連続増配銘柄の3つの真実は以下の通り。
- 配当利回りが下がっている
- 株価が上がっている
- 増配率が下がっている
状況はあまり良くない。
この現状を明らかにし、今後に備えたい。
米国株の連続増配とは、配当金を毎年増やしている銘柄
連続増配とは増配を毎年繰り返していること
と、思いがちであるが実は毎年増配がなされていなくても連続増配は達成可能である。
なぜなら年間の1株当たりの配当金が前年より増加していれば、連続増配といえるからだ。
四半期毎に配当金をだすアメリカ株のトリックが存在する。
それはさておき、近ごろ増配銘柄の増配率が低くなっているのが気になっている。
疑問に思ったからには調べてみよう。
対象は25年以上の連続増配銘柄とする。
米国株;25年連続増配銘柄の配当利回り・株価・増配率の推移
1.リーマンショック以降、配当利回りは下がっている
The DRiP Investing Resource Centerより
上図は2007年12月以降における、25年連続増配銘柄の平均配当利回りを示している。
リーマンショック時に跳ね上がっており、その後は徐々に低下している。
そしていま現在の配当利回りは直近10年で最低レベルだ。
- 2008年2月:3.13%
- 2009年2月:4.93%
- 2011年2月:2.85%
- 2013年2月:2.77%
- 2015年2月:2.55%
- 2017年4月:2.34%
2009年時は、経済危機による一時的な利回り上昇である。
すなわち株価が下がったことで配当利回りが高くなっている。
それでは株価がどのような推移を辿っていたのかを見てみたい。
2.リーマンショック以降、株価は右肩上がりである
The DRiP Investing Resource Centerより
上図は2007年12月以降における、25年連続増配銘柄の平均株価推移を示している。
ここで気を付けたいのはリーマンショック時には30%の銘柄が連続増配から脱落している点だ。
つまり生き残りバイアスがかかっている。
100年に一度と言われる経済危機を乗り越えることができた逞しい銘柄の結果である。
綺麗な右肩上がりになっていたとしても不思議ではない。
いずれにせよ、25年連続増配銘柄の平均株価は最高レベルにある。
3.増配率は下がってきている
The DRiP Investing Resource Centerより
上図は2007年12月以降における、25年連続増配銘柄の平均増配率推移を示している。
いま一番気になる増配率だ。
平均増配率はリーマンショック時に急降下をしその後上昇するも、2014年以降は下降していた。
- 2008年4月:9.92%
- 2009年4月:8.63%
- 2010年4月:5.19%
- 2011年4月:6.56%
- 2013年4月:8.29%
- 2015年4月:7.89%
- 2017年4月:5.44%
増配はどのようなときに実施されるのか?
多くの場合EPS(1株利益)の上昇により増配がおこなわれる。
利益が上がりそれを株主還元するのが常だ。
だとするとEPS上昇率 ≒ 増配率 と考えることが可能である。
ここで不安が生まれる。
2017年に入ってからの増配率は、過去10年の最低レベルに近づいているからだ。
EPSの伸びが鈍化しており、増配率を高く保つことが難しくなっていると示唆される。
まとめ:25年連続増配株の配当金
25年連続増配している銘柄の3つの真実を明らかにした。
直近10年間でみると
- 配当利回りが最低レベル
- 株価が上がっている
- 増配率が下がっている
今後もこの傾向は続くと思われる。
これは配当金を狙った連続増配銘柄に対する投資の旨味が減っていることを意味する。
正直こんなデータは見たくなかった。
終わりに、
増配銘柄への投資がウハウハだったのはリーマンショック時である。
25年以上連続増配銘柄群の平均配当利回りが4.93%という時代があったからだ。
その時にうまく資金投下をできた人は、今現在は大きなリターンを得ているに違いない。
ところが株価急落局面で落ちるナイフを拾いにいくことは至難の業である。
よって、いかなる状況においても淡々と投資ルールを守れる環境を整えるのが良い。
行動を変えるならば、ルールの見直しが必要だと思い出さなくてはならない。
と、強がっているけど本当は、アルファベット【GOOGL】やアマゾン【AMZN】にすごく心惹かれているのが本音。
See you!
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