なぜ、米国株の高配当株投資は人気があるのか?
世界中の投資家から、配当株投資に視線が注がれている。
高配当利回り株が人気な理由として、以下の2つがあげられる。
- 各国の政策金利が下がり、債券利回りが低いこと
- 配当株投資は、パフォーマンスが優れていたこと
世界各国の政策金利は低い
21世紀に入り、世界中の国で低金利政策がとられている。
したがい債券利回りが低下し続けている。
インカム狙いの債券投資という意味では、魅力に乏しかった。
2017年になり、米国FRBがようやく金利上昇にこぎつけた。
しかしそれまでは、債券利回りは2%を下回っていた。
このような低金利の状態が、投資家を高配当株へと導く背景となっているのだろう。
高配当株投資や配当成長株戦略は、市場平均をアウトパフォームしてきた
上図は、バンガード社作成の配当関連商品のリターン・リスク比較である。
世界株式をみるとMSCIワールドインデックスに比して高配当株は、リスクが同等でリターンが優れていた。
さらに米国株配当貴族指数に代表される配当成長株式では、さらにリスク・リターン比が良好であった。
このように高配当戦略や配当成長投資は、市場平均をアウトパフォームしてきたデータがある。
だからこそ世界中の投資家が、配当投資へと目を向けるのであろう。
高配当利回りや配当成長株が、つねに市場平均を上回るわけではない
とはいえ投資に絶対は存在しない。
すなわち高配当株や配当貴族指数のような配当成長株が、いつも市場平均にアウトパフォームしてきたわけではない。
世界高配当株 vs 世界株式の比較
上グラフは、MSCI World Indexに対する、グローバル高配当株の超過収益の推移を示している。
5年リターンでみれば両者はほぼ同等の投資収益を意味する0%に収束している。
紫色の1年リターンに目をむけると、アンダーパフォームとアウトパフォームを繰り返していた。
つまり、世界株式インデックスに対して高配当戦略の投資収益は、勝ち負けを繰り返していたのだ。
換言すれば高配当株への投資が、いつでも市場平均をアウトパフォームできたわけでは無い。
この結果は、米国株配当貴族指数でも同様となっている。
米国株配当貴族インデックス vs S&P500のリターン比較
紫色の1年リターンを見てみよう。
ハイテク株のリターンが凄まじかった1999年~2000年にかけて、米国株配当貴族指数はS&P500に大きく劣後していた。
一方でハイテクバブル崩壊の2000年代初頭では大きな超過リターンが示されている。
また配当投資は政策金利に敏感だとされている。
すなわち金利上昇局面では、配当投資は市場平均をアンダーパフォームしやすい。
このように高配当戦略や配当成長投資は、時代背景による投資収益の上下動がある。
まとめ:アメリカ株の配当金投資が人気の理由と注意点を知ってどうするか?
世界各国の長期間にわたる低金利政策により、債券利回りが低下してきた。
一方で配当戦略は市場平均をアウトパフォームしてきた歴史がある。
だからこそ配当投資が注目されている。
しかしながら配当株投資が常に市場平均を上回るわけではない。
こうしたデータを知ると、米国株投資をより楽しく継続できるのではないだろうか。
以上、アメリカ株の配当金投資が人気な2つの理由と注意点でした。
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