投資では、アセットアロケーションが最重だと言われます。
だから株式投資をする際には、まず資産配分比率を決めるのが良いのです。
株式投資で成功する資産運用方針策定の5つのステップ
- 運用目的と、その達成の為の資産配分比率の策定(株式・債券など)
- 成長株/バリュー株、大型/小型株、国内/海外など株式ポートフォリオの決定
- アクティブ vs パッシブ比率の決定
- 個別ファンドの選択
- 個別銘柄選択、売買実行
なぜ資産配分比率が重要かというと、投資のトータルリターンがアセットアロケーションでほぼ決まるというデータがあるからです。
ですから個人投資家は、資産配分比率に気を配ることがよいでしょう。
ということで本記事では、アセットアロケーション(資産配分比率)とは何かについておさらいしていきます。
投資でアセットアロケーション(資産配分比率)が重要な理由
投資収益は資産配分比率によって決まります。
逆に言えば、銘柄選択やマーケットタイミングは二の次ということ。
これは米国における2012年の研究結果です。
トータルリターンの88%がアセットアロケーションで決まる【バンガード編】
上の円グラフは、1962年~2011年12月末にかけて、米国の518のファンドのリターンをみたデータです。
資産配分比率の設定が、トータルリターンに占める割合は
88%
銘柄選択やタイミング投資がトータルリターンに影響する割合は12%のみでした。
これはバンガード社の研究結果。
資産配分比率の重要性を理解するには十分なデータでは無いでしょうか。
もちろんこの研究以外にもエビデンスは多数存在しています。
なのでアセットアロケーションがトータルリターンの9割を決めると言われているのです。
ですから個人投資家といえども、資産配分比率に気を配ることがよいのです。
つづいては著名な投資本、ウォール街のランダムウォーカーの記載を紹介しましょう。
トータルリターンの90%が資産配分比率で決まる【ウォール街のランダムウォーカー編】
投資の総リターンの90%は、投資家の選択したアセット・ミックスによって決まる。
投資の成功度合いのわずか10%弱が、選択された資産の中身、例えば具体的にどの銘柄や投資信託を選ぶことに依存するに過ぎない。
インデックス投資の教本である、バートン・マルキール著「ウォール街のランダム・ウォーカー」では、資産配分比率の重要性が説かれています。
逆に言えば、投資信託を活用した資産運用では以下は二の次だということになります。
- 個人投資家が時間をかけて実施している銘柄選択
- インデックス投資家が懸命に算出している投資信託のコスト
- 株価の上下動によって行うタイミング投資
なぜなら、これらはアセットアロケーションの決定に比べて、リターンへの寄与度が小さかったからです。
ですから投資信託やETFを使った投資をするなら、まずはアセットアロケーションを決めましょう。
ちなみおに私はアセットアロケーションの中で、株式比率を重要視しています。
長期運用では、株式投資が最も効率が良かったというデータが存在するからです。
その分だけ現金と株式の割合に気を配っています。
たとえば生活費の2-3年分をキャッシュで保有しています。
こうすることで、株式投資のドローダウンを軽減できると考えているのです。
アセットアロケーションの検討材料;株式投資比率が大切では?
米国の金融商品を比較すると、資産形成効率が最もよかったのは株式だったという結果があります。
他方で株式投資は、値動き幅が大きく暴落などのリスクを内包しています。
資産を株式ばかりで保有していたら、回復困難なれレベルにまで評価額が下がる可能性があるのです。
ですから自分がもっている資産のうち、どのくらいの割合を株式に投下するかを決めていくことが大切です。
つづいては米国市場の歴史を振り返っていきましょう。
米国株式の実質リターンは年率6.6%だった
米国の金融資産における実質リタ―ンを示しています。
200年の長期運用結果では、株式リターンは6.6%でした。
この数値はインフレ率を考慮した、実質リターンの結果です。
資産 | 実質リターン(1802年~2012年) |
株式 | 6.6% |
長期債 | 3.6% |
短期債 | 2.7% |
金 | 0.7% |
現金 | -1.4% |
株式と債券を比べると、年率数%のリターンの違いしかありません。
だったらより安全な、値動きが少なく損をしにくい債券に投資をした方がよいのではないでしょうか。
ところが長期投資の結果をみると、見え方が変わります。
複利の力が効いてくるからですね。
もし、1802年に、現金・金・債券・株式のそれぞれへ1ドルを投資したらどのような結果になっているのかを見ていきます。
もしも1802年に1ドルを投資したら?
上図は1800年代初頭に1ドルを投資したら、2006年にはいくらになっているかを示した棒グラフです。
ご覧のように長期投資においては株式が圧倒的に有利な結果でした。
ですから株式比率を低く設定しすぎたアセットアロケーションは、資産形成に好ましくありません。
資産 | 1802年に1ドル投資した評価額(2012年版) |
株式 | 704,997 |
長期債 | 1778 |
短期債 | 281 |
金 | 4.52 |
現金 | 0.05 |
こうしたデータをみると、アセットアロケーションをじっくり検討したくなるのではないでしょうか。
さて、ここで気がつきましたが上図の縦軸はやや見にくくなっておりますね。
とうことで縦軸を対数にし、横軸は時間軸としたグラフに修正してみましょう。
株式比率が重要な理由:長期で最も上昇するのは株式だと証明されている
上図は、1802年を起点とした長期投資における金融資産間の実質トータルリターン比較です。
米国株ではよく参照されるグラフですね。
ご覧のように、長期投資においては株式が有利でした。
ここで再度おさらいしましょう。
長期投資の総リターンの大部分は、資産配分比率で決まるのです。
ですから資産配分比率の中でもとくに株式比率を設定しておくことが重要。
これは米国株式のことですよ。
さて、最後にアセットアロケーション、とくに株式比率の計算方法を復習していきます。
アセットアロケーション:株式比率の計算方法
資産配分では、株式比率のおすすめな目安があります。
この株式比率の公式から、ポートフォリオにおける株式比率と現金比率の目安が推定できますね。
株式比率の目安
- 20代:80~100%
- 30代:70~90%
- 40代:60~80%
- 50代:50~70%
現金比率の目安
- 20代:0~20%
- 30代:10~30%
- 40代:20~40%
- 50代:30~50%
このようにアセットアロケーション、とくに株式比率を決めた上で、次の投資選択を実行するのがおすすめです。
つまりアセットアロケーション(資産配分比率)の重要性を知った上で、投資信託や株式の銘柄選択をするという手順ということ。
株式投資とアセットアロケーションの重要性を理解するための、おすすめ投資本
「敗者のゲーム」は、つみたてNISAや投資信託での資産運用時に読むのにおすすめ
「世界のエリート投資家は何を考えているのか 」は、ポートフォリオをいじりたくなったときに読み返したい1冊
「アセットアロケーションの最適化」は、値段が高くマニア向けの内容なので、本当に資産配分を気にしたい人だけが買えばよいでしょう
まとめ;株式投資で成功する運用方針策定の5ステップ
本記事では、資産運用で成功する方法を、チャールズ・エリス著「敗者のゲーム」から振り返りました。
運用目的とアセットアロケーションの設定がまず大前提。
あなたは運用目的と資産配分比率を策定していますか?
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年齢別の株式比率を簡単に表した公式の紹介。100-年齢や、120-年齢といった式がアメリカでは汎用されています。
40代後半からは個人投資家の投資パフォーマンスが下がっていくことも知っておきたいです。
アセットアロケーションは1年に1回くらいは確認しておくといいですね
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