アッヴィ・ABBVはバイオ医薬品を得意とする世界有数の製薬会社。
米国株投資家には
として有名です。
そしてなんといっても世界一の医薬品売上高をほこるヒュミラを販売している会社。
ヒュミラがある限り、アッヴィ・ABBVへの投資は手堅い。
逆に言えば、ヒュミラの特許切れ・バイオシミラー発売リスクの見極めが、アッヴィへの投資の肝となります。
そこで本記事ではABBVのヒュミラについて考えていきます。
- EUでのヒュミラパテント切れリスク
- ABBVにおけるヒュミラの売上割合
- ヒュミラの国別売上割合
アッヴィ【ABBV】ヒュミラ特許切れリスク、EUではバイオシミラー発売が2018年末?
Seekingalphaで、ヒュミラのライバル品についての言及をみました。
クレディ・スイスのアナリストが
- EUにおいて
- ヒュミラのバイオシミラーが
- 2018年後半に発売されるだろう
といっている。
ABBVに投資をしている私としては気になるニュースです。
アッヴィの2018年1Q決算資料から、ヒュミラの現状把握をしていきましょう。
アッヴィ【ABBV】製品別売上高割合、ヒュミラは何%?
上表は米国株ABBVの2018年1Q決算資料からの引用。
アッヴィの売上高を分解すると、相変わらずヒュミラの存在が大きいのだとわかります。
ABBV・アッヴィの総売上高のうち、ヒュミラが59%を占めているのです。
世界一の売上高を誇るだけあり、ヒュミラはアッヴィの屋台骨。
このヒュミラの特許切れによるバイオシミラーの侵攻が
- アメリカ:2023年
- 欧州 :2018年後半
である。
金融コングロマリットのクレディ・スイスがこのように予測しています。
アッヴィの製品別売上高比率(2018年1Q,MM USD)
ヒュミラ | 4709 |
イムブルビカ | 762 |
C型肝炎 | 919 |
その他 | 1544 |
アッヴィ【ABBV】ヒュミラの国別売上高
上図はアッヴィの売上高を、米国外ヒュミラ売上高とそれ以外に分解した割合です。
アッヴィ全体のうち、ヒュミラの米国外売上高比率は22%を占めています。
ヒュミラの売上高(MM USD)をみると6割以上が米国内。
- 米国 :3,003 (64%)
- 米国外:1,706 (36%)
のこりの36%のうち、どの程度が欧州からの売上高なのかは不明。
投資家としては気になるところです。
それでもアッヴィ全体への欧州ヒュミラ売上高減少のインパクトは、それなりに大きいのだと推測できます。
アッヴィの米国外ヒュミラの割合(2018年1Q,MM USD)
ヒュミラ(米国外) | 1706 |
それ以外 | 6228 |
アッヴィ【ABBV】のヒュミラ特許切れ対策
ヒュミラの売上高は2020年まで順調な伸びをみせると予想されています。
ある調査では2024年時点の世界医薬品売上No.1はヒュミラだとされているほど。
そして米国でのヒュミラバイオシミラー問題を回避したことで、株価も上昇しました。
しかしながらヒュミラだけに頼ってはいけないのはだれの目にも明らか。
投資家の注目はいつもヒュミラ以外に集まるのです。
アッヴィ製品の開発状況
アッヴィ経営陣は、ヒュミラのパテントクリフ対策を実施しています。
あらたな開発ポートフォリオを組み、その売上高・利益拡大を目指しているのです。
そして投資家に、これでもかというほどにアピールをしている。
ところが2018年3月に、Rova-T(肺がん治療薬)が米国FDAの迅速承認をえられないことがわかりました。
そのためにABBV株価が急落したのは記憶に新しいです。
それでも
- ROVA-Tはオプジーボ(BMY・小野薬品)との併用療法で開発中
- ROVA-T以外の開発品数が豊富
というのは、ABBVへ投資している者には心強い情報。
最近ではCAR-Tにまで手を広げています。
アッヴィ【ABBV】ヒュミラ特許切れリスクをみて思う3つのこと
2018年末にEUでバイオシミラー侵攻がありそうです。
それでもUSでのヒュミラ売上高は2023年まで守られます。
そして少なくとも2020年までのヒュミラの売上高は堅調だと予想されている。
おまけに2024年でも世界一の売上高をほこる医薬品だといわれている。
さらにABBV経営陣は、ヒュミラ以外の開発ポートフォリオをうまく構築中。
そんなわけで私はABBVへの投資を継続していきたいと思います。
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