米国株の配当投資のメリット・デメリット
上表は、世界株式市場平均と高配当インデックスの投資収益の差を示している。
世界株式や米国株式市場では、高配当株投資は市場平均をアウトパフォームしてきたデータがある。
しかしながら「常に」リターンが優れていたわけではない。
つまりその時々によって、投資収益にギャップが生じていたのである。
とくに政策金利に敏感である点は、高配当戦略の特徴だ。
すなわち米国株の高配当戦略は、金利上昇局面で不利となりやすい。
本記事では、米国株の配当投資とFRBの政策金利との関連について紹介したい。
高配当戦略は、米国政策金利に敏感である
アメリカ株の高配当銘柄は、金利上昇局面では不利となる
米国の高配当戦略は、金利上昇局面では不利になりやすい。
上図の縦軸は、MSCI米国インデックスに対する高配当インデックスの超過リターンを示している。
そして横軸は米国10年国債利回りの変化を表している。
つまり右に行けば行くほど、金利上昇局面ということだ。
各プロットの傾きが右肩下がりとなっている。
すなわち金利が上がる場面では、米国高配当戦略は市場平均に劣後しやすい事になる。
金利上昇時の相場では高配当株投資が不利だといわれるのには、こうしたデータが背景にある。
米国株配当貴族インデックスも、政策金利にセンシティブ
こちらは、S&P500に対する配当貴族インデックスの超過リターンのグラフである。
高配当インデックスと同様に、配当成長投資でも金利の影響は大きい。
つまり金利上昇局面では、増配を続けるような銘柄の集合体でも、市場平均に劣後しやすい事を意味する。
高配当戦略のみならず、配当成長投資においても、金利上昇はアゲインストとなりうる。
米国株の高配当戦略は、万能ではないが続けやすい
2017年から米国FRBは政策金利を上げ始めている。
なのでアメリカ株の配当投資には逆風になりつつある。
とくに高配当株は安定しているとはいえ、万能の投資先ではありえない。
しかしながら多くの企業は、配当金支払いを続けてくれる。
個人投資家にとって、キャッシュフローは投資継続のモチベーションとなる。
したがい株式市場に居座り続けるという意味では、配当戦略も悪くはない。
米国株では最終的には、株式市場から退場せずにいることがリターンに繋がる。
こうして考えてみると、配当戦略をつづけてもいいのではないか。
いずれにせよ、米国が先進国の先駆けとなって緩やかな金利上昇を続けている。
米国株の高配当戦略は、金利上昇局面では不利となり過去があった。
こうしたデータを踏まえ、投資家自身の運用目的に沿った行動をしていくことが大切であろう。
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