本記事では株価暴落時に備える方法について考えていきます。
株価暴落と景気後退の関係性
景気後退前に、株価は下落してきた
株価は、経済環境が動く前に動くと言われています。
景気後退が始まる前に、株価下落している例が多いのです
ジェレミー・シーゲル著株式投資 第4版を見てみましょう。
1802年~2003年の間に、46回の景気後退局面がありました。
そのうち42回は、景気後退の前に株式リターンが低下していたのです。
つまり、株価低下→景気後退という順番だった割合が高い。
さらに期間を延長したデータを掲載しているStock for the Long Run 5th Editionでは、
1802年~2012年の間で景気後退期47回のうち、43回でリセッション前に株価下落していました。
つまり、株価は景気後退の前に下落していたのです。
では、株価が下落すると景気後退につながるのでしょうか。
株価が下落したからといって、景気後退が始まるわけではない
Stock for the Long Run 5th Editionより
上図は第二次大戦後における、リセッション期での株式利回りを示しています。
景気後退期が始まる0~13か月前の間に、株価の利回りが天井を打っていました。
下落幅は平均して7.9%。
一方で株価が8%下落したからといって景気後退期が始まるかというとそうではありません。
「株価下落→景気後退」という順番で事象が発生するものの、「株価下落→景気不変」ということだってあるのです。
すなわち株価が8%程度下がった際には、2つの事を想定しておくのがよいでしょう。
- 株価8%下落 → 0-13か月以内に景気後退期
- 株価8%下落 → 景気循環は発生せず
後者の場合に株式買い付けできると、その後の投資収益に寄与しそうですね。
経済循環つまり景気上昇や後退が予測できれば、無敵の投資家となれるはずです。
とはいえ、株価や景気循環予測はそう簡単ではありません。
景気循環を予測するのは困難なので、株価予想も…
洋の東西にかかわらず、経済学者は必死で好況・不況を予測しようとしています。
しかしながらこの予測をぴったりと、しかも継続的に的中させている人は皆無。
それがわかっているはずなのに、他人の予測に頼って投資判断をする人が多いです。
経済学者の多大な努力にもかかわらず、予測の精度は上がっていない。
さまざまな経済統計が集計されているが、経済予測の質は向上していないのである。
経済予測を生業としている学者でも、経済予測は不可能。
一般人が予測したところでそれはただの自己満足にすぎません。
よって私は経済予測は一切しない。というか出来ないという前提で投資をします。
おまけに将来株価の予測も出来ない。
個人投資家失格だな、これは。
ただし予測が出来ないから思考停止というわけにはいきません。
過去データを参照し、株価下落に備えることはできるでしょう。
株価下落・景気後退への備え方
天の時、地の利、人の和ではないが、3つ考えておきたいです。
- 攻撃力;追加投資できる現金を準備しておく。(現金比率を高くする)
- 防御力;株価下落に強い資産配分や銘柄をポートフォリオに組み込んでおく
- 精神力;投資継続できるようキャッシュフローを太くしておく
米国株オフ会参加時の出来事;暴落時には買い向かおう
米国個別株オフ会に参加した際、みなさんと誓ったことがあります。
暴落の際には参加者は全員で「買い向かおう」と一致団結。
でも買い向かうにしても、準備は必要ですね。
私は以下の点を重視します。
- 買付がすぐにできるように、手元資金を一定額は残しておく
- 二番底に備える為、暴落後すぐに資金を一括投入しない
- 長期停滞に備える為、月々のキャッシュフローをプラスにし投資余力を補充する
言うは易く行うは難し。
先立つものが無ければ、買い増しすることはできません。
ですから現金比率には気を配って投資を続けていきたいですね。
リーマンショックでも、株価上昇した銘柄がある
景気循環に対応する為には、アセットアロケーションに気を配るのが最良の手です。
他方で株式投資だけでも、株価暴落に対応することが可能だったケースがあります。
たとえばリーマンショック。
100年に1度の経済危機時でも、株価が上昇した米国株があるのです。
ジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】やマクドナルド【MCD】は有名なところ。
株価暴落に備え、こうした米国優良銘柄をポートフォリオに組み込んでおく作戦だってあるでしょう。
リセッションに負けない、安定的なキャッシュフロー
安定した収入があると、景気後退局面であっても精神的に落ち着くことができます。
たとえば以下のような収入。
- 景気に左右されない本業からの給料
- 過去何十年にもわたり増配を続けてきた、連続増配銘柄
- 住居系不動産投資による、安定した家賃収入
- 固定買取制度により保証された、太陽光の売電収入
キャッシュフローを太くすることで、投資継続がしやすくなるでしょう。
ですから株価暴落や景気後退に備える方法として、キャッシュフローの構築が挙げられるのです。
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終わりに;平時からの防災訓練は大切
市場が好調なときこそ、悪くなったときを想定しておきたいもの。
そして暴落で退場となることは避けたいです。
しかしネガティブなことばかり考えていると気分が落ち込んでしまいます。
そんなときは株式が最高の資産形成ツールであることを思いだしましょう。
これでヨシ。
あとは防災グッズを揃えておき、楽しい毎日を過ごせばよいだけです。
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