米国株投資では、ヘルスケアセクターに注目したい
米国株のヘルスケアセクターは、以下の理由から注目している。
- 過去リターンが良好であった
- 医薬品市場の堅調な伸びが予測されている
- 私自身がヘルスケアセクターで勤務しており、業界動向を理解しやすい
とくに薬剤開発。
米国市場を抜きには語れない。
なので米国株投資をしつつ、ヘルスケアセクターの動向を注視している。
2018年に開始された薬剤開発治験数(Phase1-3)
- 1位、米国;2,945
- 2位、中国;1,969
- 6位、日本; 562
製薬各社は、どの疾患に注力しているのかランキング;第一位はオンコロジー
抗悪性腫瘍剤の医薬品開発が花盛り。
製薬大手は、オンコロジーに注力しているのだ。
2018年に開始された治験数をみても一目瞭然。
人類がまだ克服しきれていない疾患領域だからであろう。
いわゆるアンメット・メディカル・ニーズが大きい、というやつだ。
画期的新薬として、メルクのキイトルーダ、ブリストル・小野薬品のオプジーボなどが記憶に新しい。
今後も革新的な医薬品で、人類の健康に寄与してくれるだろう。
なのでオンコロジー領域における新薬開発動向を注視したい。
個人的には、米国株投資はもちろん、キャリアにも生かせる情報なので一石二鳥。
ということで本記事では、
- 企業別の医薬品開発数ランキング
- 疾患領域別の治験数
を比較してみた。
データは、Trialtroveを参照している。
2018年に開始された医薬品開発・治験数ランキング~企業別編~
2018年の治験開始数ランキングでは、アストラゼネカがNo.1であった。
英国の医薬品企業である。
つぎに、ブリストル・マイヤーズスクイブ、メルク、ロシュが続く。
ベスト20内に日本企業は1銘柄のみ。
武田薬品工業がランクインしていた。
多くの日系製薬会社は、ニッチ戦略をとらざるを得ないと思われる。
つづいては、疾患領域別の開発治験数ランキングを確認しておこう。
オンコロジー領域(悪性腫瘍)
いわゆるオンコロジー領域の老舗企業が並ぶ。
異色なのはメルク【MRK】
かつてのメルクは、抗悪性腫瘍剤への参入は見られなかったからだ。
とはいえいまや大ヒット商品であるキイトルーダを擁している。
メルクだってオンコロジー領域に参入したのだ。
医薬品開発の潮流が10年単位で大きく変わることを感じさせられる。
なので次の10年にも注視し続けたい。
CNS領域(中枢神経系疾患)
自己免疫疾患
代謝・内分泌系
感染症
循環器疾患
ヘルスケアセクター投資の注意点;医薬品開発の低成功確率を鑑みると、米国株ETFの選択が安心できる
本記事では、臨床試験数を比較した。
より多くの治験を実施すれば、より多くの新薬を上市できると思われる。
ただし医薬品開発の成功確率は低い事を忘れてはならない。
そう考えると、セクターETFというのはよくできた投資商品だと思う。
医薬品開発の成功確率は低い
- リード化合物→承認申請 2.5万分の1
- 臨床試験 → 承認申請 5分の2
米国株ヘルスケアセクターETF
以下のような場合を除いて、ヘルスケアセクター投資ではETF活用が便利である。
- バイオベンチャーへの投資で、高リターンを狙う
- 高配当株投資で、インカム投資を狙う
- 安定銘柄への投資で、低β投資を狙う
米国株のヘルスケアセクター投資では、ETFの選択を視野に入れつつ、個別株に少しだけチャレンジしてみるのが良さそうだ。
そんなことを、医薬品開発数の銘柄別ランキング2018年をみて感じた。
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