低コストのインデックスファンドによる積立投資は、国がおすすめしている資産運用方法です。
ところがインデックス積立投資が流行っているかというと、まだまだその段階にはありません。
なぜインデックス投資が普及しないかというと、
「ゆっくりお金持ちになりたい人はいない」
から。
とはいえ国民の家計状況を鑑みると、いま資産形成をしておかないと将来大変なことになりそうです。
本記事では
なぜ、インデックス投資は広まらないのか
を考えていきます。
インデックスファンドの積立投資が普及しない理由;「ゆっくりお金持ちになりたい人はいない」から
インデックス投資が普及しない理由は、みんなが早くお金持ちになりたいと思っているから。
つまり多くの人は、インデックス投資のように長い期間をかけて資産を築いていくことを望んでいないのです。
しかし投資の神様、ウォーレン・バフェットだってすぐにお金持ちになることは難しいと説いています。
この現実を受け入れることが出来ない人が多いから、インデックス投資は普及しないのです。
「ゆっくりとお金持ちになるのはとても簡単です。
でも一気にお金持ちになるのは簡単ではありません」
つづいては、ゆっくりお金持ちになることに対し、お金、精神、身体の3つの観点から考察していきましょう。
お金持ちになれない;20年間、月3万円の積立投資を継続しても2,000万円には到達しない
少額の積立投資を始めても、お金持ちにはなれません。
たとえば20年間、月3万3千円の積立投資を続けたとしても、最終的に金融資産2,000万円の達成は困難です。
以下は、株式情報サイトモーニングスターで、投資信託の運用利回りを計算した結果。
年率8%以上の運用利回りは高すぎると、拒否されました。
このように20年という長期投資であっても、少額のインデックス積立投資ではお金持ちになれません。
投資に対する理想と、運用利回りの現実のギャップが大きすぎるのです。
だからインデックス投資が普及しにくいのでしょう。
積立投資の条件
- 初期投資額 :0円
- 毎月の投資額:3.3万円
- 運用期間 :20年間
- 目標の金額 :2,000万円
精神的に辛い;20年の積立投資のうち、12年間は評価損を抱える覚悟が必要
インデックス積立投資は精神力を必要とします。
投資を始めても、マイナスリターンとなる頻度が高いからです。
たとえば1998年から世界株式に20年間の積立投資をしたとしましょう。
もちろん積立投資開始の20年後には利益が出ています。
しかし20年という積立期間のうち、60%の時間はマイナスリターンであったのです。
これがインデックス積立投資の現実。
忍耐力が必要であることは、インデックス投資が普及しない理由のひとつとなります。
1998年1月に世界の主なインデックスに積立投資した場合のマイナスリターン時期
- 1998年~2004年(7年間)
- 2008年~2012年(5年間)
参考:つみたてNISAを始める前に知っておきたい、「20年間、世界株式へ積立投資をしたときのリターン」
年齢だけは確実に重なっていく;複利を効かせて長期投資をしたら、いつのまにか老人になっていた
インデックス投資で運用目標を達成したとき、投資家はすでに年老いています。
20歳で積立投資を始めたとしても、20年経過したら40歳、不惑です。
もっと早く資産形成したいですよね。
もちろん20年程度の運用期間をとればマイナスリターンとなる確率が極めて低くなることは理解できます。
しかし確実なのは、投資家自身の加齢。
運用期間と同じ分だけ、年齢が重なっていくのです。
加齢という残酷な現実は、インデックス投資普及の妨げとなり得ます。
インデックス投資による長期・分散・積立は、資産運用の王道
米国市場を対象にした研究によれば、過去200年の長期で最も資産価値が上昇するのは株だと証明されています。
そして貯金ではインフレ負けしておりマイナスリターンに沈んでいます。
ですからインデックスファンドによって株式投資をすることは、資産形成への理に適っているわけです。
インデックス投資は、ちょっとずつ資産形成をする方法
インデックス投資が流行らない理由は、ゆっくりお金持ちになりたい人がいないからです。
しかしながらそもそもインデックス投資とは、ちょっとずつ資産形成をする方法。
この前提条件を多くの人に知ってもらう事が、インデックス投資が広がるきっかけとなるはずです。
そしてインデックス投資が広まった際には、若いうちから積立投資をしている人が投資の成功者と言われていることでしょう。
インデックス投資が流行るためには、ゆっくりとお金持ちになった投資家が羨ましがられる必要がある
インデックス投資によってゆっくりとお金持ちになった人が多く出てくれば、インデックス投資の普及に繋がるでしょう。
- 2017年以前からインデックス積立投資をしている先達
- 2018年以降、つみたてNISAを始めた個人投資家
こうした人たちが、インデックス投資の未来を担っているのですね。
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