副業というか、事業というか、太陽光投資を始めてから早一年。
サラリーマン投資家が合同会社設立をしてまで始めたのです。
良かったことも、悪かったこともありました。
2019年になり、経産省は野立て太陽光投資の間口を閉じにかかっています。
そんな最中に本記事では、太陽光投資を1年間やってみた結果、思ったこと感じた事をつらつらと記録していきます。
太陽光投資は儲かるのか?
あんまり儲かりません。
でも、損はしなそうな気はします。
以下は2基の発電所の運用結果。概算ですよ。
1号機 | 2号機 | |
表面利回り | 9.11% | 10.35% |
投下自己資金 | 200万円 | 170万円 |
物件価格 | 3,050万円 | 2,600万円 |
購入諸経費 | 物件価格に含む | 物件価格に含む |
年間収入 | 278万円 | 269万円 |
諸経費 | 60万円 | 60万円 |
借入金(年利0.95% 17年) | 3,050万円 | 2,600万円 |
ローン年間返済金額 | 212万円 | 179万円 |
年間キャッシュフロー | 6万円 | 30万円 |
CCR | 3.00% | 17.60% |
計算方法によって、運用利回りは変わるので要注意。
ちなみに諸経費は120万円ほど使ったようです。法人全体ではもう少し多いかな。
その内訳は以下の通り。
- 税理士費用 20万円
- 管理外注費 25万円
- 定額電灯代 6万円
- その他
その他は、発電所視察費用だったり、勉強用書籍代だったり、通信費だったり色々ですね。
税金支払いをしたら太陽光単体では赤字になりそうです。
利益に対して経費をつけすぎてしまったのかもしれません。
いずれにせよ大きく儲かるという投資ではないですね。
シミレーション通りに発電してくれるのか?
対シミレーション値の比較です。
2019年 | 1号機収入 | 2号機収入 | 1号機対予測 | 2号機対予測 |
1月 | 156,647 | 157,289 | 71% | 78% |
2月 | 251,534 | 223,132 | 106% | 103% |
3月 | 177,526 | 185,049 | 82% | 90% |
4月 | 228,002 | 188,111 | 90% | 85% |
5月 | 263,489 | 247,772 | 94% | 100% |
6月 | 335,894 | 300,289 | 115% | 116% |
7月 | 267,222 | 259,640 | 97% | 114% |
8月 | 215,492 | 189,102 | 75% | 77% |
9月 | 295,565 | 300,697 | 96% | 112% |
10月 | 210,943 | 217,854 | 89% | 107% |
11月 | 189,335 | 222,432 | 89% | 118% |
12月 | 184,734 | 195,158 | 97% | 110% |
合計 | 2,776,383 | 2,686,525 | 92% | 101% |
日照量は月毎ではなく、年毎でみることが大切なのだと感じました。
月毎の発電量は、振れ幅が大きいからです。
それにしても2019年の太陽光投資は散々な結果。
太陽光投資はシミレーションを上回ることが多いと聞いていました。
しかし私の発電所は残念な運用成績です。
太陽のせいか、業者さんのせいなのか、パネルが悪いのか。いやいや、投資家本人でしょう。
1号機は東側に大きな木があるのです。
こらによりシミレーションを8%も下回っていました。
憎っくき大木。
でも嘆いているだけでは何も変わりません。
除草剤を注射して木を枯らせることができるのかという、壮大な実験を試行中です。
いずれにせよ、春~夏にかけての日照時間が長い季節では、取りこぼしをしないように発電所を安定稼働することが肝心だと思います。
手間はかかるのか? 発電所視察にいった回数は?
雑草さえ生えていなければ、手間はほとんどかかりません。
この一年、我が家が発電所視察と称してレンタカーを借りたのは、10回でした。
しかしこの10回全てで、発電所内の作業が発生するわけではありません。
つまり目視確認のみだったり、新規投資の為のリサーチだったりを含んでいます。
ちなみにうちの法人では、家族で視察することを原則としています。
家族で同じ体験をする視察旅行は、意義あることだと考えているからです。
家族のコミュニケーションツールの一つと言えます。
こうしてみると、妻の実家から1時間ほどの場所で、発電所に投資が出来たことはラッキーでした。
とはいえ小学五年生になる長男が、塾の為に同席できないことが何回かあり、今後の課題となりつつあります。
また、埼玉県での新規投資が控えており、視察旅行の回数が増えることも懸念点です。
ただし春先の雑草対策さえしていれば、太陽光投資の手間は大きなものではないと思います。
実際に野立て太陽光投資をやって、家族は何と言っているのか?
概ねポジティブなコメントを貰っています。
いまのところは、太陽光投資を始めた際の2つの目的に合致しています。
- キャッシュフローを作る
- 家族と一緒に過ごす時間を作る
ここからは家族からのひとことを紹介しましょう。
妻からのコメント
- 損はしていないし実家帰る頻度があがるし、まぁいいかな
- 台風とか地震とかが心配だな
- 書類がいっぱいあって、ちょっとメンドウ
備考:わが妻は専業主婦。驚くほど事務作業ができないことを知り、私はびっくりしました。
長男(小5)からのコメント
- いっぱい晴れて発電できるといいね
- 壊れないといいな
- 草刈りなら任せろ
備考;戦いごっこをしながらバシバシと草刈りしてくれる頼もしい相棒です。
長女(小3)からのコメント
- みんなでお弁当が食べられるのが楽しい
- 草とか虫とかは好きじゃない
- もう知らないっ
備考;視察には常に着いてきてくれるスーパーウーマン。気分が乗れば草刈りもしてくれますが、多くの場合は木陰で目視確認をしています。
子供連れだとピクニックに行くような感じ。
家族に1基、発電所を持っていても良いのかなって思います。
どんなトラブルがあるの? 心配事・リスクはどう感じるのか?
