自宅は投資の対象として考えていいのでしょうか?
持ち家は資産と捉えていいのかどうかという疑問。
たとえば投資の先進国であるアメリカでは、
持ち家は資産として有利な投資対象
と回答する家計が8割を超えています。
つまり自宅であろうと資産形成の手段のひとつとして考えているのです。
米国人の持ち家に対する価値観が垣間見えます。
一方で米国の投資本「敗者のゲーム」では異なった解釈をしています。
「住宅は投資対象としてはいけない」としているのです。
敗者のゲームが説く、持ち家とは?
- 家族と生活する場所
- それ以上のものではない
- 金融的な意味で優良な投資対象とはいえない
- 家族の幸福のための投資としては意味がある
持ち家・自宅は資産であり投資対象、が米国流
上表は2008年に実施された「家の価値観」の日米比較です。
自宅・持ち家は資産として有利な投資対象であると回答した家計の割合は
- 米国:8割強
- 日本:4割に満たない
持ち家を資産と考えるのは日米ともに一般的。
さらに米国では自宅を投資対象としてみていることがわかりました。
持ち家とはいえ、お金を使うのですから投資だと認識することは理解できます。
「自宅や持ち家・土地は、預貯金や株式より不利な資産」は日本流
上図は日本における「土地は預貯金や株式などに比べて有利な資産か?」への回答推移です。
- そうは思わない
と回答している割合が最多。
つまり日本では持ち家や土地などは、預貯金・株式より不利な資産だと考えられているといえます。
自宅を資産と考えたり、持ち家を投資対象としてみることは稀という事。
逆にいえば、現金主義、預貯金第一というのが日本の家計といえます。
実際のところ日本の家計では、現金・預貯金比率が高いのですから当然です。
自宅・持ち家・土地よりも、現金・預貯金が多いのが日本の家計
日本の家計における資産残高推移をみると、2007年前後から現金・預貯金が最多となっています。
また土地の評価額がバブル経済時期から綺麗な右肩下がり。
地価があがっていないことが推測できます。
日本において、不動産など実物資産への投資が玄人向けであると言われる理由が垣間見えました。
自宅・持ち家も、不動産投資の一環となる日がくる
日本でも、自宅は投資対象として考えられる日が来ると思います。
金融教育がすすんだ米国では、すでに持ち家は資産形成の手段とされているからです。
日本もいずれ米国同様となるでしょう。
もし持ち家を投資の一環とみなし、資産配分比率に加えるととうなるでしょうか?
かなり日本に偏ったアセットアロケーションになっているかもしれません。
そうなると、日本在住の個人投資家のアセットアロケーションは変わってきそうですね。
いずれにせよ、金融先進国の米国では
- 持ち家は、資産
- 自宅は、投資対象で資産形成の手段
こういった考え方が一般的なようです。
ですから日本でも自宅を購入する際には、投資家目線で選ぶのもよいでしょう。
ただし投資本の記載では、「自宅はベストな投資先ではない」とすることが多いことも合わせて覚えておきたいですね。
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コメント
はちどうきゅうどうさま
いつもブログで勉強させてもらっています、面白い記事をありがとうございます。
持ち家の資産として考えるかはとても大事なことだと思います。アメリカでは不動産の価値が下がりにくいことが投資に関する考え方の違いかもしれませんね、日本は家の価値が0になりますから、家族の思い出というプライスレスなものにも日本人は敏感な気がしますね。自分の意見を長々とすいません、とても共感したのでコメントを残させていただきました。
Simpleheroさん、
コメントありがとうございます。
自宅を”家族との思い出”や”プライスレス”のように捉えることが多いのが日本なのかもしれませんね。
そういった中、大きな買い物である自宅を”資産”として考えるのかどうかは、とても大切な視点だと思った次第です。