米国株式市場の暴落;リーマンショック時にS&P500は、52.6%の株価下落だった
約10年に一度の周期で、米国株式市場は暴落を繰り返してきました。
前回は2008年のリーマンショック。
世界金融危機の際には、S&P500は高値から52.6%もの下げを記録したのです。
そして直近高値に株価が戻るまでに要した期間は、5年5カ月。
長い間、投資家は冬の時代を過ごしていたといえますね。
ここで疑問が浮かびます。
リーマンショックの直前高値の際に、投資を始めたら?
以下の2パターンで、投資収益を比較した結果が公表されています。
- 100万円を毎月1.5万円ずつ積立投資をした場合
- 100万円を現金のまま持っていた場合
米国株式市場の株価がピークの時に、現金保持と積立投資を開始する場合の比較
緑線は、世界金融危機前の高値時から、S&P500に積立投資をした場合のリターン。
資産価値の最大下落率は-9.9%にとどまっています。
リーマンショック以降、世界に先駆けて米国株式市場は回復しました。
結果、高値時に積立投資を始めたとしても、2012年頃にはプラスリターンとなっています。
さらに2013年にもなれば、投資元本が2倍程度にまでなっているのです。
株価がピーク時に投資を始めたとしても、投資金額が少ない場合にはリカバリーが可能なわけですね。
米国株のように、株価が常に回復してきた市場を対象に投資をするのが前提ですけど。
いずれにせよ、米国株を中心に投資をする場合、積立投資は継続することが正解となりやすいのです。
米国株の積立投資には、家計の黒字化が大切
積立投資は、会社員に向いている投資手法。
サラリーマンは月給を稼いでいるからですね。
兼業投資家は、毎月の給料から支出を差し引いた金額を、積立投資に振り向けることが可能となります。
入金投資です。
しかし世界金融危機時に、のんびりと積立投資をしていられるか?
金融資産だけではなく、本業だって危機的状況の可能性は大。
経済危機の際には、倒産や給料削減、ボーナスカットなどのリスクが顕在化するのですから。
世界金融危機時には、上場企業であっても倒産数が増えるので要注意
日本においては、リーマン・ショック時に、上場倒産が過去最多を記録しました。
2008年9月15日、米国サブプライムローンの巨額損失で、米国投資銀行のリーマン・ ブラザーズ・ホールディングスが経営破綻したことを発端に、世界同時不況が巻き起こりました。
これが「リーマン・ショック」。
日本では、日本法人のリーマン・ブラザーズ証券が戦後の大型倒産で歴代2位の負債3兆4,314億円を抱え民事再生法を申請しました。
余波は広がり、08年の上場企業倒産は戦後最多の33件を数えました。
そして2008年の年間全国倒産は1万5,646件(前年比11.0%増)と、5年ぶりに危機ラインの1万5,000件を超えたのです。
ですから、兼業の積立投資家は、資産運用リスクだけではなく、会社員としての人生リスクだって考慮しておく必要があるわけです。
米国株価ピーク時に、100万円を積立投資開始 vs 現金保持のリターン比較から思うこと
投資で一発あててやろう、という人以外は、バランス重視が良いのだと感じます。
つまり、余裕資金で投資をするということ。
すべての資産における現金比率は、一定上を保っておきたい。
私の場合、金融資産のうち30~40%程度は、現金で持っています。
それ以外は基本的に株式ですね。
そして、びびらずに、少額ずつ米国株投資を続けていくのが良さそうです。
- リーマンショック前の株価高値時から積立投資を開始しても、リターンは得られた
- 積立投資は、米国株のように、基本的に株価が右肩上がりの市場を対象にするのが吉
- 現金比率には気を配ろう
- 経済危機時には、投資だけではなく、収入減少リスクにも対処したい
そんなわけで、引き続き私は米国株への入金投資を継続していきます。
コメント