ブリストル・マイヤーズ スクイブ【BMY】と小野薬品工業の株価が急落した。
両社に共通するのは、オプジーボという抗がん剤を販売している事だ。
このうち、【BMY】ブリストルを私は49.4ドルで120株購入した。
購入後も株価は順調に?下がっている。
この理由を考察したい。
【BMY】と小野薬品工業 株価 6か月推移
17年1月27日時点
見事に下がっているよ【BMY】
- 8月上旬
- 9月下旬
- 1月下旬
17年1月27日時点
綺麗な右肩下がりな、小野薬品工業。
- 8月上旬
- 9月下旬
- その後順調に下落
オプジーボとは?
ニボルマブ(Nivolumab、商品名:オプジーボ)は、悪性黒色腫治療を目的とし、後に非小細胞肺癌・腎細胞癌に適用拡大された分子標的治療薬の一つで、ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体医薬品であり、当時の京都大学医学部の本庶佑博士の研究チームが開発に貢献した。
日本においては2014年7月4日製造販売が承認され、2014年9月小野薬品工業から発売が開始された。
ウィキペディアより
少し前までは「夢の抗がん剤」と称えられており、非常に期待された新薬であった。
しかも京都大の先生が開発に貢献しているという国産薬。
最近ではその高い薬価が国の財政を苦しめるという背景もあり、薬価が50%引きとなってしまう。
小野薬品工業にとっては、日本の薬価が半額となる事は大きな打撃となるだろう。
しかし世界を舞台に戦っている【BMY】の株価は、日本におけるオプジーボの値段引き下げが大きく影響するとは考えにくい。
一体全体、夢の抗がん剤オプジーボに何が起きたのか?
それを知るためにまずは競合品について調べてみた。
ブリストル・小野薬品連合の対抗馬
AnswerNewsより
なんと、夢の薬オプジーボには、後に続く同種同効薬がひしめいていた。
しかもファイザー【PFE】や、MSD(メルク【MRK】)、アストラゼネカ【AZ】といった大手製薬企業が揃いもそろって、、、
よく考えれば中外製薬だってバックにはロシュがいる。
その中の一つ、メルク【MRK】のキイトルーダは肺がんにおいてアメリカで適応取得を得ている。
先行するオプジーボに後続品がどんどん追いついてきているから、株価が下がったという訳だ。
オプジーボの悲劇
2016年夏~2017年1月にかけて、【BMY】には二つの悲劇が襲っていた。
参考:米ブリストル、「オプジーボ」幅広い肺がんに効果確認できず
参考:ブリストル・マイヤーズ株下落-肺がん治療薬でメルクにさらに後れ
【BMY】は複数の抗がん剤を有しており、オプジーボはもちろんだがヤーボイという薬剤との併用療法の開発も行っていた。
- オプジーボ
- オプジーボ+ヤーボイ
今回の悲劇は、この二つの薬剤の併用療法の肺がん領域における開発治験が競合に競り負けてしまった、という事である。
シーゲル銘柄である【BMY】の勢い、もはやここまでか?
他の製品でカバーできないのだろうか?
【BMY】におけるオプジーボの比率
直近の決算から状況を把握する。
2016年4Qの各製品の売上高とその割合は以下の通り。
抗腫瘍剤 | 売上 | 割合 | |
Empliciti | 47 | 0.9% | |
Erbitux | 0 | ||
オプジーボ | 1310 | 25.0% | |
Sprycel | 494 | 9.4% | |
Yervoy | 264 | 5.0% | |
循環器 | |||
Eliquis | 948 | 18.1% | |
免疫 | |||
Orencia(b) | 625 | 11.9% | |
ウイルス | |||
Baraclude | 296 | 5.6% | |
Hepatitis C Franchise(c) | 226 | 4.3% | |
Reyataz Franchise | 206 | 3.9% | |
Sustiva Franchise(d) | 246 | 4.7% | |
Neuroscience(a) | |||
Abilify(e) | 31 | 0.6% | |
Mature Products and All Other(f) | 550 | 10.5% | |
Total | 5243 | 100.0% |
【BMY】の売上高の内、4分の1がオプジーボで占められていた。
この製品の未来が、今後の【BMY】の株価を左右するといっても過言ではない。
それではこの薬剤の未来はどうなるのだろう?
オプジーボの希望
マーケットリーダー
BMYホームページより
上図は、オプジーボと競合薬の売上推移を示している。
ご覧のようにオプジーボは現在までマーケットリーダーの地位にいる。
縦軸が分かりにくいのがこのスライドの難点ではあるが、現在のところは競合に対して先行している事がお分かり頂けると思う。
多数の開発領域
BMYホームページより
これは素晴らしい。
オプジーボは14の臨床試験を走らせており、このうち10の領域において2年以内に適応症取得ができる予定であるとのこと。
凄いぞ、なんじゃこりゃー!
まだまだ期待大。
株主に勇気を与えてくれる。
肺がんでの開発治験はうまくいかなかったが、それ以外で10もの適応症追加の可能性を秘めている。
(購入前に調べておけばよかったのだが)
まとめ
【BMY】はヘルスケアセクターに属しておりシーゲル銘柄の一つ。
夢の抗がん剤オプジーボを有し、この領域でトップを走る企業である。
しかしながら、【MRK】のキイトルーダが追い抜く勢いを見せている。
一方の【BMY】オプジーボは、今後2年間で10の追加適応を得るプランを有しており、今後も期待ができる。
このような背景から、【BMY】を継続保有とする。
See you!
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