本記事では、2013年以降の米国企業の自社株買いアナウンスメント状況を比べていきます。
結論をさきにいうと、2018年の米国株の自社株買いが多かったということですね。
2018年の米国株による自社株買いは、直近5年に比べて多かった
上表は、2013年~2018年におけるS&P500構成企業の自社株買いアナウンスメント状況推移を表しています。
S&P500は、米国株式市場の約80%を占めています。
ですから米国全体における自社株買いの動向といっても過言ではありません。
直近5年における自社株買いアナウンスメント金額は、2018年が多かったという結果でした。
2018年に米国企業は、発行済株式の2.8%前後を買った
クレセト・ウェルス・アドバイザーズのジャック・アブリン首席投資責任者は
- 2018年に米企業は発行済み株式の2.8%前後を買った
- 相場の大きな下支えとなり、その効果は配当より大きかった
と説明しました。
S&P・ダウ・ジョーンズ・インダイシズのデータによると、1─9月の自社株買いは5834億ドルで、2007年につけた年間最高記録の5891億ドルに迫ったのです。
米国企業による積極的な自社株買い状況が見て取れますね。
それではどの米国企業が自社株買いを多く実行したのでしょうか?
続いては、2018年の自社株買いアナウンスメントの金額を比較して、ランキング上位5銘柄をみていきましょう。
米国株の、自社株買いコミットメントランキング 2018年
4位【AMGN】アムジェン 100億ドル
アムジェン | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 |
配当利回り(%) | 1.95 | 2.74 | 2.65 | 2.71 |
自社株買い(%) | 1.41 | 1.92 | 2.61 | 13.27 |
4位【ABBV】アッヴィ 100億ドル
アッヴィ | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 |
配当利回り(%) | 3.41 | 3.64 | 2.65 | 3.89 |
自社株買い(%) | 6.96 | 5.34 | 1.76 | 7.54 |
3位【PEP】ペプシコ 150億ドル
ペプシコ | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 |
配当利回り(%) | 2.76 | 2.83 | 2.64 | 3.25 |
自社株買い(%) | 3.46 | 2.59 | 1.4 | 1.27 |
2位【WFC】ウェルズファーゴ 226億ドル
ウェルズファーゴ | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 |
配当利回り(%) | 2.71 | 2.75 | 2.54 | 3.56 |
自社株買い(%) | 2.8 | — | — | 7.22 |
1位【CSCO】シスコシステムズ 250億ドル
シスコシステムズ | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 |
配当利回り(%) | 3.02 | 3.28 | 2.95 | 2.95 |
自社株買い(%) | 2.13 | 2.29 | 2.26 | 10.78 |
米国株の自社株買い状況を知り、2019年の投資行動はどうするか?
クレセト・ウェルス・アドバイザーズのジャック・アブリン首席投資責任者は、2019年について
「自社株買いの軍資金が減るだろう。キャッシュフローの伸びが鈍るだろう」
と述べています。
一方で、株価が割安な水準となれば、米国企業は自社株買いを実行しやすくもなります。
どうなるのでしょうね。
私は米国株式投資をする際には配当金に注目しています。
おなじ株主還元であっても、自社株買いよりは配当金支払いの方が確実性が高いからです。
しかしながら個別株投資をする際には、自社株買い状況を把握しながら、投資を続けていきます。
こうしたことが面倒なら、やはり米国株ETFや投資信託によるインデックス投資が良いでしょう。
最後に、S&P・ダウ・ジョーンズ・インダイシズのデータによると、1─9月の自社株買いは5834億ドルでした。
日本円にして60兆円前後の自社株買いが実行されたのです。
米国企業による積極的な株主還元には驚かされますね。
こうした姿勢は、米国株投資のメリットを感じますし、株主として心強く思います。
ですから私は米国株投資を続けていきます。
以上、「米国企株の自社株買い 2018年と直近5年を比較」でした。
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