米国株には、連続増配銘柄が数遠く存在しています。
たとえば50年以上増配を続ける配当王(Dividend King)、25年以上の増配を継続する配当貴族(Dividend Aristocrats)という呼称があるほど。
配当金を通じた株主還元ですね。
このような配当金を増やし続ける企業が、連続増配株と呼ばれます。
連続増配とは増配を毎年繰り返していること
と、思いがちですが実は違います。
たとえ毎年増配がなされていなくても、連続増配は達成可能なのです。
なぜなら年間の1株当たりの配当金が前年より増加していれば、連続増配といえるからです。
ちょっとわかりにくいですかね。
連続増配株の具体例を用いて紹介していきましょう。
連続増配株とは配当金を毎年増やしているわけではない
以下のケースを考えてみよう。
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
基準 | 1 | 1 | 1 | 1 | 4 |
2年目 | 1 | 1 | 1.1 | 1.1 | 4.2 |
3年目 | 1.1 | 1.1 | 1.1 | 1.1 | 4.4 |
4年目 | 1.1 | 1.1 | 1.2 | 1.2 | 4.6 |
5年目 | 1.2 | 1.2 | 1.2 | 1.2 | 4.8 |
それぞれの数値は、配当金額を示しています。
緑背景をご覧ください。
これは増配した場面。
5年間に2回の増配をしています。
続いて合計の配当金額に目を向けてください。
配当金合計/年は常に上昇していますよね。
シンプルにすると
- 増配 :2回
- 増配年:4年
え”~!
詐欺ではないか?
しかしこれは嘘でもマジックでもないのです。
連続増配記録は継続しています。
このような例は、米国個別銘柄に実在します。
エネルギーセクターの雄。
その名は
シェブロン【CVX】
連続増配年とは?シェブロン【CVX】の配当金を例に
シェブロンは、ダウ30構成銘柄であり、3・6・9・12月の配当支払いをしています。
おまけにS&P500配当貴族インデックス構成の50企業に属しており、世界有数の超優良企業です。
シェブロンの四半期毎配当金/1株 推移がこちら↓
西暦 | 3月 | 6月 | 9月 | 12月 | 合計 |
2014 | 1 | 1.07 | 1.07 | 1.07 | 4.21 |
2015 | 1.07 | 1.07 | 1.07 | 1.07 | 4.28 |
2016 | 1.07 | 1.07 | 1.07 | 1.08 | 4.29 |
よーくご覧ください。
2014年5月~2016年8月まで、1.07ドル/四半期の支払いが続いています。
つまり10四半期、2年半にわたり1.07ドル/Qの配当金が継続されていたのです。
それにも関わらず、シェブロンの連続増配記録は途絶えていません。
つまり、配当金を毎年増やさなくても、連続増配株の地位は保つことができるのです。
こうしてシェブロンは配当貴族銘柄として君臨しています。
このように毎年増配しなくても連続増配記録は維持できるし、配当貴族の権利は保持可能なのですね。
参考 配当貴族な50銘柄
米国株投資家としては、連続増配とは何なのか?を知っておこう
米国企業は株主還元に積極的であり、株主もそれを求めています。
目に見える形の方法が配当であり、各企業のCEOはそれを継続する事を当たり前だと考えているわけです。
こうしてみると”連続増配”を維持継続する事は重要
今回のシェブロンの例のように、首の皮一枚繋がって増配株の地位にある企業は多数あります。
とくに原油価格低迷が続いた際には、オイルメジャーの経営は危うくなります。
こうした困難な局面においても、連続増配を続けていく企業意志を示すことは、株主に対するアピールポイントとなります。
個人投資家だって、応援したくもなるでしょう。
ともなればリターンは高くなると推測される。
こうしてみると、連続増配株への投資は、配当という名のフローが経年的に大きくなり、ストックであるキャピタルゲインも狙えそうですね。
配当貴族や配当王の称号は伊達ではない。
やはり私はアメリカ株の連続増配銘柄が好きですね。
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コメント
謎が1つ解けました!!素晴らしい記事ありがとうございます。
しかし米国株の株主還元への積極性は素晴らしいですね。
内部留保をしまくって株主どころか従業員へも還元しない日本企業は・・・
qwさん、
謎の解決に貢献できてよかったです。
今後ともよろしくお願いします。
なるほどです?。確かに、CVXに関しては不可解でした。参考になりました。
ブロガー伴さん、
こちらのブログにまでコメントありがとうございます。
CVXは今回の四半期で増配するか否かが、連続増配銘柄生き残りの分かれ目でしたからね。
タコ配ですし、苦渋の決断だったのだろうと推測します。
[…] 連続増配年の定義 実は毎年増配しなくても良いアメリカ企業には数多くの連続増配銘柄が存在しており、50年以上増配を続ける配当王(Dividend King)、25年以上の増配を継続する配当貴族(Dividend Aristocrats)という呼称すらある。ここでのキーワードは、”連続増america-kabu.com […]