米国個別株に興味を持ち始めると、コルゲート・パルモリーブ【CL】の名前をよく聞く。
日本ではほとんど知られていないが、シーゲル銘柄かつ配当王なのだ。
つまり類まれなる歴史を有し、運用リターンも優れている株主思いの企業である。
この企業を知っているとすれば、あなたは米国株投資家に違いない。
そういえば投資歴26年のエルさん、【CL】を買いたいって言っていたな。
銘柄分析はプロに任せる。
私はコルゲート・パルモリーブ【CL】がどのような会社か、概要を記録する。
コルゲート・パルモリーブ【CL】とは
コルゲート・パルモリーブは世界的に展開する米国消費財メーカー。事業は2部門で構成。
口腔・パーソナル・家庭用品部門は歯磨き粉「コルゲート」、歯ブラシ、石鹸、シャンプー・リンス、制汗剤、脱毛製品のほか、洗濯洗剤、食器用洗剤、衣類柔軟剤、漂白剤などを製造.
ペット栄養部門は「ヒルズ・サイエンス・ダイエット」ペットフードなどを提供。
日本での知名度は低い。
ところが世界の歯磨き粉市場のシェアトップを誇る、超メジャー企業なのである。
オーラルケアが事業全体の47%を占めている。
その多くが歯磨き粉。
そんな訳で、歯磨き粉市場とコルゲート・パルモリーブ【CL】について一緒に学んでいきましょう。
世界の歯磨き粉市場は右肩上がり
データソースはすべてGlobal industry analysisから。
- 現在はヨーロッパが最大のマーケットである
- 歯磨き粉市場は大きくなっている
- 2020年迄に140億ドルに達すると見込まれている
- 今後の成長率はアジア・太平洋地域が最速で年率3.7%の伸長が予想されている
歯磨き粉は生活必需品だ。
歯磨き粉の代替品が作成される革新的出来事の発生は否定できない。
しかしその可能性は低い。
人口が増える続ける限り、市場は大きくなるだろう。
国別歯磨き粉市場 (グラムベース)はブラジルがトップ
2014年時点での市場上位5か国は、以下の通り。
- ブラジル
- アメリカ
- 中国
- ウルグアイ
- マレーシア
日本もそれなりの市場規模ではあるが、韓国よりも小さくタイと同程度。
歯磨き粉市場を席捲するためには、日本をターゲットにしなくても成り立つ。
それゆえにコルゲート・パルモリーブ【CL】はわざわざ日本に進出しないのかもしれない。
CLの競合他社は、ユニリーバ・GSK・P&G
歯磨き粉マーケットには複数の企業が参入している。
だがその市場はトップ4企業で多くを占められている。
- ユニリーバ 【UL】
- グラクソスミスクライン【GSK】
- プロクター・アンド・ギャンブル【PG】
- コルゲート・パルモリーブ【CL】
【GSK】は医薬品メーカーとして知られている。
ところが薬だけではなく、アクアフレッシュ等のオーラルケア商品も有しているのだ。
コルゲートは、歯磨き粉世界市場シェアランキングトップ
ここからは、ホームページより引用。
コルゲートのブラジル歯磨き粉シェアはNo.1
- 現在、歯磨き粉の最大市場国はブラジル
- 2016年時点でブラジルにおける【CL】のシェアは、72.9%
コルゲート・パルモリーブ【CL】はブラジルにおいて絶対安定シェアを獲得している。
他社のつけいる隙がない。
逆にブラジルではこれ以上の伸びは期待しにくい。
ブラジルでの市場シェアを保ちつつ、他国へのマーケティングを強めると推測できる。
コルゲート・パルモリーブ【CL】の指標
2017年4月18日 | CL |
株価 | 74.07 |
PER | 27.26 |
EPS | 2.72 |
配当 | 2.2% |
配当性向 | 58.8% |
増配年 | 54年 |
増配率(5年) | 6.4% |
増配率(10年) | 9.5% |
β | 0.75 |
直近5年配当利回り
最低 1.98%(2014年7月14日)
最高 2.45%(2015年8月25日)
平均 2.18%
