インデックス投資が金融庁で推奨されている。つみたてNISAで採用される投資信託をみればわかる。これは国がおすすめしているインデックスファンドだ。
どの投資信託が良いのだろうかという比較はもはや不要である。5,000以上あるファンドから投資初心者向けの投信をわざわざ金融庁がわかりやすく選んでくれている。
したがって、つみたてNISAで選ばれた投資信託を選べば長期・分散・積立投資は盤石なものとなる。
今回つみフェス2017という金融庁主催イベントに参加し私はそのように感じた。尚、つみフェス2017体験レポートは、インデックス投資ブロガーのじゅんさんの記事が臨場感溢れる内容なので参照されたし。
インデックス投資と相性の良いつみたてNISAはなぜ必要なのか?
国を挙げてつみたてNISA制度によりインデックス投信を推奨している理由は、家計金融資産の現状にある。つまり我が国の金融資産は現金・預金に偏りすぎているのだ。
ひとつずつデータをみていこう。
インデックス投資・つみたてNISAで200兆円を株式に!現預金は900兆円
金融庁がつみたてNISA制度を設計する根本的な理由は、日本のお金は現金・貯金ばかりであることだ。900兆円をこえる現預金が家計資産に積みあがっている。
このうちの200兆円を株式投資にまわしてほしいと金融庁は考えてる様子がうかがえる。その投資先はインデックス投信をおすすめしていることは明白である。
英米と日本の家計を比較すると、以下のように株式比率が低い。
- 米国:46.2%(8,821兆円)
- 英国:37.5%(944兆円)
- 日本:18.6%(1,815兆円)
この低い株式比率のGAPを埋める方法がつみたてNISAであり、おすすめする商品がインデックスファンドなのだ。
さらに注目したいのは、国がどの程度の株式比率を家計資産に求めているかである。200兆円を投信にまわした場合、25~30%程度の株式比率となる。
日本国民は保有する金融資産の1/4~1/3を株式投資することがおすすめアロケーションとなる。ベンチマークとして覚えておきたい。
インデックス投資・つみたてNISAで、運用リターンを米英並みに!
下図は米英日の家計資産推移を示している。
運用リターンによる家計資産の推移をみると大きな違いがみられる。
- 米国:2.45倍
- 英国:1.77倍
- 日本:1.54倍
なぜこれだけの差が生まれるのか理由は明白だ。日本家計の預貯金率が高いためである。逆に言うとパフォーマンスの良い株式比率が低いわけだ。だからこそ国民に貯蓄から投資へと号令をかけている。
それでも投資が普及しないから、つみたてNISA制度が出来上がった訳である。利益への非課税というメリットを全面にだし、投資未経験者や初心者にインデックスファンドの積立投資をすすめている。
とはいえどの投資信託に積立をしたらよいのか、投資経験者にだって比較は難しい。そんな投資家に金融庁はすくいの手を差し伸べている。おすすめ投信114本を選んでいるのだ。
つみたてNISAのインデックス投信は17年10月に分かる
つみたてNISA対象となる公募投信は全部で120ある。
- 投資信託:114本
- ETF :6本
5,500本以上あるファンドから120本が選ばれている。つみたてNISAは投資初心者向け制度であるのでさしずめ「はじめての投資信託」といったところか。
つみフェス2017に参加していた山崎元さんは、「これでも雑菌が混ざっている」と皮肉を込めてやや批判めいたコメントをされていた。
細かく見ればそうなのかもしれない。しかしながら私は同意しかねる。金融庁が様々な方法を駆使して上位2%のファンドをまとめたわけだ。
上位2%というのを2017年センター試験の受験者数と有名大学の定員数で例えてみよう。
- 受験者数:532,350人
- 東大定員:3,060人
- 京大定員:2,866人
- 阪大定員:3,255人
東大・京大・阪大の3大学で約1.73%である。つみたてNISAのおすすめファンドがどのようなレベルなのか想像できるでしょう。
このレベルになるとどの投信が良いか比較するよりも、つみたてNISAするかしないかの違いが大きい。もはや投資初心者に対しファンドの細かな違いは不要だろう。長期投資の普及をいかにすすめていくのかに焦点を絞った方が良い。
インデックス投資をするなら、つみたてNISA利用がよい
私はアメリカ株ブログをやっているが、インデックス投資をするならつみたてNISAを利用した方が良いと思う。つみフェス2017に参加した感想だ。
しかしながら私自身はつみたてNISAを活用しないだろう。20年の非課税期間にはメリットを感じるものの、毎年40万円という金額枠に物足りなさを覚えるからである。
それでも仮にインデックス投信を選ぶとするなら、S&P500連動商品にしたい。世界の株式市場の半分以上は米国だからだ。おそらく金融庁おすすめファンドにも選ばれるはず。
つみたてNISAに必要なものは、インデックス投資の継続
つみフェス2017で最も印象に残った言葉を紹介する。
つみたてNISAに必要なことは
- 続けること
- 続けること
- 続けること
株価が下がったときでも売らないことを、金融庁とつみたてNISA制度は求めている。この前提条件を知ったうえで、非課税口座の活用をするのがよい。
稲妻が輝く瞬間に市場に居合わせる必要性は、アメリカ株投資でもインデックス投資でも変わらない。
インデックス投資・つみたてNISAの普及へ!
今回つみフェス2017を開催した上に夜遅くまでお付き合いいただいた金融庁ご担当者の方々、そして金融庁と個人投資家等の仲人役をいつも実施頂いている虫とりのアニキに深く感謝申し上げます。
つみたてNISA制度が広く普及し、株式の長期投資が日本国民にとって当たり前となることを期する。
See you!
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