二重課税となります。
つまり税引きあとの手取配当金は、額面の約70%となります。
たとえば10ドルの配当金支払い株を買ったとしても
- 10ドル× (1-10%) × (1-20%) = 7.2ドル
ということです。
米国で課税された税金は、確定申告で取り戻すことができます。
ただし還付されるためには、一定金額の所得税納付が前提となっていることには注意を要します。
いずれにせよ米国株の配当金は、税引き前後で金額が異なることは覚えておきたいです。
個別株もいいけど、米国株ETFは分散投資ができておすすめ
米国株で配当投資をする際には、魅力的な銘柄が多くて悩むかもしれません。
- アップル
- マイクロソフト
- ジョンソンエンドジョンソン
- プロクターアンドギャンブル
- コカ・コーラ
何れも世界を代表する配当銘柄です。
こうした個別株への投資もいいですが、高配当株ETFも一考の余地があります。
ひとつのETFで、数十~数百の銘柄に分散投資が可能となるのです。
【米国株】配当ETFのセクター概要
- VIG:資本財セクター多め
- VYM:バランス良いが金融セクター多め
- DVY:公益事業セクター多め
- SDY:バランス良いが生活必需品・資本財セクター多め
- HDV:エネルギー・ヘルスケア・生活必需品に偏りあり
- SPYD:不動産・公益事業セクターに偏りあり
米国株の配当投資をするなら、まずはETFから初めてみるのがいいと思います。
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コメント
米株で大きなキャピタルゲインを得るのは難しいですよね。株価か円が暴落した時に仕込む逆張りが間違いないと思いますが、待機して円を寝かせているとインカムゲインが得られない。どちらを優先させるか、スタンス次第ですね。
まさにおっしゃる通りですね。
米国株でインカム狙いなら逆張りが良いと思うのですが、今のような相場好調の際には対応方法に困ります。
とりあえず毎月適度に追加投資する方針で続けてみます。