米国人の母国バイアス;アメリカ株投資編
米国株投資では、アメリカ人によるホームカントリーバイアスがあります。
つまり米国人は、アメリカ株にばかり投資しがちということ。
だからアメリカ人は、「世界株式への分散投資をしましょう」と説かれています。
ホームカントリーバイアスとは、投資家がさまざまな理由によって海外投資に慎重になること。
換言すれば、投資家は、自国市場/資産への投資が厚くなる傾向を持っているのです。
母国バイアスは、どの国の投資家にもみられる現象です。
日本人だって例外とはなりません。
むしろ日本人は、日本への母国バイアスが大きいと言われます。
日本大好きな日本人が多いということですね。
もしくは世界に視線を移せないのかもしれません。
日本株は世界株式市場の7~8%を占めるに過ぎないのです。
他方で株式投資といえば日本株ばかりとなりがち。
だから、日本人でも米国株投資家でも、ホームカントリーバイアスを知っておいて損はありません。
ということで本記事では、米国人による米国株投資バイアスのデータを見ていきましょう。
ホームカントリーバイアスとは?米国人のアメリカ株投資比率を、時価総額比率と比べてみた
世界を見渡せば、米国株よりも投資収益が優れていた株式市場は多数あります。
にも関わらず、アメリカ人は米国株投資ばかりしていました。
ホームカントリーバイアスの弊害です。
ここからは母国バイスについて、データを用いて振り返っていきます。
米国人は、株式投資の77%を米国株に資金投下している
世界株式の時価総額のうち、54%を米国株式市場が占めています。
他方でアメリカ人は株式投資のうち、77%を米国株に投下していました。
つまり米国人は、母国バイアスに陥っているのです。
米国株が世界一のリスク・リターンバランスならば問題ありません。
ところが米国株式よりも良好なリターンを提供した株式市場は多数存在していたのです。
母国バイアスを避けた方が良い理由になり得ますね。
米国株の国別トータルリターンは、45か国中29位
米国株式のトータルリターンは、45か国中で29位のランキングでした。
直近20年間では、米国株式よりその他の株式市場に投資をしていた方が収益はあがったのです。
こうしたホームカントリーバイアスのデメリットは、自国がベターな選択肢とならなかったときに顕在化します。
ですからこうした自国偏重リスクを減らすために、母国バイアスを知り、避ける必要があるのです。
とはいえ、こうしたホームカントリーバイアスのデータ解釈には注意を要します。
資産全体ではなく、あくまでも株式だけを対象とした母国バイアスですから。
続いては母国バイアスデータのリミテーションを、貸借対照表を用いて確認していきます。
【要注意】米国株投資のホームカントリーバイアスは、あくまでも株式だけが対象
母国バイアスのデータは、株式だけに限定していいのでしょうか。
資産全体を対象とした、ホームカントリーバイアスを検討してもよいと思います。
たとえば米国人の資産。
- 金融資産
- 人的資産
- 物的資産
- 社会資産
こうした資産が存在しています。
ところが母国バイアスでは、金融資産のうちの株式のみを検証対象としていました。
これでは資産の一部分しか見ているにすぎません。
もしアメリカ人が
- 米国株に投資をし
- 米国企業で働き、米ドルを収入源としており
- 米国内に住宅を保有しつつ
- アメリカで社会生活を送っている
そして、株式投資のうち米国株に77%を投下している。
このような投資家のケースでは、母国バイアスはかなり大きいと言えるのではないでしょうか。
ホームカントリーバイアスの検証対象を、株式だけに限定するか、資産全体にまで広げるのかは、見直しておいた方が良いと思います。
日本人の母国バイアス;日本株は世界株式の7.6%に過ぎない
日本人は、母国バイアスが強いといわれます。
株式投資といえば、日本株が中心。
ところが日本株式は、全世界株式のうち7.6%にすぎません。
なので、こうしたホームカントリーバイアスに陥っていると知った上で、投資をするのが良いのではないでしょうか。
母国バイアスを知って、株式投資をどうするか?
ホームカントリーバイアスは、世界中の投資家にみられる事象です。
ですので「自分は母国バイアスには陥っていない」と言い切るのは難しい。
だとすれば、バイアスを前提に投資をするのが良いです。
母国バイアスを検討する際には、以下のいずれかがおすすめ。
- 資産全体を対象とする
- 金融資産だけに絞ってみる
- 株式だけに限定する
- それ以外
私の場合には、資産全体を対象としたい。
なので金融資産では、米国株中心に投資をしています。
少しでも母国バイアスを避けたいという思うからです。
以上、「米国株投資のホームカントリーバイアスとは?」でした。
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