リスクに対する投資家の姿勢のサイクル
ハワード・マークス著「市場サイクルを極める 勝率を高める王道の投資哲学」では、投資家の心理サイクルについて以下のような記述がみられる。
投資家がリスクは低いと感じている時
- 実際のリスクは高い
そしてリスクが最大になっているとき、
- リスクに対するリターンは最も小さい
こうした考察は、頭で分かっていても行動に繋がりにくい。
お金が絡むと、心理的には不安になりやすいのであろう。
だから事前の計画通りに行動できる投資家は少ない。
とくに株式投資では、資産評価額がリアルタイムで把握できるのでその影響は大きい。
なので日頃から自分と市場の心理状態を意識して確認しておくとよい。
株式市場における投資家の心理サイクル
投資家の心理状態を、分かりやすく分解した報告は多い。
株価サイクルと投資家心理
たとえば世界四季報さんのブログから引用すると、投資家心理サイクルは以下の通り。
- 楽観
- 興奮
- スリル
- 陶酔
- 最高の買いチャンス
- 心配
- 現状の否定
- 恐怖
- 自暴自棄
- パニック
- 降伏
- 落胆
- 鬱的な状態
- 希望
- 安心
- 楽観
陶酔のフェーズは終わり、いまはどの心理サイクルなのか?
上は、投資家の心理サイクルを、分かりやすく図にされたもの。
皆がパニック売り、そして落胆しきっている時が、株式の買いの最大のチャンスとなる。
こうした落胆フェーズで、買い向かえる投資家が将来大きなリターンを得られる。
しかしながら、そんな投資家は多くはない。
そしていまどのフェーズなのか把握できるのは、しばらく時間が経過した後となる。
個人投資家としては、
- 底値拾いの成功確率は低い
- 底値で売ってしまう可能性がある
と、認識しておくと良さそうだ。
株式投資家の心理サイクルを知ってどうするか?
まずは、自分自身の心理状態を把握したい。
その後に、株式市場ではどの心理サイクルなのかを眺めてみたい。
孫子の言葉、「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」を思い出す。
そうした中で
- 買う
- 売る
- 何もしない
の中から、どの投資行動を選択するのか考えていきたい。
理想かもしれないが、まずはトライしてみよう。
株式投資は、市場だけではなく自分と向き合うよい機会なのだから。
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