PM,フィリップモリスとはアメリカのたばこ企業である。
たばこ業界ランキングでは2位。
2008年にフィリップスPMはスピンオフ・分社化した。
- アメリカを市場とするタバコ会社:アルトリアグループ MO
- アメリカ以外を市場とするメーカー:フィリップモリス PM
本記事は米国株高配当銘柄シリーズの一環である。銘柄分析とまではいかないのだがおすすめアメリカ株のひとつ、PM ,フィリップモリスの企業紹介をしたい。
フィリップモリス PMとは世界最大級のタバコ会社
上図はタバコ業界の企業別シェアを示している。
中国の国営企業を除けば、タバコセクターでは世界最大の銘柄といえる。
そしてPMとは、株価上昇+配当金におけるトータルリターンが20世紀後半で最高の銘柄。つまりシーゲル銘柄No.1であるのだ。
フィリップモリス PMは世界中でたばこを売っている
PMはアルトリアグループの米国外事業が分離した会社である。つまりアメリカでの売上は無い。したがって国別の売上高を確認しておきたい。
- アジア:32%
- ヨーロッパ連合:31%
- EEMA(東欧・中東・アフリカ):26%
- ラテンアメリカ・カナダ:11%
フィリップモリス PMのメイン市場:たばこの販売数量は減少している
PMは株価も配当金も右肩上がりである。ところがタバコセクター自体はそうではない。煙草の売上本数の世界市場は減少しているのだ。
フィリップモリスは中国を除けば世界最大のタバコ企業。市場が減少すればPMへの影響は大きい。
2017年2Qで、対前年同期比をボリュームベースでみると大きく下がっているのが分かる。
- PMI全体:-5%
- 欧州連合:-0.6%
- 東欧・中東・アフリカ:-5.4%
- ラテンアメリカ・カナダ:+1.4%
- アジア:-9.8%
フィリップモリス PMの電子タバコ・加熱式タバコ売上は伸びている
RRP(Reduced-Risk Product)とは、リスクを低減する可能性のある製品を示す。
電子タバコ、加熱式タバコ、eペイバーなどを総合した言葉である。
この電子タバコなどの売上高は順調に伸びているのだ。
フィリップモリスの将来を占ううえでは重要な製品群だとわかる。
尚、PMの主要製品は世界一のマルボロを筆頭に、日本でもお馴染みな商品ばかり。
- マルボロ(正式名:マールボロ)
- ラーク
- パーラメント
- バージニア・スリム
フィリップモリス PMのiQOS(アイコス)ヒートスティックは日本で売れている
PMの電子タバコ、iQOS(アイコス)は日本で売れまくっている。
2017年2Qの決算をみると
- アイコスは37%の販売数量アップ(vs 2017年1Q)
- 日本市場全体は3.2%のボリュームダウン
- PMは新たにヒートスティック2製品を拡大
フィリップモリスの決算で、日本が話題になる理由がここにある。
フィリップモリス PMの株価指標
2017年9月21日 | |
ティッカー | PM |
株価 | 112.44 |
PER | 24.90 |
EPS | 4.51 |
配当 | 3.81% |
配当性向 | 92.0% |
配当月 | 1/4/7//10月 |
増配年 | 9年 |
増配率(5年) | 8.8% |
増配率(10年) | N/A |
β | 0.94 |
PMの歴史を振り返れば、分社化前にも連続増配をしていた。つまりMOの48年連続増配と同様に扱ってよいだろう。
いま現在は株価が上がりすぎている。配当利回り3%を超えている高配当株ではあるが、新規購入には勇気がいる株価水準だと感じる。
直近10か月のPMの株価チャートはこちら。
フィリップモリス PMの売上高と利益率
フィリップモリスの事業は米国外で展開している。しかしながら決算はドル建てで行う。つまり為替リスクをもろに受ける銘柄なのだ。
PMの売上をドルベースでみると、横ばいか直近ではやや減少しているように見える。
フィリップモリス PMのキャッシュフロー
タバコセクターの大手メーカーは、どの銘柄も潤沢なキャッシュフローを堅持している。
ザ・ディフェンシブ株である。
フィリップモリス PMの配当金状況
フィリップモリスは2008年の分社化以降、毎年増配をしている。オレンジ色の配当金推移をみると綺麗なチャートを描いている。
一方で青色のEPSをみると、配当金ほどの伸び率はない。
したがってグレーの配当性向がぐんぐんと上昇している。
フィリップモリス PMへ投資する際のリスク
PM(フィリップ)へ投資する際にはまず為替リスクを鑑みる必要がある。基本通貨はユーロであるが、ドル建てで決算をするのがフィリップモリスである。このギャップは埋めがたい。
米国外で事業展開しているとうことは、訴訟大国アメリカで商売をしていないことになる。訴訟リスクは他タバコ企業と比較して低いだろう。
規制に守られ、価格も維持どころか引き上げることが可能なPM。ワイドモートの典型といっていいと思う。あとはボリュームベースでの市場縮小リスクをどう見るのか。
フィリップモリス PMに対する私見
フィリップモリス PMとは、投資するのに多くのメリットを有する。
- ディフェンシブな生活必需品セクター
- 超大手で安定したキャッシュフロー
- 連続増配銘柄
- 高配当利回り
- シーゲル銘柄
- 配当への外国源泉徴収税がかからない
ジェレミー・シーゲル教授の研究により、フィリップモリスが20世紀後半における最高リターン株であったことは有名だ。
しかしいまのPM株価はやや割高にみえる。
とはいえ株価上昇+配当金が狙える超おすすめ米国株であるでしょう。
以上、フィリップモリスの紹介でした。
著者はPM株を保有しています。この記事は自分自身の備忘録として記述したもので、読者に株のPM投資を推奨することを目的として書いていません。投資判断はご自身で行ってください。
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