個人投資家のあなた、企業経営で一番大切なことは何だと思いますか?
儲けることですか?
それとも、働く人の幸せですか?
そんな投資家の疑問に答える学問が幸福学。
幸福学に経営学を掛け合わせることで、次世代日本型組織が目指すべき方向性が見えてくるのです。
つまり、未来の予想確率が上がるのですね。
だから経営者だけではなく、個人投資家だって幸福学×経営学について知っておいた方がよいです。
ちなみに私は幸福度重視。
とはいえお金や儲けることも狙いたいという欲張り派。
それはともかく、幸福学について少し勉強していきましょう。
幸福学の基本;どうやって幸せを測るのか?
そもそも幸福学って役に立つのでしょうかね?
極論をいえば、世の中の役に立つことはすなわち人々を幸せにすることです。
だから幸せの研究をすることは、世のため人の為になるわけです。
でも幸せの研究って哲学的もしくは心理的なものな感じがしませんか。
しかしながら幸せを見える化すれば工学的となりますよね。
すると直接的に人の役に立つことが可能となります。
なにせ、幸せの姿は多様でも、幸せに至るメカニズムやプロセスは共通項が多いのです。
だから、幸せを定義し、それを定量化した上で比較検証すれば、幸福に近づく方法が明らかとなるのですよ。
つまりこれが幸福学。
前野氏らは、この手順に沿って幸福因子を同定していったのです。
幸福学における幸せの定義
幸せの定義は、「意義ある人生としての幸せ」
つまり嬉しいとか楽しいといった短期的な心の動きにとらわれません。
換言すれば「人生満足」
個別事象における満足も不満足も含め、人生が全体として満たされているかどうかを表します。
これが幸福学における幸せの定義。
「全体」っていうところがポイントです。
幸せの測定方法
幸せの定量化は、いくつかの研究によって試みられています。
有名なものは「ディーナーの人生満足尺度」
あなたは知っていましたか?
私は初めて聞きましたよ。
だから問題を解いて、自らの人生満足度を測定してみましたね。
以下の5つの質問に、7つの回答から選んで答えてみてください
【回答】
- 全く当てはまらない
- ほとんど当てはまらない
- あまり当てはまらない
- どちらともいえない
- 少し当てはまる
- だいたい当てはまる
- 非常によくあてはまる
【質問】
- ほどんどの面で、私の人生は理想に近い
- 私の人生は、とても素晴らしい状態だ
- 私は自分の人生に満足している
- 私はこれまで、自分の人生に求める大切なものを得てきた
- もう一度人生をやり直せるとしても、ほとんど何も変えないだろう
ちなみにアメリカの大学生は平均で23~24点、日本人大学生は18~22点という結果だったそうです。
私はほぼ満点でした。
あなたは何点でしたか?
お金ではない! 何が人を幸せにするのか研究で明らかになった幸せになるメカニズム
幸福学の研究で明らかになったことがふたつあります。
- お金・モノ・地位といった地位財では、幸せが長続きしない
- 幸せになるためには、4つの因子が重要である
お金で幸せは買えないということが、幸福学で実証されたのです。
投資家はぜひとも知っておきたい研究結果ですねよ。
何のために投資をしているのか、投資目的を振り返るきっかけとなることでしょう。
幸福学の因子分析結果;やってみよう、ありがとう、なんとかなる、ありのままに
前野氏らの幸福学研究によれば、幸せの因子は4つ存在します
- 第一因子;やってみよう因子(自己実現と成長の因子)
- 第二因子;ありがとう因子(つながりと感謝の因子)
- 第三因子;なんとかなる因子(前向きと楽観の因子)
- 第四因子;ありのままに因子(独立と自分らしさの因子)
ここまで因数分解されれば、あなたも幸せ者になったも同然です。
幸せの4つの因子からわかる、幸福になる方法
人生だったり、投資だったり、経営だったり、何事にもバランスと全体が大切。
幸せ因子だって、これを生かすためにはバランスと全体最適が重要です。
幸せの近道は何なのか、ここからは4つのクラスターに分解して紹介していきましょう。
幸福度、第4位;4つの因子がどれも低いグループは、不幸になりがち(約10%)
第3位;4つの因子が平均前後な人は、全体の半数前後(約50%)
第2位;やってみよう因子(自己実現・成長)と、ありがとう因子(つながり・感謝)が強いグループ(約20%)
第1位;すべての因子が高いグループ(約20%)
第1因子~4因子まで、その重みづけはナンバー通りということでしょう。
だからもし幸せになりたいと思ったら、「やってみよう」と行動することと、周りに感謝をする「ありがとう」という気持ちを持つといいですね。
- 第一因子;やってみよう因子(自己実現と成長の因子)
- 第二因子;ありがとう因子(つながりと感謝の因子)
- 第三因子;なんとかなる因子(前向きと楽観の因子)
- 第四因子;ありのままに因子(独立と自分らしさの因子)
ネタバレ厳禁;幸福学×経営学の検証結果は、書籍を見てくださいね
アメリカの研究によれば、幸福度の高い社員ほど
- 創造性が高い
- 欠勤率が低い
- 離職率が低い
- 仕事の効率が良い
- 同僚のサポートを惜しまない
- つまり仕事ができる
といった傾向が見られるそうです。
なので社員の幸せが原因となって個人の生産性や創造性が高まり、結果的に会社業績向上に結び付くことだってありそうですね。
すると給料だって上がる。
こうしたサイクルが存在していることが明らかになってきているのです。
投資家や経営者としては、儲けることが先なのか、社員の幸せが先なのか分からなくなってきますよね。
でもどうせだったら、幸せになって儲けられるのが一番です。
だから幸福学と経営学を関連付けて学習することは意義あることだと思います。
以上、「【投資家必見】儲けることが正義?企業経営で一番大切なことは何なのか?」でした。
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年収1,000万円で幸福度が頭打ちという研究結果は有名ですよ。でもこれは「1人あたり」という背景があることは抑えておきたいですね。
幸せな人生に必要な3つの項目は、①一定値以上の収入、②理想の仕事、③親友や家族と過ごす十分な時間、という検証結果があります。
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