三菱UFJ国際投信(eMAXIS slim)は、バンガード社になり得ないと思う
三菱UFJ国際投信は、eMAXIS slim(イーマクシス スリム)をもって日本のバンガードとなれるのであろうか?
私は難しいと思う。
- 規模と信頼性が違い過ぎる
- 三菱UFJ国際投信は、低コストを第一としていない
- eMAXIS slimの実績が足りない
ひとつずつ、その理由をみていこう。
eMAXIS slimとバンガードの比較;規模と信頼感の違いは大きい
預かり資産額の比較; 三菱UFJ vs バンガードの違いは歴然
三菱UFJファイナンシャルグループ全体の預かり資産額は、バンガード社には遠く及ばない。
更に小さなeMAXIS slimの運用資産額を、バンバード社インデックスファンドと比較してみたら、その差は歴然であろう。
運用規模は桁違いであるのだ。
インデックス投資において、高い運用額や流動性は信頼感につながる。
数は力ではないが、運用総額が大きいファンドの方が安心して投資できる。
運用規模の違いをみたら、三菱UFJ国際投信がeMAXIS slimをもってして、日本のバンガード社となれるかどうか疑問が浮かぶのではなかろうか。
社員数の比較;三菱UFJ国際投信 vs バンガードは、2ケタの違いがある
三菱UFJ国際投信とバンガード社の社員数は、桁違いどころか2桁も差がある。
その差は縮まるどころかひろがるばかりである。
三菱UFJ国際投信は、低コストや長期投資を第一としているわけではない
三菱UFJ国際投信は、ミッションやビジョンにおいて低コストや長期投資を前面に出していない。
つまりeMAXIS slimシリーズ以外では、信託報酬が安くはない商品があるのだと推測できる。
三菱UFJ国際投信とバンガードが異なることは明白だ。
インデックス投資家は、バンガード社のミッションやビジョンを好む人が多い。
そこには、低コスト・長期投資といったキーワードが前提となっている。
ところがeMAXISを要する三菱UFJ国際投信の経営ビジョンには、そういった言葉は見られない。
三菱UFJ国際投信がバンガードを目指すならば、ミッションやビジョンを変更しないと対外的につじつまが合わなくなる。
もし本当に日本のバンガードを目指すなら、全社一丸となるくらいの覚悟を示してほしい。
インデックス投資家にとってバンガード社とは、それほどまでに別格な存在であるのだと思う。
念のために三菱UFJ国際投信のブランドステートメントと、バンガードのミッションを以下に転記しておく。
三菱UFJ国際投信のブランドステートメント
「ともに、その先へ」
バンガードの使命
「すべての投資家の皆さまと公平に向き合い、
投資目標達成のための最良の機会をご提供します。」
バンガード社の商品一覧にはコストが記載されているが、三菱UFJ国際投信サイトには書かれていない
低コストインデックスをおすすめしているバンガードは、自社商品一覧の中で経費率を明示している。
換言すれば、バンガードがもつ全ての投資商品が低コストなのだ。
一方の三菱UFJ国際投信サイトにある商品一覧では、信託報酬などのコストは記載されていない。
全ての商品のコストを見やすく開示することを躊躇う理由があるのであろう。
つまり、高コスト商品が紛れているのだ。
とはいえeMAXIS slimは低コストを前面にだしている。
このギャップは埋められるのであろうか。
このように企業ホームページにおいても、低コストファンドへの取り組み方の違いがみられる。
だから三菱UFJ国際投信は、バンガードになろうなんて対外的には言わない方がよいと思う。
三菱UFJ国際投信に占めるeMAXIS slimの割合が限定的
三菱UFJ国際投信において、eMAXIS slimが占める割合は極めて低い。
三菱UFJ国際投信は700以上のファンドを持つが、eMAXIS slimシリーズは純資産額のトップ25にもランクインしていないのだ。
もちろん今後eMAXIS slimの比率は拡大していくであろう。
しかしeMAXIS slimが三菱UFJ国際投信の中心となる日はいつになるのかは分からないし、三菱UFJ国際投信自身が本当にそれを望んでいるのかも定かではない。
やはり三菱UFJ国際投信やeMAXIS slimが、日本のバンガード社となる日は来ないのではないかと思う。
三菱UFJ国際投信(eMAXIS slim)は、バンガード社にはなれないが、つみたてNISAを通じて日本人投資家の為にはなると思う
三菱UFJ国際投信(eMAXIS slim)は、バンガード社にはなり得ないであろうと思う。
- 規模と信頼性が違い過ぎる
- 三菱UFJ国際投信は、低コストを第一としていない
- eMAXIS slimの実績が足りない
とはいえ現時点において、eMAXIS slimシリーズが投資信託の中では優良商品であることは疑いようがない。
投資環境を見渡せば、2018年から非課税口座であるつみたてNISAが設定されている。
したがい投資信託にとっては、追い風となるビジネス環境といえる。
競合のインデックス投資信託をみても、eMAXIS slimシリーズの優位性が見られる。
すなわち
- 運用会社の規模で引けを取らず
- 低コストの最前線をいっており
- よって資金流入が大きい傾向がある
したがい、eMAXIS slimは長期、積立・分散投資に適した商品だ。
つみたてNISAは国民に資産形成の自助努力を促し、株式投資を普及させることを目的としている。
三菱UFJ国際投信によるeMAXIS slimシリーズは、間違いなくその一翼を担うファンドであろう。
だから三菱UFJ国際投信やeMAXIS slimシリーズは、日本のバンガードにならなくたっていい。
むしろ10年、20年以上にわたり、eMAXIS slimが日本人投資家の資産形成へのサポートとなり続けることに期待したい。
以上、「インデックス投資家が知っておくべきバンガード社と三菱UFJ国際投信(eMAXIS slim)の違い」でした。
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