ホントは教えたくない資産運用のカラクリ 投資と税金篇 2016を読んだ。
この本の良い所は、お金に関して著者の推奨しているActionを、言い切っている、断定している という点。
経済素人の私にも分かりやすく納得度が高い。
参考になった点を備忘録代わりにブログ投稿しておく。
個人投資家の税務戦略10か条
1.預貯金はなるべく減らす
円預金は不利な商品になるので、なるべく減らしてMMF等に移行する。
余った資金を自動的にMMFに移してくれる、スイープ口座の活用を薦める。
外貨預金は最も不利な商品なので全力で回避する
2.1年以上使わないが絶対に損をしたくない資金は個人向け国債へ
安全性は銀行を上回る。
ペナルティを払ってでも預貯金以上の利回りを得られる可能性が高い。
ただし、インフレ対策としては弱い。
3.NISAには着実に値上がりが狙える銘柄を入れる
預金以外の投資は、まずNISAなどの非課税制度を活用する。
そこには新旧バフェット銘柄等の、比較的安全で長期的な値上がりが期待できる商品を入れる。
4.投資商品は同じ税グループに集める
非課税枠を超える部分の投資は、損益通算や損失繰り越しが出来るよう同じ税グループに集める。
普通の人は、「株式グループ」だけで十分。
ただし、FXなどしかやらない人は「デリバティブグループ」だけでも良い。
5.非課税を狙った債券やMMFなどへの投資は2015年末までに整理し、債券はETFに移行する
利益が出ている利付債・公社債投信・MMFは2015年末までにいったん売却し、利益を非課税とする。
損しているならば2016年以降にして、損益通算に使う事にする。
それ以降の債券投資は、ETFに切り替える。
6.総合課税よりも分離課税を選択する
どちらかを選択できる場合には基本的には分離課税を優先する。
総合課税を選ぶと投資による利益が課税所得を押しあげてしまい、税率が上がる可能性がある。
総合課税が有利な場合もあるが、迷うならば分離課税の選択が無難。
7.特定口座の申告不要制度を活用する
予め複数の特定口座を用意し、自分に都合のいい特定口座だけを選んで確定申告すればよい。
損をした口座は全て損失として申告 というテクニックが使える。
8.投資商品は上場されている株や先物を優先する。FXやCFDは補完的に使用
上場株式・ETF・REIT・先物は価格が透明でコストも安く、税制も優遇されている。
一般投資家はまず上場商品で投資する事を考えるべき。
FXやCFDは補助的手段として考える。
9.コストに注意を払う
税金や取引手数料は分かりやすいコストであるが、見えないコストにも注意する。
例えば投信の信託報酬、信用取引やスワップ性商品の金利・貸し料など。
10.自分ひとりの手に負えなくなったら法人化を考える
「デリバティブ」や「不動産」などの別の税グループの投資が増えそうなら、法人化も考える。
だが、投資税制が改善されたことで、昔に比べると法人化メリットは大きく減った。
一つの税グループしか使わず、自分ひとりで投資を管理できるなら基本的に法人化は必要ない。
ホントは教えたくない資産運用のカラクリに対する私見
もうちょっと早く読んでおけばよかった。
これが率直な感想。
個人的にインパクト大な項目は3つ
①預金よりMMF
②特定口座のメリット
③法人化を考える時
①預金よりMMF
「税金を取られたきり取りかえせない預金」と「株の損と相殺できる円MMF」の違いは大きい。
税制を知ることは金持ちへの近道。
さらには、預金よりもMMFの方が利回りが高くなる傾向がある。
個人投資家が預金をする時代は終わった。
②特定口座のメリット
私は、特定口座(源泉徴収あり)のメリットについては、面倒な確定申告が不要という事しか知らなかった。
特定口座のメリットを知り、それを活用する方法を考える事は非常に重要であると感じた。
これだけでも本書の値段分は元を取れる。
まさに値千金。
③法人化を考える時
なんとなく、資産運用会社の設立ってかっこいいし、憧れていた。
本書によると昨今の税制改革により、法人化メリットは薄れてきているとのこと。
株式投資以外、例えば不動産投資を併用するようになった際には本書を読み返したい。
おわりに
本書は昨年末までに読んでおくのがベストなタイミングであった。
だが、今においても学べる事が数多く詰まっている。
投資も税金の事はよくわからないなぁ って感じている人には必見の書。
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