投資信託で配当金の税金を回避;課税繰り延べ効果はメリットになるのか?
分配金有の投資信託に比べて、無配ファンドは、配当金への課税繰り延べ効果を期待できるのでしょうか。
資産形成をする上で、配当金への税金は、実はそれほど大きな問題にはならない。
私は、そう思います。
個人投資家で、配当金にかかる税金を気にするほど大きな金額を運用している人は少ないでしょうから。
だから有配・無配とか課税繰り延べとか考える前に、収入増の方法やアセットアロケーションの見直しをした方が、資産形成につながりますよね。
そんなわけで本記事では、無配の投資信託による課税繰り延べ効果について検討していきます。
- 配当金なし;課税繰り延べが出来るので、資産形成に有利
- 配当金あり;定期的に利益確定ができ、現金の使い道を広く持てる
配当金投資のメリットについて考えてみた記事↓
投資信託とETFで、配当金への課税繰り延べ効果を比較してみた
VYMと楽天VYMのシミュレーション条件
以下の条件で、5年・10年・20年と毎月4万円の積立投資をした場合を想定しました。
対象商品
- VYM(米国高配当株式ETF)
- 楽天VYM(楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド)
想定利回り
- VYM ;年率6%(値上がり益3%+配当金3%)
- 楽天VYM;年率6%(値上がり益6%)
課税後の想定リターン
- VYM ;年率5.388%
- 楽天VYM;年率6%
課税の前提
- VYM ;配当金に20%の税金、配当再投資に0.5%の取引手数料
- 楽天VYM;税金なし=課税繰り延べ効果MAX
投資信託の無配銘柄と、ETFの有配銘柄をシミュレーションで比べた
楽天証券の「積立かんたんシミュレーション」で比べてみました。
無配 | 有配 | |
5年 | 279万 | 275万 |
10年 | 656万 | 634万 |
20年 | 1,848万 | 1,720万 |
配当金への課税繰り延べ効果が、それほど大きなインパクトは無いと感じませんか?
ちなみに外国での課税は無視しています。
投資信託への外国税額がどうなっているのか、よくわかりませんからね。
もちろん20年の長期運用をすれば、配当金への税金の影響が大きくなります。
簡単にいえば、年率5.388% vs 6%の複利効果を比べているだけですからね。
複利なので運用期間が長ければ長いだけ、配当金への課税繰延メリットが目立ってきます。
でも20年間も積立投資を続けられるでしょうか。
いまから20年前。
ノストラダムスの大予言が当たるか、外れるかとかそんな話題があった時代ですよ。
遠い過去のこと。
そんな世紀末の頃から、一貫した投資を継続できている人はかなりレアキャラではないでしょうか。
もちろん配当金への課税繰り延べ効果は大事です。
資産運用に、税金支払いは敵ですからね。
でもそれ以前に、収入を増やすための努力や、アセットアロケーションの適正化を検討した方が良いと思うわけです。
課税繰り延べ効果なんて気にせず、配当金が好きなら受け取って良い
個人投資家レベルの運用額や期間では、課税繰り延べ効果を意識して投資をすることの優先順位は高くありません。
課税の有無で悩む前に、まずはそれ以外の要素で運用方針を決めた方が良いですね。
目的や価値観を踏まえて、投資の意思決定をしたいということです。
ということで、私は配当金を受け取りながら米国株投資を続けていきたいと思います。
配当金が好きですから。
定期的にチャリンチャリンとキャッシュフローがある状態って、心地が良いものですよ。
以上、「投資信託とETFの比較!配当金の課税繰り延べ効果とは?」でした。
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