日本の出生数が90万人割れというニュースが流れました。
そして自然人口減が50万人超え。
少子化・人口減少は、予想よりも速いスピードで進んでいます。
私は20代女性100人に、少子化の理由を聞くという実地調査をしたことがあります。
そこから導き出された答えは、「少子化の背景には男女の仲を育む時間が不足していることがある」
つまり長時間労働や不規則なシフト性が背景にあり、なおかつ若者は時間という限られたリソースの使い方を習得していないだろうという考察が得られました。
とはいえ個人でできる少子化対策は限定的です。
ですから日本全体のことは政府に任せるとして、本記事は少子化に関するコラムということでいきます。
- 現代日本と三国時代と比較した結果は?
- 少子化対策の何か良い方法はないか、ハンガリー政府の試み
人口減少社会を歴史から学ぶ【コラム】
人口減少が進み、働き手が減っていく日本。
もやは日本沈没、衰退は不可避。
そう思っている人が多いでしょう。
現に私も同じように感じています。
だからアメリカ株投資などの資産運用に踏み切ったのです。
でも本当に人口減少は衰退につながるのでしょうか?
そもそもいまの日本における人口減少は前例がないほどのものなの?
ふと疑問に思い調べてみました。
リサーチ対象は我が国日本の将来人口と、お隣中国の三国志時代の人口統計。
ということで、人口減少社会を歴史から考察していきます。
人口減少の比較対象「三国時代」とは
三国時代(さんごくじだい)は、中国の時代区分の一つ。
広義では黄巾の乱の蜂起(184年)による漢朝の動揺から西晋による中国再統一(280年)までを指し、狭義では後漢滅亡(220年)から晋が天下を統一した280年までを指し、最狭義では三国が鼎立した222年から蜀漢が滅亡した263年までを指す。
229年までに魏(初代皇帝:曹丕)、蜀(蜀漢)(初代皇帝:劉備)、呉(初代皇帝:孫権)が成立し、中国内に3人の皇帝が同時に立った。
ウィキペディアより
ウィキペディアの記載は、随分とあっさりしたものですね。
私が知っている三國志時代とは、もっと熱く、多くの物語があり、一晩中語りつくせるストーリー。
例えば私は小学生の時にはじめて三国志 (新書版) 全60巻を読み、感動し、かれこれ20回位は読み直しをしました。
また社会人になってからは三国志男 (幻冬舎文庫)に出会い、自らの目で確認する実地調査の重要性と、実行力がもつ意義を学んだものです。
こうやって三国志について考えていたら、レッドクリフも観たくなってきましたね。
血沸き肉躍る!
これが三国時代。
さて、おもわず興奮していますが、話を人口減少に戻しましょう。
今回、人口減少の話題に三國志を持ち出した理由は
- 飢饉などの天災が多くあった
- 戦国時代なので絶えず合戦していた
- 戦いには男が多く駆り出されていた
- 合戦の規模が半端ない
- 1万人単位は勿論、10万人単位、時として100万人単位で戦っている
と、生産年齢人口の減少に関する外的要因が多く、さらに人口に関する記録が残されているからです。
まぁ、情報の正確性には疑問符がつきますけどね。
でも日本の出生数予測だって当たらないのですから、どっちもどっちでしょう。
そのあたりは置いておいて、三国志の時代の人口減少率を確認していきます。
人口減少社会:三志時代の人口
- 後漢末の永寿3年(西暦157年)、戸籍登録人口は前漢末に近い、56,486,856人にまで回復した。
- しかし、一人あたりの食糧供給量が低下し、社会不安が広まった結果、中国史上屈指の規模の農民反乱である黄巾の乱が起き(西暦184年)、いわゆる「三国志」の英雄豪傑が地方に群雄割拠する動乱期となり、後漢は滅亡した(西暦220年)。
- 中国は魏・呉・蜀の三国に分裂したが、それぞれの戸籍登録人口は蜀が940,000人(西暦263年)、魏が4,432,881(西暦263年)、呉が2,300,000人(西暦280年)に過ぎなかった。
- ちなみに、この三国を統一した西晋(西暦265-316年)の戸籍登録人口は16,163,863人(西暦280年)であった。
- 実人口の減少はこれほどではなかったと推定されるが、西暦3世紀が中国史上、空前絶後の人口崩壊期であったことは確実視されている。
中国の人口の歴史より
三国時代前後の人口は、
- 西暦157年:56,486,856人
- 西暦280年:16,163,863人
です。
つまり123年の間に、71%もの人口が失われた事になる。
-71%の人口減少
まさに空前絶後の人口崩壊期。
この数値を、現代の日本人口と比較してみます。
人口減少社会の比較 日本 vs 三国時代
衝撃の結果
三国志時代の人口減少よりも今後の日本の方が年間換算人口減少率が大きいのです。
少子化対策、人口減少に向けた思い切った対応をハンガリー政府に聞いてみた
三国志の時代と同じか、それ以上の人口減少時代を迎えている日本。
少子化対策は悠長なことを言っていられません。
少子化への備えとして、他の国はどんなことをしているのでしょうかね。
ハンガリーが興味深い優遇制度を発表していたので紹介します。
ハンガリーの少子化対策
40歳未満の初婚女性
- 35,300ドルの低利融資
2人目の子どもを持った女性
- 低利融資返済の3分の1を免除
- 家族が家を購入できるようにローンプログラムを拡大
3人目の子どもを持った女性
- 低利融資返済の全額を免除
4人目の子どもを育てる女性
- 生涯の個人所得税を免除
思い切った政策ですね。
なにせハンガリーは少子化が進んでいます。
出生率が1.45と、日本とそれほど大きく変わりません。
そして移民には反対を表明している様子。
だからハンガリー人を対象とした少子化対策にテコ入れをしているわけです。
純血主義をとるハンガリー政府には、賛否両論があるでしょう。
でもこのくらいの投資をしないと、少子化対策にならないのかもしれませんね。
はちどう、どうする?
