インデックス投資の利回りにみる、平均値の罠と長期運用の重要性

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投資信託の長期運用利回りは、幾何平均で示されるので要注意

投資信託によるインデックス投資の平均利回りは、幾何平均で表現されるので要注意。

幾何平均は、再投資を前提とした複利を計算します。

つまり、年率〇〇%という利回り。

 

幾何平均の積み重ねが過去の実際のパフォーマンスと一致するのですね。

一般的な平均値である算術平均とは異なるので注意が必要です。

とくに長期運用をするインデックス積立投資の場合には。

 

株式のインデックス投資では、期待利回りや平均利回りが7%前後とされてきました。

これは米国株の実質リターンです。

 

簡単に言ってしまえば

  • 実質リターン = 名目リターン – インフレ率

米国株のインフレを考慮した利回りが、年率平均7%程度だったわけです。

幾何平均ですね。

 

この幾何平均利回りというのは、個人投資家が感じる平均利回りとギャップがあると思います。

ということでここからは、米国株インデックス投資を例に、平均値について考察していきましょう。

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インデックス投資の代表、米国株S&P500の利回りは年平均10%

インデックス投資の利回り

S&P500の年次リターン、引用:Microtrends

S&P500は米国株のみならず世界を代表する株価指数(インデックス)です。

ではS&P500に連動するインデックスファンドに投資をしたらリターンは何%か?

 

答えは

10%

 

これは、1926年~2017年までの名目リターン。

インフレ率を考慮せず、幾何平均を用いた平均利回りを計算しています。

米国株インデックス投資の平均リターンは年10%だったのです。

 

ところがインデックス投資の利回りが10%前後に収まった年は多くありません。

ですからインデックス投資の平均利回りを見る際には注意を要するのです。

少し掘り下げてみていきます。

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インデックス投資の平均利回りは標準的ではない

申年生まれ

申年生まれ

1926年~2017年の92年間で、S&P500の年次リターンが10%前後(±2%)に収まったのはわずか6回でした。

 

つまり、

12年に1回のみ

という計算になります。

 

だいたい平均利回りくらいのリターンを得られるのは、干支が一周しないとやってこないのです。

 

インデックス投資の平均利回りをみて、「毎年この程度のリターンが得られる」と計算するのはちょっと待った方が良いですね。

エクセルなんかでシミレーションするのは面白いのですけどね。

平均値の罠といってもいいのではないでしょうか。

 

統計に強い投資家ならば納得できるかもしれません。

しかし個人投資家はその数値を感覚的に理解するのは難しいと思います。

私は実際のデータを見ないと納得できません。

 

ということでS&P500の年次利回りを確認してみました。

米国株価指数のランキング、西暦別のS&P500トータルリターン

1926年~2017年までのS&P500トータルリターンを以下に記載します。

年次利回りを上位からランキング形式にしてみました。

西暦トータルリターン(%)
1933年53.99
1954年52.62
1935年47.67
1928年43.61
1958年43.36
1995年37.58
1927年37.49
1975年37.2
1945年36.44
1936年33.92
1997年33.36
1980年32.42
2013年32.39
1985年31.73
1950年31.71
1989年31.69
1955年31.56
1938年31.12
1991年30.47
2003年28.68
1998年28.58
1961年26.89
2009年26.46
1943年25.9
1951年24.02
1967年23.98
1976年23.84
1996年22.96
1963年22.8
1983年22.56
2017年21.83
1982年21.55
1999年21.04
1942年20.34
1944年19.75
1972年18.98
1949年18.79
1986年18.67
1979年18.44
1952年18.37
1988年16.61
1964年16.48
2012年16
2006年15.79
2010年15.06
1971年14.31
2014年13.69
1965年12.45
2016年11.96
1959年11.96
1926年11.62
1968年11.06
2004年10.88
1993年10.08
1992年7.62
1978年6.56
1956年6.56
1984年6.27
1947年5.71
1948年5.5
2007年5.49
1987年5.25
2005年4.91
1970年4.01
2011年2.11
2015年1.38
1994年1.32
1960年0.47
1939年-0.41
1953年-0.99
1934年-1.44
1990年-3.1
1981年-4.91
1977年-7.18
1946年-8.07
1932年-8.19
1929年-8.42
1969年-8.5
1962年-8.73
2000年-9.1
1940年-9.78
1966年-10.06
1957年-10.78
1941年-11.59
2001年-11.89
1973年-14.66
2002年-22.1
1930年-24.9
1974年-26.47
1937年-35.03
2008年-37
1931年-43.34

 

やはりインデックス投資の年次平均利回りは、標準的ではありません。

92年間のうち、平均値±2%の利回りとなっていたのはわずか6回だけしかなかったのですから。

 

ほぼ毎年、平均利回りを得られると思ったら大間違い。

 

平均利回りとか期待利回りを前提に、長期運用リターンを計算することは多いです。

とくに長期・分散・積立投資をするような場合には。

でもこうしたインデックス投資の利回りを皮算用する際には、要注意。

 

平均利回りを連続して得られることは、ほぼないのですから。

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インデックス投資:平均利回りの罠に気をつけて長期投資を心掛ける

年次利回りの平均値は、あくまで平均であって標準的な数値ではありません。

そして年次リターンの数値は、大きくバラついているように見えます。

それでも最終的には平均利回りに落ち着くのです。

 

つまり長期投資をした結果が、平均利回りの数値ということ。

換言すれば、短い運用期間では期待利回りに収束しないことの方が多いのです。

 

投資家には当たり前のことかもしれません。

でもそれは数値的な意味で。

精神的に受け入れるには時間がかかるのではないでしょうか。

 

いずれにせよ、インデックス投資をする際には、1年・2年程度の年次利回りで考えない方が良いです。

 

もしあなたがインデックス投資をしていて、期待リターンが得られていないなら、S&P500の過去利回りをチェックしてみると良いでしょう。

 

  • 1年1年の利回りにはバラつきがあった
  • 長期運用をしてこその、平均・期待利回りであった
  • 米国株インデックスは基本的に右肩上がりであった

 

そして長期投資へと心を奮い立たせるのです。

長い目でみれば、米国株インデックス投資は利益を提供してくれるはずなのですから。

 

米国株インデックスのS&P500では

  • 1926年~2017年の92年間の平均利回りは10%だった
  • 他方で年次リターンが10% ±2%に収まったのはわずか6回だけ
  • 平均利回りが毎年続くわけではないので要注意

 

いや~、なんだか今日も勉強になった気がします。

以上、「インデックス投資の利回りにみる、平均値の罠と長期運用の重要性」でした。

 

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