VWOとは新興国を対象したETF。
先進国に偏りがちなポートフォリオを是正してくれる高評価のETFです。
世界分散を心掛ける投資家には注目の商品でしょう。
VWO(新興国ETF)とは
- 10年リターンはS&P500に劣後(1.3% vs 8.4%)
- 最大組入れ国は中国(32%)
- 分配金の上昇率は低い(対10年前 -10.7%)
本記事ではバンガード社の目玉商品、VWOを紹介します。
VWOの正式名称:バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF
ティッカー | VWO |
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名称 | バンガード®・FTSE・エマージング・マーケッツETF |
ベンチマーク | FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックスは時価総額加重インデックスで、全世界の新興国市場の大型株・中型株・小型株のパフォーマンスを表す。 |
特色 | 新興国の大・中・小型株の指数に連動。組入れ銘柄数4249。中国28%、台湾15%、インド11%。 |
信託報酬 | 0.14% |
設定日 | 2005年 |
純資産総額 | 667億米ドル |
10年トータルリターン | 1.31%/年 |
分配利回り | 2.27% |
分配金支払 | 年4回(3・6・9・12月) |
10年増配率 | −10.2%/10年 |
VWOは、グローバル新興国市場を対象としています。
構成国はブラジル、ロシア、インド、台湾、中国、南アフリカなどがある。
運用資産残高は、第6位とアメリカの投資家からは高評価のETFです。
日本でもウェルスナビの対象商品として選ばれており、一定の人気をもっています。
VWOの10年間トータルリターンをS&P500と比較
VWO:1.31%
SPY:8.42%
2008年~2017年にかけて、VWOのトータルリターンはS&P500に劣後しています。
- リーマンショック以前はBRICSとよばれる新興国市場人気が高かったこと
- リーマンショック以降は米国市場の回復が顕著だったこと
これらが理由でしょう。
新興国市場は先進国とは異なる株価の動きをするかもしれません。
だからこそ分散投資には大切な候補、おすすめETFとなります。
ETFの選び方を順に追っていっても、VWOは候補となるETFですから。
一方で、世界でみれば有事にお金が引き上げられる可能性が高いのが新興国といえます。
VWOはポートフォリオの主力というよりは、サテライトにされることが多いのも頷けます。
VWOの株価チャート 直近10カ月
最近では、世界中の株式市場の相関係数が高くなっているといわれます。
新興国市場といえども、米国市場の影響を大きく受けるわけです。
VWOに投資をする際には、株価の変動にも気を配りたいですね。
VWOの構成国上位は香港・台湾・インド
VWOの構成国をみると、上位3か国で50%以上の占有率となります。
中国株は別として、新興国への株式投資をすることは稀でしょう。
だからこそVWOというETFが分散投資に有用なツールとなるわけです。
2017年12月末時点
- 中国:32.6%
- 台湾:14.4%
- インド:11.8%
2017年5月時点
- 香港 :23.16%
- 台湾 :15.85%
- インド :12.08%
ちなみに1900~2012年のトータルリターンでは、南アフリカの株式市場が第一位でした。
南アフリカへ間接的に投資が出来ることも、VWOのメリットのひとつといえます。
VWOの構成銘柄ランキング
VWOの構成上位銘柄をみると、やはり中国企業がめだちます。
- テンセント(中国)
- タイワンセミコンダクター(台湾)
- ナスパース(南ア)
- アリババ(中国)
- 中国建設銀行(中国)
いずれも日本企業No.1のトヨタ自動車クラスか、それ以上に時価総額が大きい。
世界における日本市場のポジションが相対的に小さくなっていることを感じます。
VWOの分配金(配当金)と増配率の推移
西暦 | 分配金 | 増配率 |
2005年 | 0.538 | |
2006年 | 0.669 | 24.3% |
2007年 | 0.985 | 47.2% |
2008年 | 1.178 | 19.6% |
2009年 | 0.545 | -53.7% |
2010年 | 0.815 | 49.5% |
2011年 | 0.906 | 11.2% |
2012年 | 0.975 | 7.6% |
2013年 | 1.125 | 15.4% |
2014年 | 1.143 | 1.6% |
2015年 | 1.066 | -6.7% |
2016年 | 0.9 | -15.6% |
2017年 | 1.058 | 17.6% |
VWOの分配金は変動幅が大きいです。
新興国市場の醍醐味ですね。
分配金と増配率をグラフにしてみよう。
VWOの分配金の推移は、凸凹があるのが特徴
VWOの分配金には凸凹がある。
新興国ETFなので、安定感を求めてはいけません。
1株あたり年間 0.8 ± 0.4 ドル程度をみておくとよさそうです。
VWO株価チャートと分配金状況を見るに、いつ買っても良いという米国株とは異なる。
VWOの買い時は、ある程度株価が下がった局面でしょう。
VWOの増配率の推移
直近10年のVWO増配率をみると
- 増配:7回
- 減配:3回
となっています。
10年前の分配金よりも10.2%少なくなっている。
良くも悪くも変動幅、ボラティリティが大きいことがVWOの魅力ですね。
まとめ:VWOの3つの特徴
VWO(新興国ETF)とは
- 10年リターンはS&P500に劣後(1.3% vs 8.4%)
- 最大組入れ国は中国(32%)
- 分配金の上昇率は低い(対10年前 -10.7%)
ポートフォリオは先進国に偏りがち。
それを補正してくれるのがVWOです。
注目すべきETFといえるでしょう。
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