2019年の出生数は90万人割れをしています。
人口減少率は、血沸き肉躍る三国時代と同じ程度と推察できました。
同じような危機感から、ハンガリーでは極端な少子化対策を発表しているほど。
これはのんびりしていられません。
だから私は、妻と自分、そして我が子たちが、三国志時代をも超える人口減少時代の荒波を乗り越えていく舟を製作中。
そして航海には、船、羅針盤、目的地のある地図が必要です。
ゴールは、家族の豊かな生活、幸せな時間。
しかし家族といえども目的の定義が異なる場合があります。
なので頻繁に子ども達とお話をし、何をしている時がワクワクするのか、どうなったら楽しいのかといった話題をだして確認していきましょう。
ハッピーの意味が違っていたり、そもそもハッピーになること時代をゴールとしていなかったりする可能性だってありますから。
泥船にならないように気をつけないとね。
以上、「人口減少率を三国志の時代と比較してみた」でした。
あなたは人口減少時代をどう生きていきますか?
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コメント
こんにちは。今回の記事は軽い読み物だと思うのでツッコミを入れるのは野暮かと思いますが、一応入れときます。
後漢時代の人口統計は当てにならない。三国時代の人口統計はまったく当てにならない。戦乱の時代の人口減少が激しいとしても、前後のデータを比較しようが無いのでおおまかにでも減少率を算出するのは不可能。現代の中国のGDPですらデタラメで全く参考にされていない。
日本の100年後の人口は内閣府の予想では5000万人を割っているが国連予想では8000万人を超えている。30年後ならともかく100年後の人口予測は地震予知程度の精度しかない。
おそらく三国時代に人口が急激に減少したのは間違いないと思いますが、その程度は「分からない」としか言えません。日本の人口が減るのは間違いないと思いますが、その予測幅はブレがありますね。
さいもんさん、
配当金生活のトップオピニオンリーダーからコメントを頂戴し、とれも嬉しく思います。
おっしゃる通り、三国時代の人口統計はあてにならない為にその前後、一応統一国家であった後漢と西晋のデータを参考にしました。
また、吉川洋著「人口と日本経済」には、課税と徴兵の必要性から文明が発達したところでは人口に関する記録が残されている と記述されていましたので、人口データ誤差はある程度の範囲内だろうとの想定から今回の計算を思い立った次第です。
尚、ご指摘の通りに今後日本の人口減少は確実でしょうが、計算の僅かな差であっても100年後となると大きく数値が異なる事になると思います。
株価よりは予測しやすいとはいえ、まさに「30年後ならともかく100年後の人口予測は地震予知程度の精度」であろうかと存じます。
いずれにせよ、これまで経験した事がないレベルの人口減少が想定される日本に居住している事を認識しておく必要はあるのだと感じている次第です。
また何かありましたら、ご指摘・コメント等頂戴できれば幸いです。
リーダーとかは止めて下さい、そんないいものではありません(笑)
数百年続いた漢帝国と弱体の西晋では戸籍把握能力は全然違うだろうから直接の比較は意味が薄いかなと思うのです。同様に過去の日本でも人口減少期はあった、人口減少は前例の無い事では無い、という人もいますが、これも正確な統計が無い時代の話ですし人口と国力の相関関係は時代によって変わってきます。
これからの人口減少が前例の無いものかどうかは、おそらく有史以来初ではないが、少なくとも統計が信用できる範囲では初で、しかも食料供給能力が原因で無いという意味では初なのは間違いないと思います。
長文コメント失礼しました。はちどうきゅうどうさんが三国志好きなのは伝わりました。
さいもんさん、
追加コメントありがとうございます。
漢と西晋では国家としての規模と質が異なりますし、戸籍把握能力は大きく異なっただろうと推察します。
また、人口減少については正確なデータがありませんので、正確な表現をすると「統計が信用できる範囲では初」という事になります。
蛇足ですが三国志は小学校~高校時代にめちゃめちゃハマりました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。