連続増配54年であり、19銘柄のみに許された配当王の称号を獲得している。
また配当性向58%と、増配余力を残している。
しかしながら配当利回り2.2%となっており、決して高配当銘柄ではない。
尚、配当を買付の指標として用いるならば、利回り2.3~2.4%程度になった際に購入したい。
参考 配当王の19銘柄
コルゲート・パルモリーブ【CL】の過去
CLとはシーゲルランキング第4位のトータルリターン良好銘柄
1957年~2012年におけるトータルリターンランキング第4位である。
年率14.64%の成績をたたき出している。
おまけに生活必需品セクター所属だ。
つまりリターンを狙える攻撃力を有しつつ、下落にも強い鉄壁のディフェンス力を兼ね備えた稀有な銘柄である。
参考 シーゲル銘柄リスト
CLは配当王で50年以上の連続増配の歴史をもつ
プレゼン資料でも配当の支払い状況を示している。
綺麗な右肩上がり。
典型的なアメリカ配当成長銘柄だ。
直近10年の配当/株を見ると以下の通り。
年代 | 配当 | 増配率 |
2007年 | 0.7 | |
2008年 | 0.78 | 11.4% |
2009年 | 0.86 | 10.3% |
2010年 | 1.02 | 18.6% |
2011年 | 1.14 | 11.8% |
2012年 | 1.22 | 7.0% |
2013年 | 1.33 | 9.0% |
2014年 | 1.42 | 6.8% |
2015年 | 1.5 | 5.6% |
2016年 | 1.55 | 3.3% |
2017年 | 1.6 | 3.2% |
プロクター・アンド・ギャンブル同様、ここ数年の増配率が低下している。
増配率が1ケタ前半となると、もう少し配当利回りが高いところで購入したい。
もしくは配当だけではなく、株価上昇によるキャピタルゲインを狙いたいところだ。
営業利益が順調み右肩上がりのコルゲート、ここ数年は停滞
2014年までは順調な右肩上がりであった。
ところがその成長は2015年で止まっている。
そして2016年もそのまま横ばいだ。
圧倒的な市場シェアを有するがゆえに、コルゲート・パルモリーブ【CL】には売り上げ拡大と共に経営の効率化が求められる。
多角化も選択肢となるかもしれない。
株主は、【PG】や【KO】のように、うまく企業内改革をすすめていけるかどうかに注目する。
終わりに、
コルゲート・パルモリーブ【CL】は、2014年以降営業利益の鈍化がみられた。
配当成長は今後も続けられるだろうが、売上や営業利益の行く末には注意を要する。
しかしコルゲート・パルモリーブ【CL】生活必需品の鉄壁銘柄。
歯磨き粉市場における巨人である。
圧倒的シェアを誇り、さらに拡大中だ。
おまけに過去のリターンは申し分ない成績。
ちなみに私は配当利回り2.6%以上になった際に、買いたいと考えている。
しかし過去5年の配当利回りの最高値が2.45%である。
利回り2.4%前後での購入が良いかもしれない。
いずれにせよ長期投資をする上で、検討すべき銘柄のひとつだ。
コルゲート・パルモリーブ【CL】株は、例えばこんな人に適しているのではないか。
- ポートフォリオが高成長株ばかりの人
- より安定感を求めたい人
- 米国株の長期投資に興味を持った人
- 歯磨き粉に興味のあるひと
これを機に世界No.1の歯磨き粉で、息リフレッシュなんていかが?
以上、「コルゲート・パルモリーブ【CL】は歯磨き粉No.1の配当王」でした。
See you!
■コルゲートの競合他社に関する記事紹介
ユニリーバは生活必需品セクターのおすすめ株、歯磨き粉にも強い
GSKとは高配当利回りの製薬会社ではあるが、歯磨き粉メーカーでもある
プロクター&ギャンブルはディフェンシブ銘柄の代表
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