家計が保有する投資信託残高、資金循環統計が改訂された
日本銀行が資金循環統計を改定しました。
これまで、信金中央金庫、信用金庫、ゆうちょ銀行等が購入している投資信託を家計部門が保有しているものとして捉えていたとが理由です。
おもな原因はゆうちょ銀行。
有価証券報告書で資産運用の状況を見ると、2016 年度末で約32 兆7 千億円の投信を保有しているのです。
今回の改定で推計方法の見直しを行った結果どうなったのか?
個人金融資産に占める投信の割合は5.8%から4%まで低下しました。
これが投資信託のおかれている現状です。
近年、低コストの優良な投資信託が立て続けに発売されています。
巻き返しに期待したいものです。
日本の家計(個人金融資産)に占める投資信託の比率が下がっている理由
投資信託協会の岩崎会長によれば、個人金融資産に占める投資信託の比率が下がった理由は3つあります。
家計に占める投信の比率が下がった理由
- ETF買いと、ゆうちょ銀行の私募投信だけが伸びていた
- 収益分配金が多く支払われており、再投資されていなかった
- アベノミクスで株価上昇したとき、多くの投資家が利益確定売りをした
公募株式投信の純資産総額は増えている
上表は公募株式投信の純資産総額等の推移を示しています。
ご覧のようにリーマンショック以降は順調な右肩上がり。
ところがここで注意点があります。
この資産総額はETFを含んでいる金額なのです。
公募株式投信(除くETF)の純資産総額は横ばい
上表は、ETFを除いた投資信託の純資産総額の推移です。
2014年以降、見事な横ばいとなっています。
つまり公募株式投信では、ETFだけが伸びていたと言えます。
公募株式投信(除くETF)は、分配金を多く支払っていた
赤枠で囲ってある黄色のバーグラフが収益分配額。
毎年5~10%近くの分配金が支払われていました。
この図からは二つのことが推測できます。
- 分配金が多く支払われていたが、再投資されていなかった
- アベノミクスで株価上昇したとき、多くの投資家が利益確定売りをした
投資信託の比率が下がっている理由をみて思うこと
上図はETFの純資産額と本数の推移。
伸びが顕著です。
日本の株式市場の歪み
今回、投資信託の主要統計ファクトブックをみて思ったことがあります。
日本の株式市場は、国の介入が大きいという事。
それはETFが凄まじい伸び率・額であるということから感じました。
日銀のETF買いが背景にあると思われますから。
さらに、ゆうちょ銀行の私募投信の購入額も大きい。
買い支えられたETFやファンドは、今後どうなるのでしょうか?
個人金融資産に占める投信の割合は5.8%から4%というニュースもさることながら、そっちの方が気になりました。
>>日経平均株価がバブル最高値時に、毎月1万円積立投資を始めたら?
投資信託の保有者は、資産形成期なのか取り崩し期だったのか?
投資信託の購入額が大きいのは高齢者だと思われます。
だとすると、「分配金の再投資をしない」という選択は間違っていないのではないでしょうか?
資産形成期にある人は別として、資産取り崩しに入っている場合はインカムを生活費の足しに使う事はむしろ喜ばしいこと。
分配金を通じて、おじいちゃん・おばあちゃんがお金を使うというスキームです。
毎月分配金が悪なのではなく、高コスト商品が悪なわけ。
資産形成期をすぎた高齢者に投資をしてもらうためには、低コストな毎月分配型ファンドがあっても良いと思います。
家計に占める投信の割合が下がっている、ではどうする?
日本銀行が資金循環統計を改定しました。
結果、個人金融資産に占める投信の割合は5.8%から4%まで低下しました。
その理由は以下の通り。
家計に占める投信の比率が下がった理由
- ETF買いと、ゆうちょ銀行の私募投信だけが伸びていた
- 収益分配金が多く支払われており、再投資されていなかった
- アベノミクスで株価上昇したとき、多くの投資家が利益確定売りをした
ひとはひと、自分は自分。
家計に占める投資信託比率が低下しても、私の運用方法に変更はありません。
とはいえ、投信比率が低下していることはちょっと残念。
もう少し資産運用が普及したらいいのにな、と思いつつ、入金投資を続けていきます。
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