1年間でのトラブルを紹介すると、
世間の目が冷たい!太陽光投資に関する記事が修正に
太陽光パネルの飛散や、がけ崩れニュースで、世の中が太陽光投資に逆風となった時期がありました。
その少し前にとある取材を受け、米国株・太陽光投資・サラリーマンという視点でお話しをしたのですが、その記事から太陽光に関する記載が削除されて投稿されるという経験をしました。
記者さんからは事前に「ちょっと今は太陽光ネタはやめておきませんか」という相談を受け、世間の目を気にする必要があるのだな、って感じましたね。
政治的決着へ!太陽光投資の間口が閉ざされていく
買い取り価格制度の単価がどんどん下がっています。
14円案件が最後で、今後は低圧の野立て太陽光投資はできなくなるでしょう。
遠隔監視システムで警告が!パワコンの故障か?
2つの発電所には、Smart PVという遠隔監視システムをつけています。
夏頃に「パワコン故障」というアラートが出ていることに気がつきました。
結果として何事もなかったのですが、本当に故障していたらと思うと、ちょっと不安です。
ちなみに売電開始当初は、遠隔監視システムを毎日チェックしていましたが、最近はほとんど見ていません、、、
強風により、防草シートが剥がれてしまった
発電所視察の際に、防草シートが剥がれていることが3回ありました。
最初の2回は家族で応急処置。
トンカチと釘を購入し、防草シートにトンカントンカンやってきました。
残りの1回は、台風15号。
保険で直してもらいました。
こうした経験から、強風リスクを少し気にするようになりました。
台風襲来で、発電所がどうなっているのか心配になり視察へいった
2019年秋に、大型で強い台風が上陸したことは記憶に新しいです。
こうした天災リスクを忘れることが出来ません。
台風によって4日間の停電に見舞われ、売電収入が途絶えた
1号機が4日間の停電にあいました。
休業補償には入っていません。
なので4日分の売電収入を取りこぼし。3~4万円くらいです。
出口戦略は? 途中で売却できるの?
20年間、投資を継続することを考えています。
セカンダリー市場はまだ未成熟で、売却プロセスが不明瞭だからです。
また、太陽光投資は収入を上乗せする術が限定的です。
ですから発電量の取りこぼしを極力少なくし、お金をあまりかけないことが良いです。
こうしてお金を貯め、不動産投資の頭金にしたいと考えています。
途中売却しない場合、こんな感じで続けていきます。
不動産投資との違い、比べるとどうなの?
不動産投資に比べ、太陽光投資の大きなデメリットは下記に集約されます。
- キャピタルゲインが望めない
- 信用棄損が激しく、追加融資獲得に時間がかかる
太陽光発電所の資産価値は、経年的に低下します。
固定買取価格が、20年ですから。
なのでキャピタルゲインをうむことはなく、ひたすらにキャッシュフローを積み上げる投資スタイルです。
この点は、不動産投資との大きな違い。
そして不動産を担保に次の融資を引っ張るということが困難です。
資産価値が無いので、銀行は発電所を担保にお金を貸してくれないのです。
なので不動産投資のように、次から次へと拡大していく方法がとれません。
また、不動産ではDIYにより家賃アップを狙う事が可能です。
一方で太陽光投資では収入が固定されており、増収に関して投資家が手を打てる選択肢がほとんどありません。
だから最初の購入価格と、20年間の経費節約・節税が運用利回りの鍵となります。
とはいえ不動産のように空室リスクがないことは魅力的。
でも業者さんから電話があった時の「嫌な予感」は不動産も太陽光も変わりません。
それでも賃借人という人依存ではなく、パネルと太陽光というモノ・自然依存であるので、リスクは想定しやすいです。
実際に投資して感じますが、太陽光発電は中リスク・中リターンと呼ばれる理由がわかります。
終わりに;太陽光発電投資ってどうなのよ?
今後、太陽光発電ほどの投資案件に出会える可能性は低いと想定しています。
つまり
- 国が内部収益率を設定している
- だれでも参入が可能である
これだけリスク・リターンがアンバランスな投資案件は稀ではないでしょうか。
個人投資家が参入できるというのは信じ難いです。
だから孫さんが真っ先に投資をしたのでしょうし、多くの投資家が群がったのでしょうね。
しかしだからといって、誰でも儲かるとは限りません。
実物資産投資としての面倒な部分がありますし。
投資元本が十分にあるなら、インフラファンドの方がリーズナブルな選択です。
まぁ色々思うところはありますが、あと3基に投資をして、20年間付き合っていく予定です。
以上、太陽光投資を1年間やってみて思った7つのこと、でした。
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